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マシェル・メネガという眼鏡3

 Q 何で嫌がらせした筈の私の服まで濡れているのでしょう。


 A ディーネの水魔法が勢いつきすぎて、私の服にまで水がぶっかかったからです。



 …お前、自分も濡れた状態でヒロイン馬鹿にしてのかいという突っ込みは聞こえないふりをさせて頂こう!!

 だってあの状況で、「きゃっ、私まで濡れてしまいましたわ」なんていえるか?間抜けすぎるだろう。

 そんなわけで、何事もなかったかのように用意した台詞吐いて颯爽と去させて頂きましたわ!!悪いか!!


 白を基調とした制服は水を含んでべったり張り付いて、中の豪奢な下着は勿論、豊かなバストの形までしっかり浮いて見えてしまっている。

 いやん、我ながらせくしぃ。いつ見ても惚れ惚れするぜ、この巨乳。


「な、な、な、なんで貴様はずぶ濡れなんだ!!なんていう格好をしているんだ!!」


「…私の水精霊が、ちょっと魔力量を誤って、私まで水を被っただけですわ。何をそんなに狼狽えてらっしゃるんですの。たかだか下着が透けたくらいで」


「た、たかだかぁ!?」


 正直、私としては濡れて下着が透けたくらいじゃ、そんなに気にしない。

 ポロリしちゃったわけであるまいし。雨の日に傘忘れた時には、ままあることだ。前世から通算すると、精神年齢40半ばなのだ。小娘のように恥らえるか、それくらいのことで。

 しかし、堅物マシェルにとっては、違ったらしい。

 耳まで真っ赤にして盛大にパニくってらっしゃる。女性経験無いの丸出しだな。情けない。

 …ん、これはもしかして、こいつ虐めるチャンスではないか?


「…もしかして、私の胸を見て興奮されてしまったのかしら?」


「こ、興奮!?何で私が、貴様の胸なんぞに…っ!!」


「恥ずかしがらなくてもいいですわ…そう言ったお年頃ですもんね」


 ついつい台詞が年上のおばさん臭くなってしまうが、まぁ、そこは許してほしい。

 気分は若者を誑かす、妖艶熟女なのだ。実際精神年齢考えると、間違っちゃいない。

 口元に笑みを浮かべながら、わざと自身の胸をマシェルに押し付けるよう近づいて、その耳元に囁く。


「――可愛らしい、方」


 極めつけに、その耳に息を吹きかけるのも忘れない。

 完璧だ。完璧エロエロ熟女だ。

 ただでさえ赤いマシェルの顔が、沸騰したようにさらに真っ赤に染まる。


「…は、」


「は?」


「破廉恥だーーっっっ!!!!」


 大声で叫びながら、マシェルは脱兎のごとく逃げ出していった。

 おうおう。速い、速い。

 でも、うっかり壁とかにぶつかりそうになってんぞ。間抜けでーい。

 今回の喧嘩は完全に私の勝利だな。


「ぷはっ、ディーネ、見た!?マジメガネ野郎のあの顔っ!!めちゃくちゃ笑え…」


 噴き出しながら、ディーネがいる方を振り返った私の眼に入ったのは。


 ――迫りくる、巨大な火の玉だった。



「うわっ!!あぶねっ!!ちょ、召喚してないのに出てきて、いきなり何すんだ、サーラムっ!!」


「ダマレ、アホマスター!!避ケルナ!!乾カシテヤルッ!!」


「乾く前に焦げるわ!!私が大やけどするわ!!」


「ウルサイウルサイウルサイ!!アホマスター!!糞マスター!!」


「連射すんな!!ちょ、やめろっ!!てか、なんで泣いてんの!?ちょっ!!」


「ワ、私ガ魔法コントロールヲ誤ッタバカリ二、マスターノ下着ガ男性ノ方二…」


「ディーネ。マスター、気二シテナイカラ気ニシナクテイイヨ。マスターハ、モット気二シロ。女トシテ」


「恥ライ、ナイ…」


「シルフィ、ノムル、勝手に出てきたことは何も言わないから、とりあえずお前らサーラムを止めろーーっ!!!」




 結局何とかサーラムを宥めすかして、サーラムとシルフィ、ディーネの合体技で、ミスト付ドライヤー的な魔法を作ってもらって濡れた服を乾かしてもらいました。(出番がないノムルは寝てた…いつかあいつを徹底的にこき使ってやらねばなるまい)


 そして服が渇いてから気が付く。


 …もしかして私、ヒロインのイベント奪っちゃってない?

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