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ダーザ・オーサムというショタキャラ14

「んなことはどうでもいい…それよりお前、今日ダーザに会いに行くっつってたけど、あれどうなったんだ」


 突然の、ディビットの口撃(誤字にあらず)私はすぐ様臨戦態勢をとる。


「…残念だけど、図書館、人多すぎて会えなかった」


 脈拍、正常!!

 瞬き、通常回数!!

 声の震え、皆無!!

 視線、ディビットに固定!!


 ――完璧だ。


 なんという、完璧な嘘だ。


 生理的な反射反応すら操れる自らのハイスペックさに、我ながら惚れ惚れするぜ…これならば、オージンだって前みたいに見破れまい。 一般人のディビットなら、なおのことだ。

 さぁ、ディビット!!私の嘘にころりと騙されるがいい。


「……嘘だな」


「なっ…!?」


 しゅ、瞬時で見破っただと!?

 な、何ゆえに!?私の演技は完璧だったはずだ。


 目を見開き動揺を露にする私を横目で身ながら、ディビットはすんと鼻を鳴らした。


「分泌フェロモンに嘘の香りが交じってる」


「うそん!?フェロモン魔法ってんなことまでわかんの!?」


 な、なんつー恐ろしい魔法なんだ…もはや人間技じゃない。

 驚愕に目を見開く私に、ディビットは口端を吊り上げた。



「やっぱりてめぇ、嘘か」


 ……な、なんだと。まさかの、誘導尋問だと!?


「…え、ディビット。嘘嗅ぎ分けれるって嘘なの?」


「フェロモンをある程度感知できんのは嘘じゃねぇが、んな微細に香り嗅ぎ分けられっかよ」


「んじゃあ、どうやって…」


「勘」


 …悪魔様。

 その野生の直感的ななんか、マジぱねぇです。

 あんたにそんな力あると色々危険だから、神様はそんなギフト速攻で取り上げるべきかと。


 …え。何でここで、私の手をそっと取るの?

 別にまだ足痺れてないし、そんな優しさとか、裏がありそうで怖いから、いらないよ!!遠慮するよ!!

 ちょ、待って。ちょ待って、ちょま、ちょちょちょちょちょっ!!


「痛痛痛たたたたた―――――っ!!!」


「ご主人様謀るとか、てめぇ良い度胸だな?おい」


 ぞ、雑巾刑。

 まさかの雑巾刑(※腕を雑巾の要領で絞る、小学生間などで良く行われる拷m…罰ゲームの一種。良い子は真似しちゃいけないゾ)ですよ!!

 ディビット、握力半端ないから、ものすげぇ痛いんですが!!


「ごめんなさい、ごめんなさいっ!!だって、ディビット、ものすごく不機嫌だったんだもん!!絶対お仕置きされると思ったんだもん!!」


「ほう…つーことは、失敗したんだな?あん?」


「なんか、名前名乗ったら、いきなり宣戦布告されて逃げられて、ろくに話も出来ませんでした」


 てへぺろ☆


 そんな効果音が背景につけられているかの如く、愛らしい笑顔でデイビットに真実を告げてみる。空いている手で、こつんと自身のオデコをこつくのも忘れない。

さぁ。ディビット。私の愛らしさと素直さに免じて、ここは寛大な対応を…て、痛、いだいだいだいだい---っ!!

 な、なぜ握力二倍増しになる!?何故、こめかみに筋を浮かべてらっしゃるの!?

 ちょ、止めて!!いくら絞ったところで、私の腕からは水分なんか絞れないから!!だらだら冷や汗流れているけど、これ雑巾のそれと違うから!!

 皮膚が裂けて、真っ赤な水分出てくる前に、止めて――――っ!!



「…まぁ、こんなとこで解放してやるか」


 ディビットに虐められたわが白魚のごとき手は(あれ、この例えって指先だけ?腕にも使っていいんかな?)、人の手の痕が真っ赤に残っておりました。…なんて、痛々しい…。


「しかし、てめぇ、失敗ばっかだなぁ。やる気あんのか?あん?」


 ヤンキーのごとくすごむ悪魔様に、肩を落としてそっぽ向く。

 …いや、オージンはともかく、ダーザに関してはどう考えても、最初に好感度-30とかたたき出しているディビットのせいでしょ。

 うん。ワタシ、悪クナイ。

 ワタシ、無能、チガウ。


 眉間に皺を寄せていた悪魔様だが、突然にやーっと悪どい笑みを浮かべて私を見据えだした。



「もしかして、てめぇ、わざとか?」


「………はい?」


 何言い出すんだ、こいつは。

 しかも、なんか急に機嫌良くなったぞ。情緒不安定か。


「なんだかんだ言って、俺に他の下僕が出来て、構ってもらえなくなると淋しいから、わざと失敗してんじゃねぇのか?他の下僕が作れねぇように」



 --はい--っ!?

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