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無理だと諦めたら、そこで試合は終了です

 …いや、ちょっと待て。

 私は仮にもサディスト。嗜虐を快感とする女。

 考えようによっては、マゾヒストなアルクは、性癖的にも相性抜群の相手だとは思えないか。需要と供給が一致した、理想の相手だと。


 想像してみる。

 SMの女王様のコスチュームで、鞭を振るう自分の姿を。

 亀甲縛りでその鞭を受けながら、快感に喘ぐアルクの姿を。


 …うん、びっくりするくらい気持ち悪いな!!無理無理無理無理!!

 私、自分のことをサディストだと信じて疑ってなかったけど、こんな想像で鳥肌立ちそうになることを考えるとどうも勘違いだったみたいだネ!!いや、でもやっぱり、例えばマジメガネ野郎とか、私を現在進行形で虐げているご主人様が屈辱に歪んだ顔とか想像するとゾクゾクするから(悪魔様に関しては下剋上展開、心より望む)、勘違いとも言い切れないか!?あれ、私ってソフトS?ドエムよりドエスを虐げたい、真のドエス?え、あれ、自分の性癖が良く分からなくなってきたぞ!?



 …まぁ、そんなことはとりあえずどうでもいい。

 そんなことより、あれだ。

 現状を把握して、まず言わなければならないことは、一つしかない。


「…ご主人様」


「なんだ、下僕」


「ハッキリ言います…この状況で逆ハーエンドとか、まず不可能ですっっ!!!」


 断言しよう。こんだけ正規ルートから外れまくった現状で、逆ハーエンドに導けるわけがないっ!!!!



 なぜかイベントが発生しないオージンの原因解明はまだいい。


 しかし攻略キャラの二人が好感度大きくマイナススタート?

 一人ドエム開花で好感度急上昇中?

 もう一人が、なぜか私がフラグ乗っ取り起こしている?


 ゲーム通りの展開が400%くらい望めないことが分かりきっている状況で、一体どうすれば逆ハーエンドを狙えるっていうのだ…。第二イベント以降の選択肢間違えなければいいとか、もうそういう次元の問題ではなくなってんだぞ…!?

 あぁ、第一イベントから、全てやり直させたい。もう一度同じ虐めを攻略キャラの前でやっちゃえば、ゲームの強制力働いて、既に起こった第二イベント無かったことにならんかしら。一から全部やり直せないかしら。リセットボタン押す感覚で。

 …あぁ、駄目だ。私がエンジェと仲良くなったことは、最早学園中に広がってしまっている。再び私が虐めモードに入るとか、どう考えてもおかしい。私が情緒不安定ヒステリー女扱いされるのは間違いない。

 あーダメもとで試してみる価値はあったのに…っ!!あんな百合百合モード大々的に披露しなければ良かった…っ!!

 後悔は募るが、時すでに遅し。私は嘆くことしか出来ない。


「あぁ?どうゆうことだ、てめぇ」


「物語が私が考えていた展開から脱線しすぎてて、軌道修正不可能なんですよ~っ!!」


 凄むな。怒るな。

 元はと言えば、中身が悪魔過ぎるてめぇが悪ぃんだろうが!!無理ななもんは無理だ!!


 私の言葉に悪魔様は、盛大に舌打ちを打つ。

 …舌打ち好きね、悪魔様。癖になるからやめた方がいいよ。そういうの。あんまり繰り返していると、無意識でやっちゃうから、色々取り繕えなくなるよ。…まぁ、悪魔様そういうの気にしなそうだけど。


「…しゃあねぇ、下僕はてめぇだけで諦めるか」


「……」


「…全員とは言わなくても、何人か使える奴を落とせたら、てめぇは解放してやろうかと思ってたんだけどな」


 ……へ?


「他に使える下僕いんなら、隷属魔法維持すんのも色々面倒臭ぇし、てめぇは魔法解除してやってもいいかと考えてたんだが、無理なら仕方ねぇな。てめぇ一人を、こき使うことにすっか。本当は野郎の方が色々使い勝手がいいんだけどなぁ…」


「――ご主人様」


 私は既に諦めの方向に思考回路が傾きつつあるディビットの手を、がしっと両手で握り締めて、真剣な眼差しを向ける。


「まだ、諦めるのは早いです。全員でなくても良いなら、私ルクレア・ボレアが全身全霊をかけて攻略キャラを複数人、下僕化して見せましょう!!」


 …だから、その暁には、必ず私を解放してくださいねっ!?悪魔様っ…!!



 ルクレア・ボレア

 大貴族の身分を持つ、超ハイスペックな悪役令嬢。17歳。

 持っているスペックフル活用して何でもやらせて頂きますっ!!自由の為ならばっ!!



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