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おでんと手袋(僕ver)

作者: 碓氷夏恵

僕と彼女の繋がりはただのクラスメイト。

本当にそれだけの関係だった。

やはり違う。訂正しよう。

ただのクラスメイトではなく、最近よく目が合うクラスメイトだ。


そんな関係に変化が起きたのは2週間前だった。


コンビニで雑誌を立ち読みしているのが、彼女にバレて、しかもそのコンビニが彼女のバイト先だったことから、変わった関係になった。


「また、立ち読みしてる!!」

彼女だ。

彼女のシフトと僕の立ち読み時間が被ってると必ず後ろから声をかけてくる。

「うっさいな〜。あとでおでん買って、お店に貢献するから黙ってて!!」

「毎度ありがとうございます」

彼女はクスクス笑いながら去って行く。


彼女がレジ担しているときに並んでおでんを買い、彼女は少し多めにつゆを入れてくれる。


僕はこんな他愛もないことが大好きだった。


「あたしさー、明日先輩に告白するんだ!!」

それから2週間後、唐突にバイトの帰り道で彼女は言った。

「何でホワイトデーに告白するんだよ」

「いいじゃん、別に」

彼女は手を振り回しながら、怒りだした。

「そっか、バレンタインデーに告白出来なかっただろ」

「そうだよ」

彼女はふてくされながら答えた。

「だから、今度は絶対告白出来るように」

彼女は小さな手をぎゅっと握りしめた。彼女の目が真剣だった。

「まあ、がんばれよ」

「うん」

僕は彼女の顔がまともに見られなかった。

その理由を僕はわからなかった。


翌日の放課後

僕は掃除当番で、掃除をしているとピンクの手袋が片方落ちてた。

彼女の手袋だった。

僕は彼女のバイト先で渡せばいいと思ってカバンにしまった。



「あっ」

掃除も終わり、ホームで電車を待っていると隣のホームに彼女はいた。

隣のホームから見えた彼女の顔は泣いていた。

そのとき僕は分かった。


彼女が告白したこと。

彼女の恋が終わったこと。

やたらに目が合ったのは、僕が彼女を目で追っていたということ。

そして、彼女のことが好きだということ。


片方の手袋を落とした彼女に声をかけられない不甲斐ない自分。


自分はどうしたいんだ。

彼女とただのクラスメイトのままでいいのか?


違う。

自分は彼女の特別な存在になりたいんだ。


俺は走った。


そして、俺は初めて彼女の名前を叫んだ。


これは俺が初めて本気で恋をした物語である。

初めて書きました。もしよかったら、感想お願いします。

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