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第四の月 十二日
◎大陸歴三二五七年 第四の月 十二日
今日は散々だった。
ティートがいつもの如く大暴れしたかと思ったら、なんか復活したし。腐らない死体として有名だった。
<剣を抱く女>っていう元展示品の名前はアーテヘミアっていうらしい。
初代都市長や<五王>マニアのみならず、何故か人形オタクにも好評な展示物だったけど、蘇生するなんて聞いてない。ティートが壊したガラスやアイツを入れてたケースも割れて床に散らばってたけど、よく怪我しなかったよな、俺。
こっそり館長に聞いてみたけど、アイツの持ってた剣はジャクリーンさんの部屋に置いてあるとか。黙っとこう。首絞められるより酷い事になるのは勘弁だ。
それよりだ。
敵討ちかなんか知らないけど、アイツは<災獣>を倒そうとしてる。その案内役兼監視役に俺が選ばれた。館長ひどい。他の研究者達からは羨ましがられたけど、俺にとっちゃ迷惑極まりない。それよりも、怖い。
だって<災獣>だよ、<災獣>! そんなのがまだ生きていたってのも驚きだけど、そいつ倒しに行くなんて、狂気の沙汰だ!