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奇跡
「佳奈、お母さん、お父さん・・・・?」
私をちゃんと見て話す3人。
医者には見えてないのか、驚いた様子で3人を見ている。
「馬鹿!なに1人罪悪感に駆られてるのよ。美月は1人じゃないんだから!今も、これからも!」
言い終えて、涙を流しながら私に抱きつく親友。
「ああ、美月、美月・・・。」
お母さんも震える両手で私の頬を包み込む。
「美月、あっちの世界で相手を見つけて幸せになれ」
お父さんがぽんぽんと頭を軽くたたく。
「みんな・・・」
涙がさっきの倍出てきた。
死んだ私に神様からの素敵な贈り物。
クリスマスの夜に起こった奇跡。
私達4人は涙を流して別れを惜しんだ。
でも、私は行かなくちゃいけない。
幽霊がどうなるかとかそういうのは分からないけど、
この世にずっといるのはいけない気がした。
「お母さんお父さんは私の分も長生きしてよね?佳奈は素敵な相手を見つけて幸せになって?」
3人が頷く。
「大好きだよ」
私がそう告げた時、全員笑顔になった。
そこで、意識を失った。