有浦美月、死亡
「20××年、12月25日、午前3時19分。ご臨終です」
医師から告げられた言葉。
その言葉に私の家族は涙を流す。
私、有浦美月は、たった今、死んだ。
17歳っていうまだまだ若い歳で死んだ私は、今家族の隣に立っていた。
目の前には自分の寝ているようで死んだ姿をした中身が空になった身体。
ただボーっとしながらそれを見つめていると、病室のドアが勢いよく開いた。
「美月!!」
大きな声で私の名を叫んだ少女は、私の心臓が止まっていることを示しているモニターを見てその場に立ちすくんだ。
「・・・え?」
少女は少し笑みが混じる顔でつぶやいた。
「なに、これ・・・」
混乱が見て取れる表情をする少女。
そんな少女を私は見ていると、突然目頭が熱くなった。
死んだから涙なんて出ないはずなのに。今普通に立っている自分の姿も本物じゃないのに。
なぜか涙が次から次へと出てきた。
「佳奈ぁ!!」
知らず知らずのうちに少女の名前を叫んでいた。
佳奈に駆け寄って抱き着こうとするが、彼女は私を素通りし、空になったもともと私がいた身体にしがみつくようにして抱き着いた。
すれ違って、やっと確信し、実感した。
自分は、死んだ―――――――と。