表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

有浦美月、死亡









「20××年、12月25日、午前3時19分。ご臨終です」
















医師から告げられた言葉。

その言葉に私の家族は涙を流す。


私、有浦(ありうら)美月(みづき)は、たった今、死んだ。

17歳っていうまだまだ若い歳で死んだ私は、今家族の隣に()()()()()

目の前には自分の寝ているようで死んだ姿をした中身()が空になった身体。


ただボーっとしながらそれを見つめていると、病室のドアが勢いよく開いた。


「美月!!」


大きな声で私の名を叫んだ少女は、私の心臓が止まっていることを示しているモニターを見てその場に立ちすくんだ。


「・・・え?」


少女は少し笑みが混じる顔でつぶやいた。


「なに、これ・・・」


混乱が見て取れる表情をする少女。

そんな少女を私は見ていると、突然目頭が熱くなった。

死んだから涙なんて出ないはずなのに。今普通に立っている自分の姿も本物じゃないのに。

なぜか涙が次から次へと出てきた。


「佳奈ぁ!!」


知らず知らずのうちに少女の名前を叫んでいた。

佳奈(かな)に駆け寄って抱き着こうとするが、彼女は私を素通りし、空になったもともと私がいた身体にしがみつくようにして抱き着いた。


すれ違って、やっと確信し、実感した。





自分は、死んだ―――――――と。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ