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幕間『王子の半生(ダイジェスト版)』

 それは悲劇の物語。


 四つの祝福と、一つの呪いを宿した王子、ゼクス。

 彼はその『呪い』の為に『年上のメイドさん』や『有力貴族の奥方』、『年頃のお嬢様達』に、性的に色々されそうになったり、されたりした幼少期を送る。

 何故か強く拒否することが出来ず苦しんで、抵抗しきれず汚された。


 結果――ゼクスは年上の女性が苦手になった。


 そして『王子が女性に苦手意識を持っている』という事を知った王様は、「こりゃイカン」って感じでゼクスを隣国にある『優秀な乙女が集う女学校』に特例認めさせて放り込んだ。

 お淑やかなお嬢様達に囲まれて過ごせば、女性の素晴らしさが解るだろうという親心。

 …………それが狼の群れに羊を放り込む行為だとは王様は思いもしなかったのである。

 あの手この手でゼクスを誘惑して、未来の王妃になろうと画策する同年代の乙女たち。

 策を巡らし、徒党を組み、相手を貶め、利用する――その陰険とも言える乙女のダークサイドを直視する事になった哀れな王子様。

 そして、さらに残念な事に……結局最後には『同じこと』が繰り返されてしまいました。

 さすがに年齢的にデキちゃったら色々マズイので、最悪を回避するためにテクニックを磨いた結果、『ゴッドハンド』と呼ばれるまで巧みになってしまったゼクスだったりする。


 結果――ゼクスは同年代の女性も苦手になった。


 苦難の末、卒業し、王城にて次期王位継承者として生きるゼクス。

 色恋に興味を持たず、仕事に人生を費やす日々。

 外に出ると怖い女性がいっぱいいるので、城の中に引き篭もって仕事一筋。

 お見合いなどを進められても、全力拒否――既に女嫌いの領域に突入。一生独身覚悟完了!

 唯一の慰めは女性を感じさせない幼馴染ガサツメイドとの一時。

 そんな日々が過ぎていくなか――


 ――運命は、突然襲い来る。


 ある日、ゼクスが王城の庭で剣の修練をしていると、空からボールが降ってきた。

 城壁の向こう側には川が流れ、その河原で『ソフトボール』をやっていた少女達(十三歳以下)の打った運命の一打――上昇気流に乗って、飛びに飛びまくったホームランボール。

 気まぐれで、そのボールを返しに城を出た。

 そして、ゼクスは『友情・努力・勝利』を掲げ、健康的な汗を流す少女達に出会う。

 女性のダークサイドばかりを見てきた彼には衝撃的だった(ギャップ萌え)。


 結果――ゼクスは生まれて初めて『トキメキ』を知った。


 心にストライク、社会的にアウト! チェンジ・ザ・ワールドな青年期の始まりである。

 …………ちなみに、この約束された『覚醒』に城中の人々が泣いたのは言うまでもない。

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