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「あ、あ……その、お祈りも努力がいるんだよ……」
ラピュタンが努力なら自分も負けていないという旨を伝える。
ナミが、してきた苦労を口に出したのは、そんな彼の姿勢が許せなかったからだ。
「祈りに努力が必要ですって?」ナミは少し憤りを感じて、吐き捨てる。
「なによ!少し父さんに目を掛けられてるからって、私に意見するつもり?!
思い上がりもいい加減にしてっ! もうヘドが出そうだわ!」
ここに来てナミは胸に抱えてきたうっぷんを彼に吐きつけた。
「ヘドって……」ラピュタンは面を喰らって目をパチクリとさせる。
彼女は少し腹立ち気にそっぽを向いた。
そして頭上に手の指先を静かに持って行くと美脚の爪先を一歩踏み出す。
アクロバットを担当する一座の花形娘の足元は踊り子のように軽やかだ。
軽くステップを踏み、しなやかなターンをしたあとラピュタンに向かい、すまし顔でカーテシーをする。
「ご機嫌よう…」
強く当たられた直後だったのでラピュタンは何も答えないでいた。