3/20
3
「二人とも、ラピュタンが迷子にならぬようしっかり面倒を頼むぞ!」
「もう迷子だなんて彼も10歳よ、いつまでも子供扱いは可愛そうよ」
「俺が飯のうまい宿を探して来るからナミ姉ちゃんは、ラピュの傍にいてやって」
ロメスはラピュタンが迷子にならないか心配なのに行かせようとする。
四人家族で旅芸人をしながら子供たちの修行も含めているのか。
「飯の美味い宿はいいが、最近ボンパの腹の出っ張りが目につくなぁ」
「父ちゃん、それをいうなってーの!」
あははと笑い声があがる。
ロメスがいう様にボンパは食べ盛りのせいか、少しメタボ気味だった。
ぽっちゃり系男子というやつ。
そんな弟を見て来たせいか、ナミは上玉に入るプロポーションだ。
ラピュタンは食いしん坊のボンパとは異なり、草食系の細身。
華奢な身体つきであどけない。
まだどこか目が離せない年頃でもあった。
ロメスは二人の言葉を信じて、彼の面倒を任せた。