希望の光は闇でしたw
「怜ー、一緒にお昼ご飯食べよー!」
「わかった、今行くー」
あの日…2人が僕をかばってくれた日から昼休みになると毎日のように柚月と葵と過ごしてきた。
いじめは完全になくなったわけじゃないけど前にくらべれば全然マシだ。
それにこうやって話せる人が出来たのも初めてだった。
こういうのを友達、とか、親友、っていうのかな...
午後の授業も終わり、下校する時もいつもなら二人と一緒…だったが
「ごめん怜。今日この後私たち、ちょっと先生たちに用事があって…」
「多分待っててくれてもすごい時間かかると思うから先帰っててくれる?」
「わかった、また明日ね」
「うん!また明日ー!」
「ごめんね~、バイバーイ‼」
てなことで今日は久しぶりに一人で帰ることになった。
やっぱり、二人がいないとなると寂しいな…
でも、今まではこれが当たり前だったんだよな、、
そんなことを考えながら歩いているとふと今日の課題のことが頭に浮かぶ…
急いでリュックの中身を確認すると、
あっヤバッ 今日課題に出されたワークを教室に置いてきてしまったのだ。
まだ部活動はやってる時間帯だし、走れば間に合うかも、
そう思い僕は学校まで全速力で走った。
先生に事情を話、学校に入らせてもらうと僕たちのクラスの教室はまだ空いているとの事だったので素早く階段をのぼりきり、教室の近くまでいった。
すると誰かの笑い声がした。
教室の窓からチロッと見てみると中にはあの二人とアイツら…僕をいじめてきたやつらがいたのだ。
びっくりして足がすくんでしまい、その場から金縛りにあったように動けなくなってしまった。
はやく…帰ろう…。
でも、ふと思ってしまった。
あの二人…あいつらと何話してたんだろう。
少しドアに耳を押し当ててみた。
「キャー!このネイル可愛いー‼」
「いいなー、ねえそれどこで買ったの?」
「ええー、どうしよ、ヒミツにしちゃおっかなあ」
「えー!ズルい~、おしえてよお」
「やーだね!ヒミツ~」
「んもう、サイテーメーワクオシャレ女!」
「ちょっとなにそれwウケるんだけどww」
なんだ、おしゃれについて話してただけか、よかった。
あの二人もきっと迷惑してるんだろうな…
そう思い立ち去ろうとすると
「そういえば、アイツのことだけどさあ…」
!っ
「この前柚月と葵にわざとかばわせたじゃん?それからあいつどう?」
「あっ!それ私も気になる‼」
「えっとねー、なんかすごおい調子のっててマジウザイ!」
「それなあ、あとブスのくせにメイクしちゃってさあマジやばかった、、しかもうちらと同じやつ!」
「えっ何それやばあ!110番だよー!ww」
「きっも!ブスの顔でメイクするってナルシストじゃん!」
「でも私たちちゃんと可愛いって言ってあげたんだよー!」
「うんうん!ほんっとあの時のうちらマジ優しすぎ!」
「ちょっとお、それ自分で言う~?w」
「えー!だって私可愛いもん!」
「あんたもナルシストじゃんw」
「うぅ、葵ちゃんひどいよお」
頭の中が真っ白になり、ドアに倒れ込んだ。
あの二人の顔が浮かぶ、、どうして、、
でも、まだみんなの言うあいつが僕だと決まったわけじゃない
でも、もし僕だったら?もしも僕だったらどうしよう...
明日からどんな顔をすればいいんだろう
どんな風に接すればいい?わからない...
そもそも僕以外ありえないんじゃないか。
でも、信じたくない、信じたくない、信じたくない、、
あの二人を最後まで信じっ 「一応聞くけどさあアイツってれ…」
最後の力を振り絞って立ち上がり、耳をふさいでぼくは希望の二つの光をあとにした。
絶望の二つの闇をあとにした。