夜にしか泣かない
(短歌八首)
夜だけは
泣いてもいいと暗くして
涙をこらえて、でも泣いている
窓の外
祭囃子がにぎやかで
君よ鮮やかすぎる笑顔で
汚れてる
真白のTシャツ、生きていた
昭和を切り取る白黒写真
樹々に風
吹いて世界が揺れたとて
昇れず、みあげる、月への階段
叫ぶほど
熱い想いがこぼれない
ように枕に顔をうずめる
許すとか
許さないとか簡単に
云ってしまって良いのか、神よ
なん億の
ひとの気持ちが希んだら
世界を救ってくれるのだろう
美味しいと
やさしい声で微笑んで
もらえるカレーを作りたいかな




