51+2-4.間章 ダーチャの海賊達4
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三日間。
義勇軍とクラウゼンの連合部隊は挑発に乗る事無く守りを固め続け、即席の要害だった一夜城を長期的に使える域にまで完成させた。
尚、〔一夜城〕という呼称は何故か正式名称になるくらい評判が良かった。
城壁としての防御術式は今回、奪還を警戒して用意していない。
だが岩礁の間に軍隊の使用に耐え得る橋が完成し、それまで対岸とを繋いでいたダモクレス輸送帆船〔太極号〕が梯子橋を収納。
役目を終えた錬金術師達と共に、岩礁からの出航を果たした。
これにより防衛に回していた一部戦力を戦線に投入、近隣島への襲撃を開始する余力を得た義勇軍は、翌日の本格的な攻勢を一同に宣言する。
翌日の出陣の準備のため、アストリアは一度最北端砦に戻った。
戸惑い気味の将兵から報告を受けたのは、日が暮れた夜の事だった。
「村を逃げ出した難民達が、この砦に助けを求めて来ている?」
「ダーチャの海賊の常套手段ですね。
村の人間を人質に取って、我々の砦に入り込む気でしょう。」
即座に切り捨てるべきだと主張するのはクラウゼンの将達だ。彼らに言わせれば自分達の命を捨ててまで助ける義理は無いと一蹴する。
そもそも北西部で砦化されていない村々の住民は長年の略奪によって大分混血化も進んでおり、ダーチャの海賊達の言い分に殆ど無抵抗に従うという。
中央寄りの騎士達にとっては半ば他民族として扱いたいくらい、腹立たしい状況になっている様だ。ただ税は滞りながらも収めており、別に敵でもないのだが。
「しかし!我々は弱者を虐殺するために戦い続けている訳ではない!
弱者を救うために戦っているんです!」
反論しているのは東西子爵領のヴェルダ令嬢だが、その表情は明らかに常の精彩を欠いている。最近は余り眠れていないとも聞く。
今回の海賊戦線での捕虜による、度重なる自爆や自決が相当堪えているようだ。
「その弱者が牙を剥いて襲いかかってきているのだ!
剣を抜いた相手を切り捨てる、それは当然の話だろう!
それとも貴殿は騙し討ちなら黙って殺されるべきだと言うつもりか?!」
「そこまで。お互いに感情論になってるよ。
……実際問題、戦闘員が居ない筈の集団が真っ直ぐ砦の方角に逃げて来たというのは間違いなく怪しい。他の地域ならともかくここはクラウゼンなんだ。
どういう扱いを受けるかは彼らの方が義勇軍より詳しい筈だ。」
「それは……。」
空回っている自覚がある分、彼女の表情には焦りが見える。普段の冷静さは既に欠片も見当たらない。
ここまで来ると助ける事だけに囚われ、既に相手を見てもいないのだろう。
かなり危険な兆候だ。ここでクラウゼン側の言い分通り撃退を選んだら、独断で動きかねないくらい追いつめられている。
「まあこの際相手の思惑に乗るのも癪だ。
いっそ全員を捕虜にとって、情報を聞き出してみよう。」
「では海賊達に与える食事はどうする気か?」
「流石にそっちはこちらで受け持つさ。成否の責任もね。
準備は我々の手で済ます。ヴェルダ令嬢もそれで手打ちだ。」
「は、はい……。」
一応とはいえ殺さずに済んだ事で、ヴェルダ令嬢も安堵の溜息をつく。
(さてと。うまく成功してくれると良いんだけど。)
こればっかりは博打だ、やってみないと満足行く成果が出るかどうか。
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難民作戦は成功率こそ低いが、何度か繰り返せば一回くらいは成功する。
特に他国軍がいる時ほど可能性は高く、実際彼らは中に入れると約束した。
――だというのに。
「俺達は何故、ここで牢の中で捕まっているんだ?」
食事を受け取った辺りは覚えている。外で一晩待たせると言われた時は抗議の声を上げたが、食事は出すと言われ引き下がった。
そうだ、段々思い出して来た。共に来た者達が難民なのは事実だ。
単にその何割かが自分達、ダーチャの海賊であるというだけだ。
受け入れ準備があると言われ表向き渋々引き下がったが、今晩の食事が配られた時点で情に流されている。内心ではほくそ笑んだ。
勿論嘘も警戒したが、貴重な食料を消費したからには信憑性は極めて高い。
それに食事を受け取った本物の難民達が一様に静かになった。一心不乱に食べたというべきか。
お陰で大した騒ぎには出来ず、腹立たしくもあったが相手は素人だ。
止むを得ず芳醇な香りに導かれて神がこの世に降り立った。
奇跡を知り涙が零れ、皆が救いを噛み締めて気が付けば空腹が満たされていた。
争いの愚かさを体感し、安らぎの中で眠り。
「……そうか。眠っていたのか、俺達は。」
意識が戻り我に返ると、ある程度状況が見えて来る。
石壁の部屋と鉄格子の向こうにも窓は無く、周りの者と合わせて考えると自分は縄で拘束され、木枠で両腕を釣り上げた状態で並んで座らされている様だ。
靴や隠し武器も、確認出来る範囲では全て没収されている。
となれば身体検査は終わっている。これは不味い状況だ。
周囲からも徐々に目覚め、しかも殆どが顔見知りである事に愕然としつつ。
これは凶器を隠し持っていた者達が隔離されたのかと理解する。
「なっ!これはどういう状況だ?!お前、まさか!」
「待て!先ずは周りを見ろ!というよりお前は目が覚める前を覚えているか?!」
視線で周囲を見回しながら、こちらに疑いの目を向けた同志に迂闊な事を言わない様に合図を送る。尋問を警戒しろの意味だ。
伝わった。同志は一旦大人しくなり周囲の警戒と確認を優先する。
周りにいる同志の中でも意識を取り戻し始めた者達がおり、そちらにも伝わってお互いに事情が分かる者がいるかを確認し合う。居なかった。
少なくともこの場の同志達の中に、全員状況を把握している者は居ない。
「という事は、やはり奇跡に眠り薬が盛られていた様だな。」
「ああ、恐らくな……?しかし、何故俺達は生かされている?」
数人が石階段を下りる足音に気付き、来るのが早過ぎると内心で毒吐く。
そして同志以外の者を視線で睨み、余計な事を言うなと口を封じる。
護衛を伴って降りて来たアルトリア王子は、牢に近付かずに声をかける。
「目が覚めた様だね。君達は今、自分が置かれている状況を把握しているかな?」
「な、何の事だ!これは何だ?!俺達をここから出してくれッ!」
同志の一人が騒ぎ立てて無害な村人を装うが、声をかけた青年は躊躇無く指先に魔術の火を灯す。部下と思しき者達も当然の様に槍を構えた。
「ここに居るのは〔爆裂玉〕や〔毒煙〕を始めとした凶器持ちだ。
君達は全員とまで言わないが、大多数がダーチャの海賊か彼らに脅された者達だと判断している。騒いだり指示に従えない者は遠慮なく処刑させて貰うよ。」
「「「っ!?」」」
(やはり人質達も共犯扱いか!だがその程度は想定内!
我々の役目は無辜の民を装い、同志達を殺し難く仕向けるまでだ!!)
その為事前に恐怖に耐えるための〔神の妙薬〕も飲んで来た。
「とはいえ、君達を拷問する気は実は無い。
信憑性の高い情報を吐くとは思ってないし、何より君達が紛れていた時点で目的はこの砦を落す事だとはっきりしているからね。」
(な、何?拷問しない?それに、確認もしないのか?
どういう事だ?一体何を聞く気だ?わ、分からん!コイツ何を考えている?)
「聞きたいのは人質を取られたであろう集落の位置だ。
我々はこの砦に来た全員を捕まえている。分かるかな?我々の目的はダーチャの海賊達の討伐であって、敵に寝返った者達の救出では無い。」
「「「っ?!?!?」」」
「君達が本気で家族を助けたいなら、知っている限りの情報を提供してくれ。
敵の数、人質の位置、村の配置。何でもだ。だが情報提供が無かった場合、判別手段も無い人質をわざわざ救出する気は無い。」
「「「ッッッッ!!!」」」
咄嗟に視線を向け、言うなよと牽制する。言えば人質の安全は保障しないと。
「勿論情報を提供したからと言って君達が直ぐ解放される事は無い。
解放されるのは情報の真偽を確かめて、救出作戦が終わった後の話だ。最低でも数日はここで過ごして貰う。」
それは即ち、この場にいる者達に人質を害する事は出来ないという意味。
だが問題は集落側に残っている同志がどう判断するかだ、問題無い。筈だ。
「こ、この場にいる者だけがダーチャの海賊じゃないぞ!」
「お、おいお前?!」
今のはどっちも同志達だ。となるとアレは牽制か。
「先程言った通り砦に来た全員は捕えているし、我々はダーチャの海賊がこの場にいると承知の上で要求している。
誰も話さないなら、村に人質はいないと判断するだけだ。
ああ。子供は口が軽いから、子供だけの部屋に集めて証言を取らせているよ。」
(ま、不味い!どうすれば黙らせられる?
いや、黙らせれば連中が攻撃をためらうか?
だが、だがしかし…………ッ!)
「な、なぁ。それって……さ。
あんたらが村に向かっている間、食事……とか。どうなるんだ?」
空気が凍った。
「いや、流石に出るよ?万全の体調にはさせないから量は減るけど。」
「ま、待て!量は減るのか?!脅されて来た者もいるんだぞ?!」
(自白かな?自白だよね?)
「いや、協力者なんだから減るだろう?後全員縄を解かないからね?」
途端に全員が声を上げようとして。
「待て!皆冷静になるんだ!そもそも、夜に食べたのは何だったんだ?
あれと同じ神が捕虜にも出るのか?!」
「え?昨日のはダモクレスの兵糧だけど、毎回じゃあ無いよ?
兵糧は義勇軍の受け持ちだから、ダモクレス産の比率は高いけど。」
「「「「「あ、あれが普段の食事なのか?!!?!???」」」」」
驚愕と共に、ダーチャの海賊達に辛く苦しい日々の光景が過る。
思えば自分達は、常に耐え忍ぶ日々だった。
耐え続ける事が来世の為の、今生を生きる者達の使命だった。
我々が何故苦痛に喘がねばならないのか、何故大陸で真っ当に暮らせないのか。
我らが神の正しさを知るからだと、我々は神敵を滅ぼさねば救われないのだと、何度も何度も繰り返し言い聞かされて来た日々。
まやかしの救いの手は必ずや後日裏切られる。
我らが行う全ての行為は、かつて連中の手によって成し遂げられた事。
全て彼らの自業自得なのだと言い聞かされて訓練を繰り返す日々。
飢えて。殴られて。何度も殺して。あらゆる苦痛に耐えるための訓練を超えて、ダーチャの民は戦士となる。
それも全て来世の救済のためだ。来世にはこの世に存在する全てを上回る幸福があり、それは今生の全てを投げ捨てる事で得られるのだと。
上に立つ者達は前世での努力の結果、今生で幸の一部を得る手段を得たのだと、常々言い聞かされて来た。
ぐるぐる。ぐるぐると。脳裏に今迄の全ての理屈が蘇る。
そう。ダーチャの未来には、昨日の夜を超える幸福が来世に訪れねば有り得ないとしか全て投げ捨ててこそダーチャのゴミ屑にあの芸術を超えた奇跡が体現出来るとか当然無理に決まっているだろう?
(いや、俺は何に迷っているのだ?
正義は一つ、答えは最初から決まっているんだ。そう、決まっている!)
「オイラ、ダモクレスの子になるッ!!」
「貴様ァ!それは卑怯だぞオレの方がダーチャに詳しいに決まってんだろぉ!!」
「お、お前らそれは反則だろう?!」
「あぁん?!じゃあダーチャならあの神の奇跡を再現出来るって言うのかよ!!
絶対無理絶対無理!断言するけど絶対無理です有り得ません!常識ですぅッ!!
あの司祭共が俺らの食べた祝福よりも素晴らしい奇跡を知ってるってマジで君ら信じてるの?!ねぇ信じてるの?!」
「んなわけあるかぁ!あの奇跡は真似なんて絶対出来ませんんん~~~ッ!!
あれは奇跡だから唯一なんですぅ~~~!!そんな事も知らないんですかぁ?!
お前こそ救いに預かるしかくないんじゃないですかぁぁぁああああッ?!」
…………ッ!!………ッっッッ!!!……っっッ!!!!…ぅッ!!?!?!
「いや、言っておくけどダモクレス産の兵糧は限りがあるからね?
流石に義勇軍が優先だし、生産量だって急に増えるもんじゃないから。」
「「「「「ッッッッ?!?!?!そ、そんなぁ?!」」」」」
いや、急にそんな事言われてもと迂闊に口に出すのも憚られる。
彼らの血走った眼は、いざとなれば仲間を殺して口減らしを考えている眼だ。
「……大将、ならコイツら自身の手で、作らせれば良いんじゃないですか?」
柱の影から人斬り大の包丁を担ぎ、鍋を始めとした調理器具を鎧の様にまとった隻眼の髭男が、ギロリと鋭い眼光を向けて現れる。
常在厨房の心得を体現するエプロン姿の志士が、其処に居た。
「え?厨房長?!何でここに?!」
「「「「「す、救い主よ!!」」」」」
「なぁに。俺はいつも通り仕事の為に降りて来た、それだけですわ。」
階段上に合図を送り、次々と。
木枠に載せられた金属製の蒸し鍋を階段の下へと、数多の巨漢達が運び込む。
埃は払い除けた。ダモクレス輜重隊は心構えから一味違う。
「保存食は所詮保存食。だが食の極意は、単に適温で蒸すだけで花開く。
空腹で話をするより、腹が膨らんだ方が口も軽くなるってもんだ。」
蒸し鍋が開くと、一斉に芳醇な極楽浄土の香りが牢屋を楽園に変える。
牢屋の者達が一斉に喉を鳴らして期待に胸躍らせて背筋が弾け上がる。
アストリア王子もちょっと正気が欲しかったので、厨房長に任せて引き下がる。
流石に縄を解く許可は与えられないので、蒸した肉饅頭は直接彼らの口にくわえられる。先ずは一口大、噛み付くには小さく飲み込むには大きい丸い膨らみ。
だが決して熱過ぎる等という粗雑な仕事は無く、咥えただけで染み出すが口の中に広がり鼻腔を擽り。適度な弾力が一息に味わいたいという衝動に噛み締める喜びを教えて、穏やかな咀嚼が彼らを天壌へと誘う。
「最初じゃない事を嘆く必要はねぇ。食事は口だけで終わらねぇんだ。
お前さん達は今、期待しただろう?香りが、伝わっただろう?
期待に胸を躍らせる今のあんたらは、不幸かい?」
「「「「「勿論幸せだ!俺達は、食べられるっっっ!!!」」」」」
「そうだ。それこそが食だ、幸福だ。
我慢して、報われる。その極上の瞬間こそが、生きるって事だ。」
「「「「「は、はいっっっっ!先生ッッッッ!!!」」」」」
厨房長が牢屋を出て、改めてアストリア王子に向き直る。
「王子殿下。もし宜しければ、彼らを儂に預けちゃくれねぇですか?
勿論全員とは言わねぇ、殿下が許せる者だけで構わねぇ。
だが、彼らに必要なのは、自分の手で生み出す喜びだ。コイツらが死んで喜ぶ奴がいるのは否定しねぇ。だが憎しみの連鎖は駄目だ。
だがこいつらは奇跡が自分の手で産み出せるって事を、知らねぇんですよ。」
「……奇跡を……。」
「……俺達の手で……?」
牢の中の男達は、自分達の体を見つめる。薄汚れた体、血に塗れた体だ。
「勿論今迄の行いに責任が無いとは言わねぇ。罰を受けるべきだとも思う。
だが、なら無人島で他の者達と会わずに只管農作業に従事するってのも、一つの罰になるんじゃあ、無いですかい?」
アストリアとしても悩むところだ。正直、その程度で罰になるのか。
というか、実際人手不足は間違いない。人出は欲しい。だが彼らは海賊だ。
逃げ出せない保証は無いどころか、今迄で一番危険性が大きい。
「けど、彼らが飲んでいる〔神の慈悲〕には中毒症状があるんだ。
薬の効能が切れた後に正気を失う者は多いと、クラウゼンから捕虜を取る難しさの一つとして聞いている。」
「常習性……?それって、祝福の味より気になるって事か……?」
「いや、無理だろう……?あんなゴミが……?」
オイ今、ゴミとか言ったぞ自分達の信仰の証を。
「あ。その重い中毒症状って、俺です。多分体感的にとっくに理性が飛んでる筈の時間帯になってますね。ホラ脂汗出てる。
まあ今は奇跡の余韻で満ち足りた幸福を味わってますが。」
実際に大量の粉を隠し持っていた男が爽やかな表情で語る。
数個の味違いの肉饅頭を食べ終えた男の顔は、慈愛に満ちていた。
「……じゃあ、一週間様子を見て。問題なさそうだったら。
ただしダーチャである事、暗黒教団の教義を捨てる事は絶対条件で。」
「「「はぁ~~いはぁ~~い!俺らダーチャの集落に凄く詳しいで~す!!」」」
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○ダーチャの民、調書結果○
・ダーチャの民は子供の頃はヨルムンガントの事を教わらず、名を忘れられた神として全ての行いを神に感謝しながら生きる事を強要される。
・訓練に耐え切れた子供のみ次に進み、命名の儀を得て労働に従事する。戦士以外は粗食であり、粗食する者は恥として育つ。只管訓練の日々……以下略。
アストリア以下砦の武将達が、軍議の間に集まって瞠目していた。
これらの機密情報は、ダーチャの海賊達が全力で監修した渾身の調書だ。
ここには彼らが普段どのような生活をしているかまで事細かに記されている。
「あの。アストリア王子、これらの情報は……。」
「真偽の程は、これから一夜城の方で確かめる事になります。
人質救出作戦に異議がある方はいらっしゃいますか?」
「いや、あの。その……、集落に居る人員や名前まであるんだけど。
これ全部本当?人数や配置もかなり細かいんだけど。」
脂汗を浮かべるクラウゼンの将兵に対し。
アストリアは能面の様な表情で、恐らくと頷いた。
「《治世の紋章》で確認した範囲では間違いありませんでした。集落側の海賊達は様子見に来るべきか相談している最中です。
昨日の今日なので、未だ失敗したと確信は持てない様子でした。」
「「「わ、分かりました。」」」
余人には反論出来ない空気に全員が動き出す。
どう見ても一番疑問を問い質したいのはアストリア王子ご本人だ。
関わる度胸など誰も無い。
「あの……。大丈夫ですか?」
事の発端であるヴェルダ令嬢は全員が席を立つのまでは待てたものの、流石に事の次第を聞かずには居られなかった。
「うん。まぁ……。
アレスかその関係者が絡むと、たまに理屈が吹っ飛ぶ。」
「……え?」
「全部アレスに任せたくなる気持ち、分かるでしょ?」
流石に沈黙を貫くだけの冷静さは、ヴェルダ令嬢にも残っていた。
※一部で言動、単語がおかしいのは仕様ですw
依存症に麻薬など要らぬ、脳内麻薬さえあれば良いw
最大の原因は彼らの日頃の粗食にありますが、厨房長も秘かに隠し味を入れるなど、水面下で普段やらない事をやらかしてますw
尚最大の問題点は、コレがアレスの同志で同類で、王位継承権を持たない先代ダモクレス王の兄という裏設定w彼の紋章は《王家》と《軍神》ですw
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