51+2-2.間章 ダーチャの海賊達2
※本日から中編完結まで金土の二日間投稿予定です。
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「密偵隊はそのまま後退を、後は離れての監視だけで良い。
さぁ、本番だ!世間知らずの海賊達に、戦いというものを教えてやろう!」
アストリア達は再び陣地を経由して敵とは逆方向の出口から走り抜ける。
敵が来る前に近くの森の背後に抜けて迂回するためだ。森というには小さいかも知れないが、馬蹄ならぬ走り鶏達の地響きを隠す役には立つ。
「弓隊、放てェ!」
その間にガレス東央伯には陣地を盾に、敵部隊の目を惹き付けて貰う。
「力攻めのゴリ押しですか。芸が無い上に考えも足りませんね。」
東西子爵領のヴェルダ令嬢がアストリアと乗騎を並べながら、この程度の相手にクラウゼン騎士団が何故と首を捻る。
「多分彼らは諜報戦で上回られた経験が無いんだよ。
今迄は平地で気付かれたら一旦散開して、隠し砦に再集結するだけで良かったんじゃないかな?」
「今までは今回のような殲滅戦は無かったと?」
「クラウゼンの騎士団は海兵じゃないからね。
隠し砦の捜索だって、ここまで発見出来た前例は無かったって喜んでたよ。」
隠し砦が発見出来なければどうしても、各個撃破を警戒し戦力を集中させざるを得ない。必然、平地で敵を包囲する程の優位は確保出来ず、強引にでも正面対決に持ち込むのがクラウゼン従来の勝ち筋だった。
「つまり彼らは今回、初めての包囲戦術を体験している訳だ。」
実際敵の突破力は侮れない様だ。即席の円形陣地とはいえ、アストリア達が迂回している間に門は破られ、既に中へと突入されていた。
だが明らかに背後への対応は遅れ、後詰の動きは余りに悪い。
「「「【中位火炎渦】っ!!」」」
後衛を焼き払った上でアストリア達が突撃し、後方の退路を封鎖する。
ヴェルダ令嬢が魔法使い隊を率いて分離し、砦周りを突破しようと包囲に回った蛮族達の背後を更なる炎の渦で焼き払う。
彼女らの役目は攪乱であり、馬を止めずに砦周りを一周する事だ。反撃をしようと釣り出されるなら、彼女達から離れて追走する騎士隊の餌食となる。
兵が戻らなければ伝令も届かない。柵周りの喧騒は本来、海賊達が広げる側だ。
陣地の中に攻め込んだ敵の大将は、必然陣地の外の異変に鈍くなる。
後方に指示が来ていないところを見ると、案外中では乱戦の真っただ中なのかも知れない。ならばこのまま全滅させるまでだ。
一方のミルジランは焦りに焦っていた。敵の総大将どころかダモクレスの旗すら見当たらない。ヴァルデイア達の報告では確かに大将旗があった筈なのだ。
この場の指揮官らしき騎士は明らかに乗騎を走らせる為に用意された、二重柵の円形陣地を走り回る。
既に散開した部下達の殲滅を優先し続けてミルジランの挑発には全く応じない。
本陣があると思われた中央は、最初から広場になっていた。
誰がどう見ても罠に嵌めるための防御陣地で、敵の物資へ火付けに向かえば伏兵に背後を襲われ、早々に逃げられた。
「何!外からぁ?!くそ!陣そのものが罠かよッ!」
通りで後続が遅いと思ったが、ここまで来れば後の祭りだ。
こうなれば陣地の中に籠っていれば全滅を待つだけだ。
「血路を開くぞ!続け!」
強者がトップに立つと撤退時に強い。何故なら大将に従うのが一番安全だ。
危機を感じ、生き残りたい者ほど指揮官の指示に敏感になり、挙って後ろに駆け付ける。それに入り口の味方は突破されて無い。
今なら後続と合流するだけで、全軍が敵に向かって突撃出来る筈だ。
「行くぞお前ら!先ずは舐めた真似しやがった正面からだ!」
入り口に集結した味方より少し離れ、弓矢で味方を削るその臆病さが気に食わないと、ミルジランは先頭に立って声を荒げる。
すると前方で旗が翻った。
「側面攻撃!」
「「「【中位火炎渦】っ!!」」」
砦の脇から一斉に炎の華が咲き散らす。砦内では無い。前列に盾隊を並べ、既に周回して入り口前に待機していたヴェルダ令嬢の魔術師部隊だ。
歯軋りしながらもミルジランは、止められない突撃の代わりに声を上げる。
「構うな!乱戦になってしまえば敵に魔法は使えねぇ!」
「突撃だ!このまま海賊達を殲滅する!」
「っちぃ!舐めやがってぇッ!!」
敵が前進したと気付いた直後、即座にミルジランは【炎上放火】を放った。
基本的には広範囲を焼くだけのこけ脅しだが、接触前の煙幕としては十分だ。
騎士達が魔法で迎撃しようとすれば、乱戦に対応する時間が無い。
騎士達が魔法で応じれば。
「今!【中位氷槍檻】っ!!」
「「「【中位氷槍檻】っ!!」」」
横合いから接触のタイミングを狙って、魔法部隊から放たれた氷塊が次々と陸に上がった海賊達を殴り飛ばし、刺し貫く。
「「「【炎舞薙ぎ】ッ!!」」」
仕掛け時さえ分かれば前方を薙ぎ払うだけで良い。炎の斬撃が一斉に前方を切り払い、勢いが完全に削がれた海賊達は次々と討ち取られる。
盗賊達との戦闘経験を、義勇軍ほど積んだ軍隊は無い。
「舐めるなぁッ!!!!」
「何ぃ?!」
だが、それでもミルジランは倒れない。『反撃』の横薙ぎは甲冑に身を包んだ重騎士カーターを宙に跳ね飛ばす怪力を誇る。巨体に裏付けされた体躯の一撃。
巨漢の異名を持つミルジランは、伊達に大将を任された訳では無い。
「くぅ!未だだッ!」
膝を折る走り鶏が立ち直るのを諦め、カーターは即座に立ち上がってアストリアとミルジランの間へ斧を振り上げて『必殺』の首狩りを狙う。
「甘いんだよォ!」
必殺・剛断ち。
それはダーチャの一族に代々伝わる、全ての戦士に教えられる必殺の剛剣。
真上から全体重をかけた至近距離への撃ち落としだ。
大盾をかち割って叩きつけられた騎士殺しの異名を持つ斧は、カーターの肩骨を砕いて意識を散らす。
だが次に後ろに下げられたのはミルジランの方だ。
アストリア王子の【真空斬り】の衝撃が巨体を揺るがし、ミルジランは走り鶏を犠牲にして勢いを殺し切る。
追撃の前に【魔力剣】を迸らせて、乗騎の加速を乗せた剣戟を叩きつける。
「ちぃ!」
掬い上げた一撃は直撃こそ弾いたものの姿勢は崩れる。大男と言えども人より大きな鳥と大人の重量に勝るものでは無い。
だがアストリアの手綱さばきは、騎乗の侭に『連撃』を可能とする。
走り鶏が身を翻しての打ち下ろしを凌ぎ、手傷を負いながらも辛うじて下がる。
だが伸縮自在の【魔力剣】相手に槍の間合い程度では逃れ切れない。
むしろ連続突きによって不利になったミルジランは、強引に立て直そうと体当り気味に突進して。
同時の後退によって数歩の間合いを稼いだアストリアは、落雷の如き雷を宿した【落雷剣】を構えるだけの猶予を得た。
空振りのミルジランはたたらを踏み。
失態に気付きながらも踏み止まり、斧を構え直すには体を引いて。
走り鶏の踏み込み分、離れ切れない。
「ち、畜生ォォォオオッ!!!!」
斧の柄を柄頭で弾かれながらの斬撃が直撃し、袈裟斬りの傷を引き裂いて雷撃が全身を打ちのめす。
意識が朦朧とした隙に手の内にあった筈の〔鎧破りの斧〕が、アストリア王子の肩に担がれていると気付き、敗北を悟ったミルジランは小声で呟く。
「……一騎討ちも出来ねぇ卑怯者が、恥かし気もなく勝ち誇りやがって……。」
「暗殺者を引き連れて夜襲を仕掛け、あっさり罠に嵌って逃げ出して。
後ろ手にナイフを探る君の言う一騎討ちにかい?」
「ッくそが!」
慌てて両腕を掲げる様に短剣を引き抜く首筋に一突き。
「盗賊の騙し討ちには慣れてるんでね。」
斧を脇の荷鞘に仕舞い、片手を空けて戦場に見える様に首を切り落とす。
「巨漢のミルジラン、討ち取ったり!」
一方、ミルジラン陣地強襲前後の頃。
陣地に終ぞ現れなかったマリエル女王のナイト隊とトミー達もう一つのドルイド隊はと言えば。
それぞれが天馬ペガサスに乗って二百前後の部隊を率いていた。
「丁度三十艘、あれで全部の様ですね。」
流石に夜目だけで進軍ルートが分かる程近付く事は出来ないが、船から兵士達が出陣したのだけは確認した。
マリエル女王の腕には婚約代わりにと送られた〔太陽時計〕がある。
二十割の内半刻、出陣した部隊が直ぐ戻れないだけの時間は過ぎた。
なるほど、時計というものは便利なものだと手渡された理由に納得する。
「では行きましょうか。」
「あ、マリエル女王は軍議通り、油壺落としたら私達の護衛に徹して下さいね?
ぶっちゃけ離れたところから焼き払うだけで終わるんで、その程度の戦いで怪我人出すのは馬鹿らしいですから。」
「……うん。分かってるんだけど。
これで手柄顔しなきゃいけないのって、逆に辛いなぁ……。」
気にしたら負けですよ、と慰めるトミーも実際の感想は似たようなものだ。
だがいくら脅威が低かったからと言って、戦場にいるといないのでは軍内での立場が全く違う。家臣の手前、何も言わない訳には行かない。
下働きより戦場に出た者の方が偉いという風潮は、何処にでもある。
指揮官である以上、価値を主張せねば士気に関わる。
◇◆◇◆◇◆◇◆
スカルガ岩礁群島。
そこは天然の要害であると同時に、無数の集落が集まる国でもあった。
クラウゼン王国は勘違いをしているが、ダーチャの海賊達に本拠地と呼べる場所は実は無い。正しくは、その時代の首領がいる集落が本拠地になる。
そしてこれこそがダーチャの海賊達が何度討伐隊と戦っても復活する真相。
彼らは部族であるが故に代替わりする。討たれれば次世代が引き継ぐのだ。
そして当然次の首領は、生き残りの多い集落から選ばれる。
これこそが、終わらぬ闘争と略奪の理由。
彼らは、復讐を謳い文句に民族をまとめ上げる。我々こそが正義だと、侵略者を殺す事が誇りだと高らかに謳い上げる。
敵には何をやっても許される。奴等は悪で、滅ぼすべき敵だからと。
彼らの前に慈悲深い者が現れてはならない。結束が揺らぐ邪悪だから。
邪悪は何としても殺さなければならないから。
だからこそ。彼らの頂点は必ず荒々しく、従う者達は奴隷のように育つ。
民族の為に耐え忍べと、民族の為に全てを捧げろと、略奪の成果を気前良くばら撒いて、この幸福こそが勝利の証だと言い聞かせる。
故に。勝者では無い事が疵になる。亀裂になる。
ダーチャの首領ドブロチンは、そのような環境で頂点を掴み取った男だった。
「何だと?!ミルジランが敗北したというのか、あの役立たずめが!
奴はどれだけ敵を殺した?失った数の倍は損害を与えたのだろうな?!
一体どれだけの兵士が帰って来た!ヴァルデイアは何割戻って来た!
早く答えろ!このオレが、慈悲深きオレが鈍間の貴様の報告を待てる間にだ!」
「ぜ、全滅です!ヴァルデイアには生還者無し!
生還したのは百名以下、後日増えたとしても三桁は無いとの事です!」
「っ?!」
共に報告を聞いた族長達も思わず腰を浮かす。これはただの大敗北ではない。
今迄の様な、散れば生還出来るような甘い話では無い。
士気が保てなかった、敗走を止められなかった、では無い。
敵が捕虜を取らなかったと、言っているのだ。
「な、何だと?それは本当なのか?
義勇軍の大将は温厚な、むしろ脇の甘い将だった筈だ!」
「いえ!間違いなく全滅です!
生還者によりますと、クラウゼンと義勇軍は今回の戦いで確実に我らダーチャの民の息の根を止めると豪語!
一切降伏勧告を出さず、着実に止めを刺していたと伺ってます!」
馬鹿な、と動揺する声が上がる。今迄なら鼻で笑えた。
報復に村々を焼いて見せれば。残酷に殺した上で岩礁まで撤退すれば。
どれほど深く攻めて来ようとも限度があった。
散開し、背後を狙い、各個撃破して。
消耗戦に持ち込めば根を上げるのは、いつもクラウゼンの方だった。
どれ程追い詰められても首領の首を取れば、相手は深入りを諦める。
筈だった。
人質作戦の常態化。誘拐者の洗脳。親殺し子殺しの強要。
何より、降伏した将兵による騙し討ち。
引き際の無い相手への対処法は多くない。
一つは土地からの完全追放。一つは文字通りの皆殺し。
ダーチャの海賊達は、遂に長年の罪過が彼らの首元まで届き始めていた。
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遂に陸地の掃討作戦が終わり、義勇軍準主力部隊とクラウゼン騎士団は海岸から凡そ半日未満。最北端砦での合流を果たしていた。
ここまでは海戦を意識せずに戦える限界地点。
この先は常に岩礁群島からの襲撃を意識せねばならない、最北端の防衛線。
この砦を越えなければ、決してダーチャの海賊達は倒せない。
砦の軍議室に集合した一同には、今迄に無い大戦果に喜ぶクラウゼン騎士団と。
常に無い強硬姿勢で捕虜を取らなかったアストリア王子に対し、戸惑いを浮かべる義勇軍諸侯の間で。奇妙な温度差が生まれていた。
理由は色々ある。長年の仇敵関係だったり、捕縛する人数が多過ぎたり。
だが他国人であるアストリア王子が、最初から選ぶ理由が分からない。
「そろそろお教え願えませんか?正直今回のあなたは、随分とらしくない。」
「そうですな。そもそもこれは、アレス王子もご承知なのですか?」
ヴェルダ令嬢の言葉にガレス東央伯も頷く。理由があるのは察しているが、秘密にされ続けるのは気分が悪い。
特に意に添わぬ役目を行う側としては猶更だ。
「そうだね。実はダモクレスはダーチャの海賊達を大分前から調査していた。
その上でダーチャの海賊だけは殲滅戦を行うと、予め決めていたんだ。」
「「「なっ!」」」
「それは我々が知らない何かがあるという意味ですかな?」
レオナルド王子が思わず口を挟んだのも無理からぬ事だろう。
ダーチャの海賊達に関しては長年の仇敵であるが故に、今更自分達の知らぬ事実が紛れているとは思えなかった。
「ええ。先ず捕虜を取るという話ですが、我々が事前に掴んだ情報では彼らは兵士達に恐怖を和らげる常習性のある薬物を使わせております。
これは効果が切れると自制心が効かなくなり、薬が手放せなくなるため敵からの捕虜などに用いて尖兵化する時に使うそうですが、この辺の話は?」
「勿論知っているとも。
実際見て貰わずに実感は出来ないだろうが、情報は共有していただろう?」
言われた諸侯達も実際懐疑的だ。そんな我慢出来ないものなのか、解毒すれば済む話では無いかと。
「その手の薬は長期的に飲み続けた場合、解毒効果も一時的になるんですよ。
場合によっては年単位薬を飲ませ続ける必要があり、費用も時間も無い。
けれど、それだけなら捕虜を取らなければ良いだけ。
損耗覚悟で止めを厳命する必要は無い。」
それは皆さんも考えたでしょう?とアストリアに問われれば、皆クラウゼン側の視線を気にしながらも頷いた。
「問題は彼らが何故、ああも頑なに略奪と敵対を繰り返すのかなんだ。
ダーチャの海賊達は幾度も首領が討たれている。なのに何故降伏するなり土地を捨てるなりしなかったのか。和平や同盟を選ばないのか。」
「ま、待て!どういう事だ?何故貴殿がそれを知っている?
い、いや。そもそもだ。幾ら密偵が多いからと言って、こうも虱潰しに敵拠点を見つけ出せるものなのか?」
レオナルド王子が驚きのあまり混乱したまま口を挟む。
無理も無い。今話している内容は、彼らが知りたくても要と知れなかった海賊達の機密事項。潜入工作自体は、彼ら自身も試みた筈だ。
「その理由をお答えしても構いませんが、その場合人払いをお願いしたい。」
ダーチャの暗殺部隊ヴァルデイアが潜んでいるとは思わないが、繋がりのある者がいないとまでは流石に言い切れない。
気休め程度だが、一部の下士官には下がって貰ってから再開する。
「さて。我々がクラウゼンに探し出せなかった機密を探り出せた理由はただ一つ。
我が王家の継承する紋章の一つが《治世の紋章》であるからです。」
「「「なっ!!」」」
「そ、それは聖王家のみが継承する紋章の筈だ!」
震える手で指差すガレス東央伯に苦笑しつつ、落ち着きを促す。
「昔は各地方で一王家は継承していた、単に珍しいだけの紋章だったんですよ。
《治世の紋章》は文字通り千里眼を再現した紋章で、遠隔地での会話を見聞きする力があります。そして千里眼であるが故に、見張りの有無は関係無い。
我がダモクレスは、その《治世の紋章》の継承を絶対条件とした王家です。」
厳密には《治世》と《王家》だがそちらはこの件と無関係だ。
アレスは王家を継ぐと中々言わないので、その理由までは明かせてない。
「で、ではその力で彼らの会話を盗み聞く事が出来たとでも?」
「はい。《治世の紋章》の真価は、相手に気付かれずに密談を聞ける点にある。」
誰かが息を呑み、アストリアは再び話を聞けるほど落ち着きを取り戻したのを確認してから口を開く。
「彼らは決して、聖王国に同調する国の法に従う事が出来なかったんです。
彼らは一つの信仰を抱き、その信仰を余所者に知られる事は民族全体の死を意味した。だから絶対に余所者を信じる事が出来ず、隠れ潜む事しか出来なかった。
信仰を保つためには手段を選ぶ事が出来ず、岩礁地帯は決して裕福な土地じゃあない。海の幸だけでは増えた民を養えなかった。」
「名も無き神、だったか。
確かにダーチャの海賊達は奇妙な信仰を抱いており、時折神に祈りを捧げる姿は見た事もあるが……。一体何故だ?
土着信仰など程度の差はあっても特に禁じられていない筈だ。」
教会は唯一神と精霊を崇める神官達の組織だ。
神の教えを正しく伝承し、神から与えられた神聖魔法を広める事を教義としているが、同時に土着の小神がいる事を否定してはいない。
正しい知識の伝承こそが重要で、信仰の強要は含まれていないのだ。
では何故、ダーチャの海賊達は己が信仰を隠すのか。
「名も無き神の真の名は、魔龍ヨルムンガント。
彼らは邪龍大戦で逃げ延びた暗黒教団の子孫、その末裔達です。
ダーチャの海賊とは、暗黒教団の表の顔に過ぎない。」
「「「な、何だってッ!?!?!」」」
その名は、大陸全てを敵に回す名前だった。
※本日から中編完結まで金土の二日間投稿予定です。
円形陣地は◎の柵を立てて、馬が走れる場所を確保していると思って下さい。
奇襲を想定しているので物資も最低限。中央に広場を確保し、物資を盾に中央へ敵を追い込める配置になってます。
天幕は内柵沿いに集め、物資の外側に配置されてました。
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