23.序章 王家分裂の危機は外部から
※流石に今回短すぎるので、21時にもう一話投稿します。
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レジスタ大陸。この世界を指す別の呼び名は無い。
何故ならこの世界の果ては未だ観測されておらず、恐らくは巨大な陸地一つ、大陸と海で出来ているのではないか、というのが定説だ。
海の向こう世界の果てには神々が住まうとも、海が滝の様に空に昇っており雲となって還って来るなどと、色々面白い俗説も多くある。
だが確かなだとされるのが、この世界には間違いなく神々と呼ばれる偉大な存在がおり、世界に奇跡を起こせる存在だと言う点だ。
話を戻すと、大陸は主に五つに区分されている。
かつて神々が降臨し、世界を創造したとされる場所という伝説を残す聖王国周辺一帯を指した大陸『中央部』。
中央部との境界を大部分が山脈地帯で遮られ、広大な耕作地を有する反面傭兵達が数多く存在する大陸『東部』。
東部の半分程度の面積を持ち境界に限らず大地の大部分を山脈か海、大河で分断された年の三割近くが雪に閉ざされる、大陸『北部』と諸島群。
逆方向。中央部との境界の大半が海峡で遮られ、ごく狭い地域で繋がる西の平原地帯。但し東部よりずっと多くの山脈が存在する大陸『西部』。
西部下。面積だけなら東部以上だが、大砂漠が地域の三割を不毛の大地へと変えた長年土地の奪い合いが続く大陸『南部』。
ある意味で西に大きく広がる三角形にも似た巨大大陸では。今、大陸全土を巻き込んだ大戦乱の真っ最中。
世界全てに復讐を誓うという魔龍王ヨルムンガントと契約し、全てを滅ぼす力を手に入れたと謡う皇帝ルシフェル率いるヨルムンガント帝国による一大攻勢だ。
不意を突かれた聖王国ジュワユーズは体勢を立て直せぬまま陥落し、今は各地の諸侯達と連携する事で再起を図っているが、徐々に追い込まれ続けている。
聖王国にとって救世主が現れたのは、正にその直後の事だ。
その者は帝国の調査をしていた旅人で、陥落した聖都から脱出したところで帝国軍に捕らわれた第三王女を救い出し、更に分断されていた第二、第三王子の位置を探し出して繋ぎ役も果たす。
それが養子とは言え小国の第二王子だというのだから出来過ぎだ。
彼の第二王子は再会を約束して窮地の祖国に舞い戻り、帝国軍の暗躍で王を失うも侵略軍を退けて仇を討ち、祖国を第一王子に託して義勇軍を旗揚げした。
彼は聖王国との盟約を掲げて各地の盗賊達を討伐して北方諸国を決起させ、諸国連合を結成。義勇軍を率いた第二王子は北部の境界、北壁砦を奪還する。
破竹の快進撃を続けながら連戦連勝、圧倒的な猛威により世界を闇に沈めていた帝国軍に勝負を挑み、遂には東部諸国へ進軍。
転戦の末に、遂に東部方面軍の中枢を討伐して面積上の三分の一を奪還した。
現在は再編中でこそあるものの戦力面では既に残存東部軍を上回り、東部の過半数は既に治めたと言っても過言ではなかった。
聖王国にとっては義勇軍が東部方面軍に勝利したという一報は、稀にみる快挙であると同時に、既に現実的となった援軍の目処であり。
ダモクレス第二王子アレスの名は希望の旗印として、皆が皆挙って賞賛し、高らかに謳われる事となった。
「ダモクレス王国の正統王子はマリエル王女の婚約者である嫡子、アストリア王子只一人である!
東部ハーネル王国は、ダモクレス王国の王族を僭称するアレスなる者の存在を、一切認めていない!これはハーネル王の名を以て宣言する事実である!
よって、アレスなる者が率いる義勇軍への協力、一切を恥と認める!」
ハーネル王国の城門前。
城を包囲していた帝国軍を敗走させた、義勇軍主力の前。
同盟国への救援に駆け付けたアレス王子の耳に、雪が止み渇いた空気の中、ハーネル国将軍の宣誓が良く響く。
彼の表情は笑顔のままで先程からずっと硬直しており。
「あ。またアレス王子の胃が唸っておられる。」
ダモクレス王国アレス第二王子は、時々胃が軋む音が異様に響く事が、既に諸国側近達の間で知れ渡っている。
※流石に今回短すぎるので、21時にもう一話投稿します。
序章、ここで区切らなきゃという使命感に駆られましたw
大陸図を想像し辛い方は『肝臓』を思い浮かべて下さいw真ん中が中央部、右に二分割して東部、北部が端。左側を上下に分割すると、上が西部、下が南部です。
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