8.第二章 裏切者(仮)救出作戦
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「う~ん。良い感じに胃が抉れる音が聞こえるかな?」
「現実逃避しないで下さい、アレス王子。」
モブソン団長他騎士団三百が独断専行し、今報告で連合を組んだ筈の山賊団が片方の名前だけを名乗って村を襲ったとか。
例え原作を知らんでも罠の気配しか感じない状況だ。
護衛騎士アランの突っ込みに、アレスは渋々戦況を確認する旨を二人に伝える。
アランとエミールはアレスの専属騎士であり、アレスの腹心として、他では教えられない機密も教える事がある。
その一つが、この《治世の紋章》の能力だ。
(《治世の紋章》発動!)
両目に魔力が集い、鳥が羽搏く様に視界が高く上昇し。周辺の様子が見渡せる程の高度に達した辺りで停止する。
遠目には山の裾野で襲われている村と、接近する騎士団が直ぐ目に入った。
更に山麓に待機する山賊団と、騎士団に近付こうとする三名位の人影がある。
(んんん?主人の女性と、部下?護衛?)
何かが脳裏に引っかかったが、取り敢えず声を聞き取るために視界を近付ける。
この紋章。不可視の鳥を飛ばす感覚で簡単に制御出来る上、距離が近付けば会話まで聞き取れるという利点がある。
『マノン、ジュスタン。あれはアレス王子の一団だと思いますか。』
『正規軍だとは思いますが……、難しいところですね。
噂に名高い名将の軍隊にしては、些か慌て過ぎてると思いますが。』
『違うのでは?義勇軍ではあるのでしょうが、あんなみっともない老騎士に先陣を切らせるなど、私には考えられません。』
『噂が実物以上に評価されるのはよくある事だが、兵の数も少ないな。
別動隊が逸っているのではないか?』
(……帝国の密偵、とは違うか。
魔術師か神官一人に、男女の護衛騎士の計三人。あれ。)
喉に小骨が引っかかった様な感覚で聞き耳を立て続ける。
密偵としてはこれほど有益な術も無いが、生憎魔術としては複雑過ぎて紋章以外では再現出来そうに無いのが難点か。
実は紋章は誰にでも宿せない。体質の様な条件がある。
恐らくは、その条件を確実に満たすのが家族親戚による継承なのだろう。
『昼間の部隊から出た集団では無いと?』
『合流前に何かしら異変を知り、報告を後回しにしたのかも知れん。
伝令が向こうに走ればそろそろ届いた頃かもな。』
(あれれ。もしかして彼女ら我が軍を捕捉してる?)
マノン、ジュスタンの組み合わせってどこかで聞いたな~と思いつつ切上げ時を伺う。多分彼女らは現状に気付いただけで、山賊側とは関係無い。
自分達の方は出陣準備が出来たら即動かないと、独走部隊が壊滅した場合自分達の失敗を誤魔化すため、祖国にある事無い事吹聴しそうだ。
一応同盟国の騎士団なので、救出に動かないという選択肢も残念ながら無い。
(ていうか、あれ?あの顔。)
何処かで聞き覚えのある声に、整った輪郭と小さな唇。フードで隠しているが、隙間から覗く髪色は……白?
『ヴェルーゼ様?如何なさいました?』
(ヴェルーゼ?!)
『何者か!!』
中央の美女がこちらを振り向き様に、不可視の鳥が緋色の瞳に睨まれると同時に魔力圧を叩き込まれて弾け飛ぶ。
(やば!バレた!)
視界が唐突に戻り、衝撃で顔が仰け反る。だが収穫はあった。
ヨルムンガント帝国第三皇女ヴェルーゼ・ヨルムンガント。
聖杖ユグドラシルを盗み出して義勇軍に合流した、物語のキーキャラクターだ。
さっきのは彼女の固有スキル『浄化』による解呪だろうと、額の汗を拭いながら状況を分析する。強引な解除により精神的なダメージがまだ残っている。
えぇと、という事はだ。時機的にもこちらを見極め次第義勇軍に……。
(……しまった。向こうは追われてるんだから、最短で合流するならあっちだ!)
「どうでしたかアレス様。」
監視中の護衛をしていたアランとエミールが、跳ね起きたアレスの様子に警戒を強める。
「不味い!下手すると最悪の事態が起こる!」
説明は移動しながらだと慌てて装備を確認して天幕を飛び出す。
既に独走までは把握している残存幕僚達は、過半数程度の部隊が出陣の準備を整えていた。
一方で他国に出し抜かれたと焦る他の国の騎士団が、事態の責任と説明を求めてグラットン将軍に詰め寄っている。
アレスは彼らがこちらに反応するより先に、大声を張り上げた。
「狼狽えるな諸君!君達には急ぎ知って貰うべき情報があるっ!!」
「アレス王子!そんな悠長な事を言っている場合では!」
アレスの登場に他国武将達がこちらに矛先を変えるが、天幕の入り口に陣取るアレスは躊躇無く続きの言葉を遮る。
「最悪先行した者達は全滅する!
我々は仲間の死を防ぐため、直ぐに出陣せねばならない!」
「な、何を突然……。」
手柄争いと思っていた武将達が動揺し、更にアレスは畳み掛ける。
「彼らの出陣と入れ違いに、密偵達から標的としていた山賊団二つが合流したとの報告が届いた!
先行部隊の伝令では山賊団は一つ!ならばもう一方は何処にいるのか!
それはあの山の山頂だ!先行部隊が向かう、山の背後だ!」
「「「「「っ?!」」」」」
「我々は騎兵で先行部隊との合流を目指し、挟み撃ちを目論む敵軍を討つ!
この別動隊の指揮はマイルズ団長!あなたが他の騎士団と共に山頂へ行き、連中の背後を強襲して戴きたい!」
突然名指しされたマイルズ騎士団長が言葉の意味を理解するより早く。
「グラットン将軍は歩兵を率い、全隊の後詰を頼む!
騎兵に追い付くよりも、賊を逃がさない事に重点を置いて進軍せよ!」
矢継ぎ早に情報と指示を出す事で、彼らの反論を封じて方針を畳みかける。
地味に味方の暴走を独走とは言わず、先行と言って話を進めるのが後々の火種を避けるコツである。
そう。事情を知らなければまるで、アレスが情報が集まる前に出撃を依頼した様に聞こえなくもない。
つまり、説明が遅れたのではなく対応が遅れたっぽく錯覚する。その場合、口論して対応を遅らせた者の責任が一番重くなる。
「私達ダモクレス隊は先行部隊への挟撃を防ぎつつ合流を目指す!
最速で最短距離を進む事になるので、我々に追い付けないと判断した者はグラットン将軍に合流せよ!
以上、質問のある者は!」
「あ、あの!王子は後詰の方が!」
「生憎だが敵軍との衝突タイミングが読めない。最悪挟み撃ちにあった時、即座に防戦に移る指示を出せる者が行くべきだ。
恐らく山頂の敵は諸侯らに任せるしかないが、戦力不足とは言ってくれるな。」
済まない、苦渋の表情を作って拳を握るアレスに。
山賊団一つを自分達だけで討てると気付いた他国諸侯達は、いえ我らにお任せをとアレスの思惑通りに色めき立つ。
「ではこの先は時間との勝負となる!各々健闘を祈る、出陣だ!」
振り上げた宝剣《飛燕剣》の輝きに歓声が上がり、アレスは馬に飛び乗ってダモクレス軍へ、後に続けと走らせる。
改めて脳裏で現行戦力を確認する。
ダモクレス軍の騎馬隊は300程度、残り歩兵500の計八百がダモクレス国軍だ。
陣地に残る騎士団は300。独走した部隊と合わせて騎兵総数は九百近くに上り、残る歩兵は700程度。
義勇軍の総兵力は現在2100前後となる。
内1200の歩兵が今グラットン将軍の指揮下にあるという計算だ。
正直山頂まで馬が全速力で駆け上るのは難しい。歩兵団の数による圧迫感を麓の包囲網で見せつけ、山頂賊軍を怯ませないと勝利は難しいだろう。
報告による山賊団は合わせて500程度。
単純兵力では圧倒出来るが、山頂の村に追い込まれて人質を取られたり包囲されたりで機動力を殺されたらどうなるか分からない。
何より最悪なのが、独走部隊が敗走した状態でこちらに逃げ帰ってくる場合だ。
ただでさえ狭い山道で混乱した味方に雪崩れ込まれたら、敵を迎え撃つどころでは無くなる。
そうなるとヴェルーゼ王女達が敗走に巻き込まれる可能性も見えて来る。彼女が戦死した場合、聖杖がどうなるか分からない。最悪帝国に奪還される。
こちらが帝国軍と総力戦になる前にラスボスが復活したら、もうどう足搔いても詰みだ。義勇軍は戦力を整える前に蹂躙される。
(何せ三神器全て揃えて最低40LVがクリア目安だからな!)
というか40LVだとほぼ全滅。50LV複数人で何とかクリア出来る。
現状の最強13LVが如何に絶望的かお分かり頂けるだろう。
「……詰まり、この先に絶対確保せねばならない要人が、独断専行した部隊と合流しようとする可能性が高い、というのですね?」
「ああ。恐らく向こうはこちらの本陣の位置が分かっていない。
義勇軍への接触が目的の様だが、今回の騒動に巻き込まれた恐れがある。」
そうでなければ流石に最前列は部下に任せる。奇襲直後ならともかく、長い道中で常に先頭を走り続けるメリットなど無い。
こっそり替え馬を用意出来ない分、デメリットの方が遥かに勝る。
「となるともし山賊側に素性がバレて捕縛、若しくは処刑されたらどうなるか分からないという話なのですね。」
こきゅる。
そう言えば独走部隊も大概安全とは言えなかったね。あいつら三人の素性に気付いたら問答無用で処刑して手柄にしようとする恐れもあったわ。
口封じで敗戦の責を免れると思ったらやるよね多分。させないけど。
胃壁が軋む音が響いた直後。不意に山の中腹辺りで誰かが立ち止まり、こちらに向かって下り始めたと気付く。
(え?コレ人の気配?ちょっと理不尽に遠くない?)
勿論アレスに人の気配を探知するスキルなど無い。そもそも他の敵味方の気配が分からないのに何故自分はこの気配を人のものだと認識したのか。
だが生憎深く考えている余裕は無かった。
アレス軍に気付いた伏兵側の山賊団がこちらを目指して山稜部分を下り、挙って動き出したからだ。
こうなるともう合流に拘る事は不可能。
山稜の部隊に対し少しでも有利な場所で交戦出来る様に、高低差を発揮出来ない位置取りをしながら進軍角度を調整し続ける必要がある。
(伏兵側の賊軍は凡そ三百程度だったか。
消耗した馬で戦うと流石に被害が大き過ぎるな。)
進軍速度を落とす様に告げて、しかし進軍は止めずに合流は目指す。騎兵が全力疾走出来る時間は精々20分続くかどうかだ。
何より坂を下る勢いでぶつかられては、坂登りすら覚束無い。
この先は綱渡りにしかならない。紋章で様子を探ろうにも早駆け中では無理。
合流を諦めて天運を当てに出来るほど、山頂の独走部隊は信用出来ない。
だが生憎こちらに都合良く進めるほど、道に恵まれては居なかった。
山稜から下って来た伏兵賊軍は、義勇軍が村へ向かう道を塞ぐ様にひた走る。
こうなれば最早、強行突破して合流を目指すしかない。
視線を移せば他国諸侯軍は目的の山頂に姿を現し始めたところだ。
こちらに駆け付けるには相応の強行軍になるだろう。馬は既に大分疲弊していると思われるので、間に合うかは分からない。
「突破して村に向かった部隊と合流する!遅れるなよ!」
高らかに宣言して坂道を駆け上り騎馬が突出すると、馬鹿めとばかりに出鱈目に放たれた矢衾がアレス一人に集中する。
(馬鹿め!ちぐはぐな矢衾など叩き落して下さいと言った様なものよ!)
アレスは特注の《黒鋼の大薙刀》を振り回し、当たる矢全てを弾き落とす。気分はまさに三国志といったところか。
高レベルなら埋まって来るステータス格差も、今なら倍近く開いている。
素早く振り回せるなら間合いの遠い《大薙刀》は、矢を叩き落とすのに最適だ。
因みに黒鋼とは鉄鉱石に魔力を注いで強度と密度を高めた特殊金属の事だ。
天然でも稀に算出するが、基本は日本刀で用いる玉鋼状態の時に魔力を注ぐしかなく、扱いと製作に一流の職人の腕が必要となっている。
この黒鋼を加工出来る職人が作った武器が、このレジスタ大陸でいう名工武器、所謂業物、名品となる。
密偵助手として大陸各地を放浪したアレスは、本来序盤では接触出来ない一流の職人達と知己を得る事に成功した。
ゲームでは無かった形状の武器だが、物は試しと嬉々として依頼した逸品だ。
そんじょそこらのへな猪口弓兵が射る矢を叩き落とす位、造作も無いのだ。
「おお!あれだけの矢をいとも容易く!」
……後ろで思いの外高い評価を得たが、20LV越えの将兵にとっては必須技術なのだよ!将兵は必ずと言っていいほど弓兵に狙われるからな!
「ひょろ王子様、力比べと行こうじゃねぇか!」
「失せろ雑兵!」
さあどんどん行こうと敵集団が迫って来たところで、大男が一人突出して長めの斧を両手で構えて走って来た。
ぶっちゃけ大振りの一撃が届くまで待つ義理も無いので、調子に乗り損ねた八つ当たりも兼ねて間合い外から首を切り飛ばさせて貰った。
取り敢えず敵の頭領の位置を早々に把握せねばならない。雑魚に構っているほど戦況に余裕など無いのだから。
「あ、アニキぃ~~~?!」
あれ?まさか今のがボス?
「今だ!引け!」
「うぉっとぉ!」
まあいいやと乱れた敵集団を突破したところで、後方に隠れていた髭親父の合図で足元の投網が引き寄せられた。
咄嗟に薙刀を突き立ててよろけた馬を誘導しつつ、曲がり角の上へ走り抜けつつたたらを踏む。
「まだまだ!」
「くっ!」
引き寄せた投網が味方ごと巻き込む様に頭上で広がり、宙にある内に薙刀を振り回して切っ先で絡め獲る。
しかし姿勢までは立て直せず馬からは降ろされてしまった。
止むを得ず投網ごと薙刀を紋章に収納し、出し惜しみしている余裕は無いと立ち膝のまま腰の《飛燕剣》を抜き放つ。
この魔剣は身軽さで『連撃』が発動するとの鑑定通り、並の剣と比べ遥かに軽く立ち上がるのも容易い。
敵も道が狭いからと一人で斬りかかる気までは無いらしい。
後続を突き放して道を確保する心算だった所為で、若干距離が離れてしまった。
今や謎の気配は大分近付いている。仕掛けて隙を狙われないかと躊躇が先に立つ。
(迷っている暇は無い!即刻切り伏せながらこいつらの背後に回る!)
「【中位落雷華】ッ!!」
アレスが斬りかかるより早く。空から落ちた落雷が跳ね上がり、一直線に叩き落された放電が炸裂弾の様に山賊達を弾き飛ばす。
(【中位魔法】だぁ?!殆ど即死じゃねーか!)
「誰だ!」
内心予想してはいたが、敢えて謎の気配の方を振り向きながら問い質す。
「お初にお目にかかりますアレス王子。
此方もごゆっくりお話しを伺いたいところですが、先に無法者を追い払ってからに致しましょう。」
道の脇、木々の影から現れたのは、予想通りフードを外した事でその美貌が露わになった、波打つ白髪が背中まで届いた先程の美女魔術師の姿だった。
傍らには今度ははっきりと護衛と解る、男女の騎士も控えている。
(……うわぁ、間近で見ると想像以上の美人だわぁ……。)
ゲームで容姿は知っていた心算でも所詮元はイラスト程度だ。
現実のヴェルーゼ皇女は本当に言葉が出ないくらい整った、美術品に血が通った様な浮世離れした令嬢だった。
緋色の瞳は透き通るような雪肌に良く映えて、大人びた雰囲気を纏っている。
だが年齢的にも美少女と呼ぶ方が適切かも知れないな、と思い直しもする。
護衛二人もいずれも劣らぬ美形揃いだが、流石に彼女と比べると見劣りする。
だがどちらも兄貴分姉貴分程度には気安さが伺える。年も案外近そうだ。
気になる点と言えば彼女のLVが概ね原作通りの一方で、護衛達のLVが揃って10と記憶よりも少々高い。だが護衛と考えればある意味当然か。
観察にかけた時間は周囲に視線を走らせながらの一瞬だが、周りも思わぬ乱入者と魔法の威力に絶句している。
「承知致しました。お供の方々共々、助太刀頂けると見て宜しいか。」
「ええ。あくまで私の護衛の範囲内でですが。」
敢えて大声を出さないアレスの問いに、素っ気無いとも取れる返答。
気を許した訳では無いので個別に協力を求められても従えませんよ、か。
うんうん、原作通り機転の利く方の様で。
ここだけが戦場では無いと、既に把握しておられるのですな。そしてある程度は同行という形で協力して頂ける、と。
「御随意に。アラン!ご厚意に甘えて百を率いて先に救出に向かえ!
エミールは私の馬を頼んだ!」
「ははっ!聞いたなお前達!一番二番隊は村に向かう、俺に続け!」
魔法で空いた曲がり角の空白地点を次々走り抜けるが、アレス達に背を見せてまで騎士達に襲い掛かれる山賊達は居ない。
山賊達が迷っている間に、他のアレス貴下の騎士達も次々馬から降りて剣を抜き放つ。こうなればもう彼らに挟み撃ちは不可能だ。
アレス達に真っ向勝負を挑むしかないと気付き、舌打ちしながら腹を括った山賊達はアレスを狙う様に向き直る。
が。アレスは先にと、エミールに角笛を吹く様命じた。
「あの?何を……。」
『しゅ、出撃だ!アレス王子の援護に向かうぞ!』
遠くの山頂で残された盗品の略奪に精を出していた奇襲部隊が、角笛の音で我に返って続々と山頂から出撃する。
そう。我が御味方軍は、山賊達が出陣している事に気付きながら、目先のお宝に心を奪われる姿が、アレスの位置からはバッチリと見えてしまっていた。
だが事情を知らなければ、合図と共に奇襲を仕掛けて来た様に見えなくもない。
事実山賊達も角笛に戸惑い、徐々に下り降りて来る別動隊を見て伏兵部隊だと思い込み、露骨に取り乱し始めた。
「ま、不味い!挟まれたぞ!」
「あの。まさか今の。」
だが隣に来た察しの良い方は騙されてくれなかった。
わざわざ遠くにいる別動隊の位置を、合図で教えてやる義理など、本来無い。
「おぅお前ら!馬鹿野郎共の為に手柄を残してやる必要は無いぞ!かかれ!」
ちょっと気を使った自分に腹が立ったアレスは、一人で数十人と伏兵側山賊団のボスだという髭親父を討ち取り、その夜の最大戦果を挙げた。
村の方も援軍が遅れたら結構危なかった様で、この一件を教訓とした他国諸侯軍に対し、全面的な指揮権を移譲される事になる……。
《治世の紋章》は能力で言えば偵察が出来る不可視の鳥を飛ばす秘術ですが。
ゲームで言うとマップのオープニングでゲーマーに解説される、敵味方での会話イベントを能力化したものになりますw
後ホラ、戦闘中にも画面移動して至近距離に無い敵の姿とか確認するじゃんw敵の増援が出て来た場合、ゲーマーには情報開示されるじゃんw
アレってリアルに考えると目視範囲に入ってないよねっていう部分をゲーム的に説明するための能力ですw
余談ですが。作品を面白い、続きが気になると思われた方に、下記の評価、ブックマークをお願いするのってどの程度許されてるんでしょうか?
お知らせの所で過度なのは駄目とあった記憶があってためらってますが、記入して良いならコピペしたいくらいには入れたいですw