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ジュワユーズの救国王子~転生王子の胃痛奇譚~  作者: 夕霧湖畔
第一部 何故か第二王子転生
11/152

5.第二章 盗賊狩り遠征

※次回は1/8日投稿予定です。

  ◇◆◇◆◇◆◇◆


 北部地方とは主に大陸東部との境界を山脈で遮られた豪雪地帯を指し、概ね面積の三分の位置は山岳地帯となっている。

 平地はある。だが多くの場合分断されており、何より年の三割は雪で埋まる。


 そのため全体的に農業には適さず、大規模な経済圏を築くには交通の便も悪く。

 結果として各地に小国が乱立し、地元で戦う限り大規模な侵略にもある程度対抗出来てしまう。


 結果として彼らは、冬が来る度に自領に引き籠もりながら互いに飢えを凌ぐために他領の支配を目論む、所謂群雄割拠の時代を長らく続けていた。


 尤もこの地方も、かつては聖王国の手で統一された歴史を持つ。


 邪龍大戦。

 かつて魔龍ヨルムンガントが眷属を率いて世界を蹂躙した大戦は、この世界では疑いようのない史実だ。

 何せ三神具という分かり易い証拠がある。疑う方が馬鹿らしい。


 神剣を授かった英雄達が魔龍王を封じてジュワユーズ王朝を築き、そのまま協力者達と共に各地の騒乱を平定。世界の統一に成功している。


 北部地方という呼び名もこの時に定着したもので、レジスタ大陸を統治する際に〔北部〕〔東部〕〔中央部〕〔南部〕〔西部〕と整理された事に由来する。


 だが全大陸を聖王国が管理するには、流石に交通の便が悪過ぎて不可能だった。


 聖王国ジュワユーズは各地の王国を整理し、ある程度の法を統一した上で自治権を認め、自らを全ての国々の盟主と定めた。


 これにより各国は有事には全ての国々が聖王国の元へ駆け付け一つの旗頭の元で戦う義務を背負い、同時に各国の非道な行いを聖王国が断罪する形で保護を求める事が出来る様になる。


 故に、聖王国。神剣を有し、世界を守護するもっとも偉大な王家。

 まして今回は魔龍王を名乗るヨルムンガント帝国の侵略。聖王国は当然の義務として大陸全土に大号令を発し、集結を命じたのだが。


 各国が足並みを揃えるには、あまりに歳月が経ち過ぎており。

 帝国の侵略と拡大は電撃的且つ圧倒的であった。


 結局集結が間に合ったのは中央部、中央大陸の諸侯までであり。それ故に聖王国の陥落という悲劇を招く原因となった……。




 ダモクレスと陸続きのバーランド王国を陥落させ、代官統治に移行した後。


 アレスは後塵の憂いの排除と自軍の演習を兼ね、近隣の盗賊団を次々と制圧しながら各周辺小国を巡り、形だけ他国を侵略。

 王をそのまま代官に据える形で制圧して回った。


 これは近隣諸国を一つにまとめる反面、各国が再度帝国に従わずに済ますための言い訳作りも兼ねての策だった。


 アレスが制圧した後の征服諸国による帝国への反論は『力で殴って来る元凶を先に何とかして』の予定だ。


 要はアレス達以外に戦力を向けさせなければ良い。表向きは帝国に服従したがっている振りで時間を稼ぎ、ここぞというところで反旗を翻すのだ。


 何、上納金が払えない?あいつらが武力で奪っていったんです!

 だからあいつらさえ追い出して戴ければいつでも、無理やりにでも払って見せますとも!え?追い出してくれないならまたアイツらに奪われてしまいますよ!

 だってあいつら征服した時に内通者を用意してるんで!なんてね?


「ご理解頂けて助かります。貴国の騎士団、確かにお預かりしました。」


 アレスは恭しく制圧した国の王に頭を下げる。尚、戦ったとは言ってない。


 彼らも王命で参戦している訳では無く、あくまで国を捨てた義勇軍の一団という扱いである。除名済み、除名済みですから我が国無関係ですぅ!



「陛下、何も彼の国を盟主として仰ぐ必要は無いのではありませんか?」


 大臣の愚痴は義勇軍の代表たる王子が帰った後のものだ。

 今更何を言ったところで遅いのだが、玉座の王は敢えて話に付き合った。それは別に大臣のためではなく、自分が決断に納得したいからだった。


「何を言う。今現在の我が国の盟主が聖王国であるのを忘れたか?

 本来我が国は自前の騎士団を用意して、我が国の旗を掲げさせて帝国に歯向かわねばならぬ立場だぞ。」


 出来るか?と王に問われ、思わず口籠る大臣。

 出来るならアレス達に新兵中心の騎士団を預けたりはしない。

 百や二百で良い、全新兵では困るが、一割を切って無ければ騎士団として扱うと提案したのは向こうの方だ。


 そしてその程度の数なら帝国に追及されても、追放した反対派が雇った傭兵だと言い張る事も出来る。

 我が国が造反したと宣伝する、裏切者の計略だと主張する予定だ。


「そもそも、バーランドを陥落させたダモクレスが北部諸国一の大国なのだ。

 聖王国が勝てば連中は近隣諸国を束ねての参戦になる。場合によっては今回の手柄で、かの王子にこの辺りの統治権を認めるかも知れん。

 条件付きで国ごと傘下に入るのであれば、支援者である我々の土地を奪うほどの強権を振るう事は出来ん。

 指揮系統はあくまで我々が握ったままなのだからな。」


「な、成程。どちらが勝っても我々の傷は最小限、という訳ですな。」


 実際同じ条件なら近隣の国々も兵を出すだろう。北方全て回って約三千くらいに膨れ上がれば、本当に聖王国が建て直せる可能性もある。


「問題は先にぶつかるであろう帝国方面軍だが、負けるならそれまでよ。」


 聖王国が陥落した今、主戦場は方面軍に移ったとも言われている。


 アレス王子が北部周辺国を束ね切るのが先か。

 それとも方面軍が北部に食指を伸ばすのが先か。


 周囲の注目と緊張を余所に。アレス王子はまるで時間を稼ぐかのように、各地で盗賊団退治に励んでいた。


  ◇◆◇◆◇◆◇◆


 という訳で、ド田舎です!北部、超低レベル帯!ゲームの都合?そんなの現実になったら関係ねぇ!魔物が、敵がいないのさ!

 最強の敵は、冬将軍さ!勝ったら勝ったで大惨事!それは天変地異と言います!

 異常気象でも正解ですね!山の実りが枯れたら冬まで持たんぞォ!


 さて皆さん、敵のいない地方と敵のいる地方。どっちが手強いですか?

 世界規模の戦乱は聖王国成立以降初めてですが、大陸単位での戦乱なら各地方、実はそれなりに経験積みでございます。


 そんな中でも戦略が簡単に破綻する地方、兵站がまるで機能しない地方。

 北部、北部でございます。山賊と国家に割と違いがねぇ。

 何せ山賊も狩猟しないと生きられないからね。農業しないだけで。


 略奪は違法?バーランドって国知ってる?困ったら侵略、割と良くあるよ?

 解決策が脳筋ですって?それで何とかなってしまうのが北部です!

 何せ少数VS小数だからね、政策の失敗は略奪で取り返せるのさ。


 まあそんな反面、他地方の侵略には弱いので御座います。だって規模と数と資金力が違うもの。武器も防具も豊富だもの。

 え、鉄の甲冑?冬将軍が来たら死ぬぞ。

 はい侵略失敗!奪還も簡単です!それが北部!それこそ北部!


 割に合わないよね。でも難民達には関係無いんです。彼らを支援出来るなら北部なんて呼ばれてないレベル。どうにもならないので山賊化です。


 まあぶっちゃけ北部に来れる難民は道中で鍛えられてしまうので、割と脅威ではあるんですが。軟弱な難民とかそもそも山越えに大体失敗するんだよね。

 俺達が生き残るために、お前達の命を村ごと寄越せぇ!

 前世イメージだと即死ぬぞ。元難民だって無茶言ってる自覚あるんぞ?


 結果、小規模の山賊団が山程ポコポコ増え続けます。


 まあそれでも各国の軍隊が息を吹き返せば何とかなりますが、ヨルムンガントに見逃し賃要求されている状態では不可能なんですよね。

 ダモクレスの結末を見たっしょ?大国はたった百で国が亡ぼせるんすよ。


 精鋭鍛えるには北部を出ないと。けど目先の現実として、山賊達が山程いる今のままでは輜重隊が常に標的となります。

 という訳で。国境を越えて各地に散らばる山賊達を、我々義勇軍が討伐して回る必要があるのです!


 さあさぁさあさぁお立合い。各国の精鋭とか言っても半人前以外を回すなんて、期待しちゃいけません。むしろあの手この手で手勢を誤魔化します。


 なら大義名分を用意して、最初から新兵で数を揃えるのです!

 後は鍛える!実戦は山程あるぞ!敵は弱兵だぞ!実戦経験さえ熟せば各地の精鋭なんて直ぐに超えられるさ!それが北部の悲しい現実さ!


 さあ諸君、この戦いは君達の祖国も守る戦いだ!

 我々と共に、世界を救う戦を始めようじゃないか!


  ◇◆◇◆◇◆◇◆


 ダモクレスを出港して半月。

 義勇軍の規模は当初の三倍以上に膨れ上がり、北部諸国の半数近くを味方にする事が出来た。



 近年北部では、大陸中央の戦乱から逃れた難民達が度々山賊化して国を荒らし、戦力と国力の低下に拍車をかけていた。


 北部諸国とて日々勢力を拡大し続ける山賊達を喜ばしく思う筈が無い。

 だが現実問題として山賊達は簡単に国境を越えて逃げる。かといって国境を越えて討伐に出向くなど本来不可能だ。

 それは隣国への侵略行為に他ならない。


 しかし、同盟を呼び掛けて動くアレス軍だけは例外に属する。

 表向きは勝手気侭に侵入する山賊団と変わらない。だが実際は秘密裏に聖王国へ向かう援軍であり、各国も全く無下には出来ない。


 そしてアレス達は兵を鍛えて恩を売るため、続々と山賊達を討伐して回った。


 事前準備万端な、略奪しない軍隊による救援が、現地住民達に受け入れられない筈が無かった。


 山賊に防戦しかしない国軍と、村々を戦火から救い出す義勇軍。

 民衆は当然国より義勇軍を支持するが、ここにアルス王子の狡猾さが光った。


 各地の王が秘密裏に義勇軍に協力するよう、命令を出したのだ。これにより帝国の脅威と苦渋の決断が民衆にも伝わる。

 民は全ての原因が帝国にあると、国王達の決断を支持した。


 事実。山賊団討伐を行わずに各国から折り良い返事が返ったかは、非常に疑わしいと言えよう。


 だが同時に。表向きは脱走兵だろうと実態は各国の代表軍。

 兵だけ出して全部世話してね、とは流石に聖王国や他国の手前言い出せない。


 帝国の裏を掻くために嘘吐いているだけ、という名目が無ければ聖王国の勝利後に義務を果たしたとはお世辞にも主張出来ない。


 よって各国は自国軍へ多少の支援を送っており、全ての経費をダモクレスが負担する事態にはならずに済んだ。

 最悪本当に全て脱走兵による傭兵軍になる可能性も密かに考慮していたアレスとしては、内心胸を撫で下ろしたものだ。



「しかし、船を丸々食糧庫代わりに使うとは考えましたな。」


「移動する倉庫だ、海が天然の外堀になって守りに固い。中々便利だろ?」


 船上から降りたアレス王子に、護衛騎士アランがエミールと共に軽口を交わす。

 長年の付き合いと微妙な立場もあり、彼らとの身分の垣根は割と緩い。


 元々アレス王子が用意した軍船はバーランドから奪った物だけでは無い。

 バーランドの軍船を、殆ど無傷で確保出来た方が只の偶然である。

 当初の予定よりも大分計画が楽になった彼らは今、気持ちの上でも余裕がある。


 最初から遠征を計画した段階で、輜重隊の一部は船団で運営する心算で準備していた。大陸全土に軍を派遣するなら、陸路ではどうしても限界がある。

 そして船員を自国の人間で賄おうとすれば、一朝一夕で育つ筈もない。


「船なら国外からも集められるからな。帝国から隠れて準備するのも容易い。

 そら、そろそろ積み荷を降ろし終わった。出陣するぞ。」


 アレスの指揮に従い、道中で手慣れた義勇軍の一同は大声を出さずに行軍を開始する。獣道を道案内代わりに森の脇の海岸沿いを緩やかに行軍する。


 アレス達義勇軍が盗賊団を次々と追討出来る理由は何も、国境を越えて進軍可能というだけでは無かった。

 アレスはゲーム知識の有用性を確かめる意味でも、養父の元でずっと世界中を放浪して諜報活動を続けながら、世界中の地図を測量し集め続けていた。


 特に北部の地図は廃墟から砦に有益な地形まで、詳細な情報が網羅されている。


 北部の住民にとって戦略は大して意味が無く、戦術も個人武勇で覆せる程度の戦の方が多い。よって地図作りの邪魔をされる事は殆ど無かった。

 それどころか話を聞きつけた一部の王が、資金提供を対価に自領の地図を分けてくれる様に頼まれたくらいだ。北部での戦略地図への理解は極めて浅い。

 流石に城の構造までは無理でも、北部でアレスが知らぬ土地など無い。


 後はもう、現地のリアルタイムでの噂を集めて捕虜の口を開かせれば良い。

 元々身内なら兎も角、他所の山賊達の情報をライバル達が隠す筈もない。恩赦の可能性があるなら尚更だ。


 実際露骨に罪の軽い一部山賊達は、刑罰より強制労働した方が何かと喜ばれる。

 というか、生計が成り立つなら強制労働でも感謝されるまである。畑を作れる無人島とか、戦火を逃れた難民にとっては天国まである。

 流石にその辺は、船団を持つダモクレスならではの手段か。


 何はともあれ、船は一旦海岸から離れたところで待機させている。



 季節こそ冬ではないが、些か磯風が肌寒い。木陰は色々と有難い。

 当初の予定通り進むと先行していた物見が、別動隊の追撃を逃れて来た山賊一味の姿を発見する。首尾良く先回りに成功した様だ。


「さあ、イタチの頭を押さえたぞ!騎馬隊は敵の頭を抑える!

 歩兵隊は、このまま直進して敵の背後と側面から脅かせ!」


 下された号令に連合軍の呼号が響き渡る。


 木々の間に伸びる獣道を中心に走り抜ける騎士団は、敵の頭を取る様に山を駆け上がり。歩兵達は敢えて森に入らず一歩遅れて海岸沿いを出れば。

 騎士団の出現に慌てた山賊達の、後方に回り込む形になる。


 森が歩兵達を視界から隠し、山賊達が目立つ騎馬隊相手に逃げ道を確保しようと迎え撃てば、即席の包囲網が完成だ。


 実際には単に二手に分かれただけの場当たり的な作戦ではあるが、軍隊ならぬ山賊達には有効な奇襲であり、何より新兵でも簡単に実践出来て経験が積める。

 数の勝る軍隊相手に、小狡いだけの山賊団が野戦で優位に立てる筈も無かった。


 あっさりと山賊達を壊滅させて勝鬨を上げる義勇兵が再びの勝利に湧き、当初の合流地点で追い込み役の別動隊と合流する。


「おお、ご無事でしたか殿下。

 まあ殿下に勝てる程の者なら山賊になどなりませんかな。」


 グラットン将軍が機嫌良さそうに出迎え、アルスを休息用陣地に招き入れる。

 彼はダモクレスで唯一脱出に成功した、アストリア派の将軍だ。

 口調自体には毒を含んでいるが、不本意なアレスの指揮下に居る割には大分機嫌が良いと言っていい。


 この場にいる部隊が全てではないが、混成軍である別動隊は現状、ダモクレスが音頭を取るしかない。ので必然、彼が実質的な副将になる。


「そうでも無いさ。長年山賊を続けてればデモンハウルみたいな連中も現れる。

 山賊暮らしに慣れた後でLVが上がっても、そうそう真っ当な暮らしに戻ろうとはしないものさ。」


 デモンハウルと言うのはこの辺りを根城にしていた千人規模の山賊団だ。

 先日間掃討が終わったが、複数の拠点を持ち各地に手下達を派遣して内通者を増やして長年北部を悩ませ続け、山の主とまで言われた大山賊達だ。


 アレスが最初に奇襲で頭を潰した山賊団でもあり、決起後に唯一LVが上がった戦闘でもある。だってゲームでは何度も逃げられてるんだもの。

 所詮雑魚なんだから初手で潰しとかなきゃ(使命感)。



(LVを上げるには相応のマナを浴び、同時に経験も積まねばならない。

 単に大勢斬っただけじゃ駄目なんだよな~。)


 この世界にはLVやステータスという概念が一般常識として知られており、自分限定なら誰でも生活魔法の一端として一部ステータスを確認出来た。


 生活魔法とは職業制限無く、使い方を知っていれば誰でも使える術全般の事で、人に向けると殆ど効果を発揮しない術の事だ。ゲームには登場しないくらい影響力の低い魔法だと思えば良い。

 何度も使わなければMPも減らないし、アレス自身殆ど把握していない。


 アレスは他人のステータスを看破出来るスキル『鑑定眼』があるので、今迄使う必要があった事も無い。要は糸なら切れても縄は小動もしない程度なのだ。


 閑話休題。

 問題はこのLVが上昇する三つの条件にある。


 1多くのマナを浴びる事。2肉体的な器を鍛える事。3精神的な器を鍛える事。


 マナは生命力を指し、強い生き物程濃厚だと確認されている。人も例外では無いので戦争や狩猟を続ければ自然と集まる。但し高LVほど濃度が重要だ。


 肉体的な器は鍛錬を続ければ割と大丈夫。但し怠けるとLV上昇時のステータス上昇量が少なく、怪我が多過ぎても成長し難い。尚、魔術使用回数も含まれる。


 そして一番の問題が精神的経験だ。苦労した経験、緊張感、集中力の質。


 これが少ないとマナの吸収効率が悪い。弱卒を斬った程度では殆どマナという名の経験値が溜まらないのが、今のアレスの現状だ。


(所詮11LVと言っても北部じゃ最強クラスだからなぁ~。)



 とは言え配下の連携は日に日に練度を増し、大半が5LV越えを果たしている。

 総兵力が二千近い軍隊でこれは、驚異的とも言える効率の良さだ。


 現状に贅沢は言えないが、来月辺り衝突するであろう帝国の北部方面軍相手には少々心許無い。

 今後もゲーム通りに進むとは限らないが、基本的な歴史の流れはゲームに反っている。恐らく前提条件がゲームと同じだからだとアレスは推測している。


「事前調査によれば、残る大規模山賊団は三つ。

 我々は北部諸国が合同で討伐出来る例外的な軍隊だ、諸君の奮闘を期待する。」


「「「はは!!」」」


 義勇軍での結束は既に十二分に高まっている。連戦と連勝による高揚と、調練を兼ねた過酷な進軍が一同の結束を高めていたからだ。


 だが潮目と言うのは往々にして気が緩んだ時に訪れるものだ。

※次回は1/8日投稿予定です。


 原作と下準備が違い過ぎるので、数も実力も段違い。ゲームでの数ステージ分がダイジェストで終わりますw

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