うさぎのマディ
ウサギのマディは、美しいものが大好きです。
なのでマディは、美しいものを探して旅をしていますそれは色とりどりの宝石だったり、豪華に飾られたドレスだったり、誰もが見惚れる美しい人だったり、空を泳ぐカーテンやきらめく星々、
そんな美しいものを見つけてはそれを描いたり、貰ったりして集めて回っているのです。
山も谷も海もどこかで見落とさないように、自転車に乗ってリュックを背負って西へ東へ何処までもマディは、美しいものを探して走り回った。
そんなある日マディは、
月や星も揺れるような風の強い夜に道に迷い丘の上に出た。
あまりに寒く吹き荒れる風をしのげる家は無いかとマディは望遠鏡で家はないかと探そうとしたら、帽子とお気に入りの懐中時計が飛んでいってしまいました!
「なんていう日だ!道に迷って時計まで無くしてしまうとは!」
マディはカンカンに怒りました。
だって家も見つからないんですから!
右を見ても左を見ても、森ばかり!
寒いし風はびゅうびゅう何が悲しいのか泣き叫ぶばかり。
そんな時、一冊の本がマディを目がけて飛んできて、マディに張り付きました。
どこからどう見ても普通の本なんの変哲もない少し読み込まれているように見える本だった。
そんな本を追いかけて少女がやって来ました。
「まぁ、ウサギさん!私の本を捕まえてくださったのね!窓が開いて飛んでいってしまって、とっても困っていたのよ、ありがとう、でもどうしてこんな夜にお外にいるの?」
少女の問にマディは、風を避ける家がなくて困っていることを話しました。
すると少女は、心良く家に招待してくれました。
少女の家は、小さな家で、美しいわけでもありませんでしたが、マディを迎えいれてくれる少女の家族も暖かく、今まで見た。どんな物よりも美しいと感じました。
そしてその、形のない美しさに見惚れたマディは、それを得るために、少女の家に住まわせてもらったのでした。
そしてマディは絵にも描けない形の無い美しい世界を知るのでした。