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AA  作者: 碧乃苑
22/46

終焉



「さすがに、時代の違いと言うのでしょうか…」


ジャンヌは剣を取り落とし、呟いた。


目の前の黒服は、いくら刺しても斬っても、全くもって効果が無かった。


それなのに、同じ文字化け(・・・・)であるはずの私達は、傷ついていく。


「これも裏切りの代償、ですかな…」


福沢様が呟く。


「でも、後悔はしていません」


ジャンヌの真っ直ぐな目を見て、福沢さんは笑う。


「そうですな」


福沢さんはそう言って、ジャンヌから借りた短刀を構える。


「福沢様。私、甦れてよかったです。

 世界は昔よりも平和で、幸せで…」


こんな私にも、友達が出来た。


「私も、楽しかったですよ」


黒服が、銃を構える。


銃と剣。


勝敗は見えている。


それでも――


「守ります。あの方達は、必ず」


キッと黒服を見据え、剣を振り上げる。


パァンッ!


銃弾が脇腹を掠める。


しかし、重力のまま、剣を振り下ろした。


ザンッ


(!…手ごたえが…)


今まで空気を斬っているようで、まるで手ごたえが無かった敵。

それなのに…


ザァッ…と、足元から崩れ落ちていく黒服。


それは砂になり、どこからか吹いてきた風によって、開け放されたままだった扉から外に出て行った。


「いったい何が…」


呆然とする福沢さんだったが、ジャンヌにはなんとなく分かった。


「やりましたね…ハル様」


そして、徐々に薄れゆく自分の体を見て、小さくほほ笑む。


「福沢様、ハル様、心利さん、京様…さようなら」


笑顔を残して、ジャンヌは消えた。


福沢さんもそれを見て、異変に気づいた。


「ここまで、ですか…」


少し寂しげに笑い、福沢さんもジャンヌの後を追うように、消えた。









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