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AA  作者: 碧乃苑
18/46




屋敷の入り口の門を蹴破って中に入る。


「お前は中に入ってくるなよ」


ジャンヌにそう言って、扉の前で馬から飛び降りる。


バンッと音を立てて中に飛び込んで、しまった、と舌打ち混じりに言う。


屋敷内にも侵入されていたことを忘れていたため、音を聞きつけて黒服の奴が目の前に躍り出た。


しかし、武器も何もない学校や路上に比べれば、自分の家はまだ戦いやすい環境だった。


相手が、持っていた銃を構える。


それは俺も同じで、素早く花瓶が置かれていた机の引き出しから銃を引き出すと、両手で構えて撃った。


「っく…!」


ビリビリとした衝撃が腕を伝って肩に響く。

弾は外れたようで、黒服は姿を消した。


手を軽く振ってもう一度銃を握り、構えながら前へと慎重に歩を進める。


大広間へと続く一本道。

その中腹に来た瞬間、脇から黒服が跳び出てきた。


パァンッパァンッパァンッ!


下手な鉄砲数撃ちゃ当たる、とは言っても、プロとシロウトに比べれば、プロの方が当たる確立は高いに決まっている。


案の定弾は僅かに相手を掠めただけで。

それなのに俺は、見事に右肩を弾が貫通していた。


「ッグ…!」


焼けるような痛みが右肩を襲い、銃を持ちきれずにその場に落とす。

ガシャンッ、と銃が床に当たったと同時に、俺もその場に崩れ落ちる。


「ハァッ…ハァッ…」


マズイ。

状況は最悪だ。


これならジャンヌにも来てもらうんだったな。

まぁ、銃と剣じゃ相手にならないか、と自嘲気味に笑いながら呟く。


カシャン、と音がして銃口が額につきつけられる。


汗が額から頬を伝い、床に落ちる。


映画か何かだったら、ここで助けが来るんだろうがな。


「…心利」


せめて君だけは、無事で。


霞んだ視界の向こうで、相手の指が動いたのがぼんやりと見える。


安全装置が外され、人差し指が引き金に触れる。



パァンッ!と屋敷に銃声が木霊した。







最近死亡フラグが多いですね←

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