その先にあるもの
14歳の中学生が書いています。
何かと至らない点があると思いますが読んでもらえると嬉しいです。
その少年少女たちは、都市にいた人たちと比べると、外見が少し変わっていた。
一人の少年は、狼の耳と尻尾が生えていて。
一人の少女は、燃えるような赤い髪に角が2つ、額から生えていて。
一人の少年はは、珍しい銀髪に色素の薄い白い瞳をしていて。
二人の茶髪の、兄弟のような少年と少女は、それぞれ別々の目に眼帯をしている。
少女が2人、少年が3人。全部で5人。
こちらを、目を見開いて見つめていた。
そんな少年少女の様子を気にもとめず、男はいう。
「まぁまぁ、とりあえず部屋に入ってぇ〜それから色々説明するからぁ〜」
男が部屋の中に足を踏み入れる。
私も男について、部屋の中へと足を踏み入れた。
部屋の中にいた少年少女たちは、入ってきた男に怯んだように全員、一歩後ずさった。
男は、にやっと笑う。その笑いは、なぜか狂気を感じさせた。
私の背筋にもぞわっと怖気が走った。
「んんぅ〜、全員揃ってるねぇ〜?」
男が、全員の顔を順番に見つめる。
そしていう。
「この子はぁ、ここのぉ、新入りなんだよぉ〜!みんなぁ、仲良くしたげてねぇ〜!」
少年少女の顔に、それぞれに衝撃が走った。
「あんた……ここの新入りって、…っ、どういうことよ………っ」
赤髪の少女が、男を睨みつけ、怒りを含んだ声音で静かに問う。
その鬼気に私は思わずびくっと肩を震わせた。
「んん〜?そのまんまの意味だよぉ〜?………てことで、自己紹介ねぇ〜!君、名前はぁ?」
赤髪の少女の怒りを宙へと受け流し、男が急にこちらを向いてそう聞く。
そう答えるように、指示されていたはずの名前が思い出せない。
わからない。
何だっただろうか。
私は。
誰だっただろうか。
「……………名前、なんてない」
迷った後、そう答える。
男は、その答えに口角を上げた。
「そうなのぉ?じゃぁ、右手首の数字ってぇ、どういう意味があるのぉ?」
男の言葉に私は手首をー包帯の巻かれていない、右手首の、裏側を、見る。
そこには、黒い色で刻まれた、“00”の数字。
「……これは、私の番号です。」
無機質な声で、そう答える。
「私の、名前です、」
男は満足げに微笑んだ。
「おっけ〜い、それが君の名前何だねぇ〜でも、そのままだとちょっと困るからぁ、………ん〜〜、じゃあ、君は、“零”、でいいんじゃないかなぁ~!どうかなぁ〜?」
「…………好きに、呼んでください」私ー0、零は、冷たく答えた。