ネーミングセンス
高校1年生、15歳の天音雫です!
何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです!
「……ていうか、”安全団“って名前、ダサくないかしら」
「確かに。改名しちゃだめなのかなー?」
「さすがに政府の重要なやつっぽいんで、改名はご法度なんじゃやいですか…?」
認証式帰り、蘇った都市の喧騒の中。
“安”の字がかっこよく刻まれたピンバッチを胸につけた脱獄メンバー6人は、他愛もない会話をしながら横断歩道を渡っていた。
「そっかー。政府絡みになるといくらネーミングセンスがなくても僕たちは口出しできないのか」
「名前を考えた人が可哀想になってくるような会話だな。
ールイ、メイ、道はこっちで合ってるか?」
『合ってる』『間違いない』
道を訪ねたレンに、ルイと、メイは指を使って応答する。
脱獄メンバー全員が、認証式前の一夜漬けにより何とか指文字を覚え、何不自由なくルイとメイと会話できるようになっていた。
「ルイとメイがまさかノアの実験体にされて永遠の命と引き換えに声を失ってるなんて…まるでお伽話みたいだな」
「本っ当に許せないわ、あいつ」
握り拳を固めるニナにリアムはまぁまぁと笑った。
「意識がないうちに僕がやっつけたみたいだし。ルイとメイも何とか会話できる手段見つけたし!あとはーほら、ドーナツ食べて怒りなんてふっ飛ばそう?」
手でドーナツの形を作って見せるリアムに零も便乗する。
「そうですね。
もう死んだ相手にこれ以上銃を打ち込むのは弾の無駄ですし、ナイフでめった刺しにするのも疲れますし、罵倒しても届きませんし」
「あんたはあんたで怖いわよ、全く。
……あ、あの店じゃない?」
微笑を浮かべニナが斜め前方を指差す。
『到着した』『あの店』
ルイとメイも指文字でそう示し、心なしか歩調を早めた。
店の看板には、[CITY・Donuts・Grande]という言葉が木の蔦のような飾り文字で可愛らしく書かれている。
「良かったな、リアム。お前があの日食べそこねたドーナツを食える日がーー」
「やっと着いたー!!皆早く行こう!?」
店に向かって一目散に駆け出すリアムをめいめい顔を見合わせ、苦笑しながら後を追うのだった。




