慈悲
高校1年生、15歳の天音雫です!
何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです!
「本当、あんた、リアムとルイと、メイに感謝しなさいよ。
3人の慈悲がなかったらとっくの昔に息絶えてたんだからね!」
「ーー俺も、てっきりあんたは死んだのかと思ってたよ。
俺達の自慢のリアムが暴走した中でよく生き延びたなー」
口々に感想を述べる。
零も、
「良かったですね。
“ルーカス”さん」
その名を呼ぶ。
自分を動かす主人としてではなく、1人の、人間として。
ーーーー赤の、他人のように。
「……零」
突き放したような冷たい視線を向ける零にルーカスは口を歪ませる。
目隠しの下、その顔がどんな感情を秘めているのかは読み取れない。
「あんたはあとで千回零に土下座しなさい。そして零の言ったことには絶対従いなさい。
勿論、それで罪がなくなるわけじゃないけど。
ーところで、私達の今後について詳しく聞きたいんだけど、喋れそうかしら?」
「……喋れるが、その前にこの目隠しと拘束を何とかしてくれないか?」
「却下よ。口は自由に動くんだから説明して頂戴。
言っとくけど、あたし、アンタのことノアの次に大っきらいよ」
「言いますね、ニナさん」
「あ、当たり前じゃない」
小声で茶化す零にニナは顔を背けそっぽを向いた。
「あたしだったら間違いなく殺してたわ。今だってこいつに猿ぐつわをはめたくてしかたないわ」
「喋ってほしいのか、黙っててほしいのか、はっきりさせてくれないか?」
「政府のことだけ話して頂戴。あとは黙ってて」
「……分かった」
息巻くニナに疲れたような、呆れたような溜め息をつき、ルーカスは話し始めた。
「壊れた都市の、再建が進み、人々の日常が戻ってきているのは知ってるな?
だが、政府の特別機関が集まる重要なビルが何棟も倒壊し当然政府の人材が何百人も欠けた。
中でも壊滅的な被害を受けたのが国家安全武装団ー通称”安全団“だ。
国内の治安を守るため時に武力も使いながら活動してる集団で全部で6グループある。
が、此度の某悪魔の暴走により、4グループが消滅。まあ、ざっと80人近くが死んだってことだな」
「えっそんなに?僕のせいで?」
狼狽するリアムにルーカスは、
「ーまぁ、時間を停止させてた馬鹿な弟の影響もデカいけどな。
時間が止まってなければ全員身体が自由に動いたし何が起こってるかもわかったわけだから、普通に無事に逃げおおせただろう」
「そうよ!一体全体あれ、何だったの?!
私とルイと、メイは最初は街の人達と同じように止められてたわ。
なのに何で途中から動けるようになったのよ!
レンと零とリアムは最初から動けてたみたいだけど……あれ何よ?!」
思い出し激昂するニナに、ルーカスは口元に薄っすらと笑みをたたえた。




