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ブラックジョーク

高校1年生になりました天音雫です!

何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです!

「ねぇ!僕もう絶対大丈夫って約束するから!

この鎖外してくださいっ!!」


「嫌だ」「嫌よ」「嫌です」


「何でぇ?!お願いだってばぁーー!」


ルイとメイまでもしかめっ面で何度も首を横にふる始末だった。


場所は中央特設病院第2棟、508号室。


ほんの2日前、零が持たされた最終兵器ー爆裂玉によって眠らされたリアムは、レン達によってこの中央特設病院に運ばれ、ーー鎖でがんじがらめにされた。


身動き一つどころか指一本動かすことさえ困難な状況。


眠りから目覚めたリアムが、鎖からの開放を交渉し、決裂するのはこれで、6度目だった。


「本っ当にお願いします全身痛いんですもう二度と正気失わないって誓いますごめんなさい」


「無理よ。だってあんた、何もかも一瞬で壊して、あたし達まで攻撃したじゃない!

あのビルのひどい崩れ方を見た?!」


「本当にあの時は、The・悪魔って感じの目つきで死ぬかと思ったよ……」


「私も、もう、駄目かと思いました」


「………零、何か喋るの上手くなってる?っていうか、人間らしくなってる?え、僕今の零の方が前より何百倍も好きだなー!」


「話をすり替えないでちょうだいっ!」


「いでっ!」


零の成長にほのぼのした顔をするリアムの頭にニナのチョップが入る。


「…どうして、正体を、俺達にもずっと隠してたんだ?」


痛がるリアムを横目に見たレンは、ふっと瞳を暗くかげらせた。


ノアの狂気じみたお遊びに共に何年も耐えてきた仲間。


それなのに、リアム自身が悪魔であることを仲間に決して教えず、そんな素振りも見せず、完璧に隠し通されていた。


その悲しさは零を除く脱獄メンバー全員の顔に滲んでいた。


しかし、当のリアムはあっけらかんとした口調で、


「ご、ごめんごめん、普通に忘れてたから……」


「「「………は?」」」


思わず呆れた声が重なる。


「皆と一緒に過ごせてー勿論ノアの拷問は痛いし辛いし怖かったけどー僕も普通の人になったような気がしてて…」


「……私たちだって“普通”じゃないでしょう。

”普通“だったらノアのおもちゃにされないもの」


頭に生えた角に手をやりニナが呆れたような吐息混じりにそう零した。


「忘れてることあんのかよ…」


思わず呟いたレンのその声には隠しきれない疲労が滲んでいる。


拷問からの脱獄に狂人2人の追っ手、リアムの暴走とHPが削られるイベントが立て続けに発生した。


2日間、中央特設病院の病床で強制療養していたが、それでも疲労感は完全には拭えない。


ただ1人、リアムを除いて。


「それにしても凄い音だよねー」


忘れていた、という事実を軽々とカミングアウトした上、特に疲れた素振りもなくリアムはそう呟く。


地獄のようなあの日から2日、政府の手によって街は奇跡の再復興を遂げていた。


夜通し工事し続け、壊れた通りも建物も道路も、かなり修復されてきている。


どこもかしこも壊滅的な状況だったため、騒音公害を顧みず急ピッチで作業が進められている為、現在耳が故障しそうなほどの爆音が工事によって発生している。


「あんた…他人事みたいに…」


「もう分かってるよ!

記憶はないけどあれ全部僕がやったんでしょ?!」


「そうよ」「そうだな」「そうですね」


「1人くらいはもっとやんわり接してくれても良くない?!傷つくんだけど?!」


「事実だしなぁ……」


喚くリアムに後ろめたそうにレンは俯く。


「お前の記憶がないから余計にこの鎖を外せないんだよな」


「待って、もしかして僕墓穴掘った?」


「もう大人しく寝てなさい!

全員まだ休息が必要よ。

まぁ、私達に与えられた休息も残り1日だけどね」


軽口を交わし合うリアムとレンに終止符を打ったニナにリアムが首を傾げた。


「何で?1日しか休んじゃ駄目なの?

この病院ってそういう決まり?」


すっとぼけた声を出すリアムにげんなりするニナとレン、もともと喋れないルイとメイに変わって零が口を開く。


「明後日には政府の長官のもとに行って認証式を行い、3日後からは本格的に任務が始まるんですよ」


「認証?任務?え、何のこと?」


「詳細は概要欄にあります」


「え、概要欄…?動画の?

それ、零の体内に内蔵されてるってこと?」


恐恐とした表情をするリアムに零は小首をかしげる。


「……渾身のジョークだったつもりなんですけど」


「ちょっと、焦ったじゃない。

またルーカスに変に弄られた何かがあるのかと思ったわ」


「ジョークの腕にも磨きをかけられるようになってるって、良いことだよな」


和やかな雰囲気が満ちた後、ニナはその顔から疲労が見えなくなるくらい、くっきりと勝ち気な笑みを浮かべた。


「詳細は」


隣の病床を囲う真っ白なカーテンを勢いよく開ける。


「こいつに聞くのが一番よ」


開け放たれたカーテンの先、ベッドの上に男が横たわっている。


リアムと同じように全身鎖でがんじがらめにされ、目隠しされてる男ーー


「そうかもな」


ルーカスだった。






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