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ファイナル・ウェポン

高校1年生、15歳の天音雫です!

何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです!

“生まれてすぐ”の、自分がまだ成功作だと信じられていた時、”あの人“はーールーカスは、零に語り聞かせた。


彼の、ルーカスとノアの、父親について。


ルーカスの父は政府で重要な役職について順風満帆な人生を送っていた。


しかし、本当の彼はそれを望んでいたわけではなかった。


彼の心はいつもこの世の破壊とともにあり、政府の、役職は世界破壊に必要な書物を得るための手段の一つでしかなかった。 


彼はこの世に悪魔を呼び出し、彼自身はその際に意識を失った。


今もなお、彼は意識が戻っていないのだという。


そして、命令主が途中で意識を失ったがために、半端な命令を受けた悪魔が今も野放しになっているのだと。


『零。もしその悪魔を見つけたら、生け捕りにしてほしい。できなければ殺して構わない。

そいつはいかにも悪魔らしく黒い翼を生やしているからすぐに見つけられるはずだ。』


遠い目をしたルーカスの言葉が、記憶のマイクロチップを同時に失った今、蘇る。


『そいつは馬鹿な俺の父親によってすべてを壊すように命じられているはずだ。

ーー手遅れにならないうちに、頼む、零』


懇願するような表情のルーカスが消え、煮えたぎるような瞳をしたリアムが現れる。


その背中の黒い翼が風になびく。


「まさか、リアムが、ルーカス、の、父親……によって、この世に呼び出された悪魔…?」


零は全身の力が抜けていくような感じがした。


こんな感覚に陥るのは一度ルーカスにシャットダウンをされたとき以来だ。


もしも、リアムが、悪魔なのなら。


ノアは、ずっと悪魔を虐げ続けていたことになる。


改めてノアの異常さを痛感する。


いや、ノアがこの事を知らなかった可能性もある。


きっとそうだ。


自分で自分を無理矢理納得させる。


そして零は、ルーカスから渡されていた最終兵器を靴の内側から取り出す。


それは小さな、とても小さな爆裂弾だった。


中には恐竜さえも気を失うほどの睡眠薬がたっぷりと詰まっている。


一般人が浴びれば意識が永遠に失われるほどらしい。いわゆる致死量だ。


悪魔を生け捕りにする時に使え、とそう言われ渡されたものだった。


生け捕りにするわけではないが、ルーカスの言った通り悪魔の為に使うのだからルーカスも本望だろう。


そんな勝手な自己解釈をして、


一息に爆裂弾をリアムの翼を狙って投げる。


狙いは命中した。翼にあたった爆裂弾は弾けて爆発、白い煙幕が上がり、リアムの姿が隠される。


「な、何がーー?!」


白い煙がもうもうと立ち込める中、レンは構わずに煙幕の方へと駆け出す。


「あ、それ私が投げた爆裂弾で……あ、レン……さん、そっちに行かないほうが……」


「リアム?リアム?!おい、どうしたんだ?!死んだわけじゃないよな……!」


零の呼び止めた声はずいぶんと遅すぎたらしく、煙幕の中から動揺した声が聞こえてくる。


「大変だ!リアムがーー」


煙幕の中から泣きながらリアムを引っ張り出してきたレンが無事だったので、零は安堵の息をつく。


「……寝てるだけですよ」


「…へ?」


「あんたねぇ、零の説明ちゃんと聞いてから行きなさいよ!」


「え、なんか言ってたのか?」


「言いかけて間に合わなかったというか……あ、とにかく、リアムさんは生きてますよ」


「あ?!ほんとだ!息してるし拍動もある!」


「眠っているだけです」


「何だよ寝てるだけかよ!」


安堵の表情を浮かべるレンのそばに、リアムに吹き飛ばされたルイとメイがいつの間にか現れちょこんと座る。


「ルイとメイ?!

無事か?!無傷か?!大丈夫か?!

俺達はーーあでっ!」


「一回落ち着きなさいよあんた!アドレナリンが止まってないんじゃないの?」


早口でまくしたてるレンにニナの軽いげんこつが入る。


「ご、ごめんってばニナ……」


「一番あんたが無事じゃないのよ、全く!

無茶しすぎよ!」


「ご、ごめんごめん」


穏やかな顔で寝息を立てるリアムを取り囲み全員がほっと息をつく。


刹那、


プップーーーー! 


街の至るところでクラクションが鳴り響いた。


喧騒に混乱が上乗せされて街の音が突然にして戻って来る。


人々も、動き出す。


壊れに壊れた建物やアスファルトを目にし、悲鳴じみた声を上げる街の人々に、レンは二度目の息をついた。


「これは面倒なことになるな」


その場にいた(意識がある)全員の思いを代表し困り顔で頭をかく。


一際大きな悲鳴が上がり、リアムを取り囲み、全員重たいため息をついたのだった。







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