似てるから
高校1年生になりました天音雫です!
何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです!
「手を離せ悪魔っ……!」
「…………」
「ゔっ゙……!」
応答の代わりに首に巻き付いた手がの力が強くなる。
このまま殺す気か。
肺に酸素が足りなくなり視界が霞む。
ルーカスは無言の命令をありったけの力を込めて心で唱えた。
『俺を助けろ!』
爆発のような音がした後、首の締付けがなくなり、一瞬にして全身に酸素が巡る。
「ハアッ、ハッ、ハッ、ハアッ、」
ルーカスはしばらく大の字になったまま、酸素をもっと体内に取り入れようと躍起になっていた。
馬乗りになっていたリアムは、
「……誰だ 」
自分を投げ飛ばしルーカスを命の危機から救った存在へと冷たい視線を送った。
そこに佇むのは、白髪の少女。
ーーーー零と、瓜二つの。
袖から見える手首には”04“の番号が刻まれている。
「そいつはお前達が零と呼んだ奴の成功作だ」
「……どういうことだ」
ルーカスを睨みつけ、遠ざけられた距離を再び、歩み寄り、詰める。
「零の成功作ーー完全人型人工知能搭載検体、通称“エルゼン”の一つさ。」
ルーカスの前に立ちはだかる、成功作であり、偽物の零をリアムは攻撃しない。
零ではないことは、分かっていて。
ルーカスを庇っているのを知っていて。
ルーカスの命令通りに動く人形だと知っていて。
怒りで精神が歪められたリアムのその瞳には、困惑、動揺、悲しみ、殺意、複雑な感情が目まぐるしく映し出される。
「似てるから手を出せないんだろう」
零に。
共に脱獄した、一瞬の仲間に。
偽物の零ーエルゼンの後ろでようやく酸欠のショックから回復したルーカスはライフル銃を手に笑う。
そして、エルゼンの背後から姿を表す。
「悪魔といえども根は甘いってことか。
きっといつか、それが仇になる」
歯を食いしばるリアムの背後ーー否、ずっと後方で青色の閃光が宙に真っすぐ上がった。
ついで、ガラスが割れるような音が連続して響く。
宙を切り裂く青い閃光の数も、それに比例する。
「まさか」
ルーカスはポケットの中、居場所なきマイクロチップのことを思い出した。




