狂気の兄弟
中学3年生、15歳の天音雫です。
何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです。
ノアとよく似た顔立ち。
しかしノアよりも背が高く、その背に厳ついライフル銃を背負っている。
顔は黒マスクで覆われていてよく見えない。
(兄弟、なのか?)
レンの疑念と思案は遮られる。
「ね、言ったでしよ。
“危ないかもしれない”って」
「……あぁ、お前の言った通りだったな。まさかマイクロチップが抜かれるとは思わなかった。
挙句の果てお前のおもちゃ箱に迷い込むとは」
直感する。同類だと。
この兄弟は、命を命として見ていないのだと。
こんな奴に、零を渡してはいけない。
「そろそろ来てるんじゃなぁい?」
「あぁ。大方、どこかの車の影にでも隠れて盗み聞きでもしてるんだろう」
何もかも読まれている。
レンは舌打ちをした。
「零はここにいろ。」
そう言い聞かせ、車の陰から出る。
「出てきてやったぞ、ノア。」
2人はレンの姿を目に止め、にやりと笑みを浮かべた。
「あはは、昨日ぶりだね。
僕から逃げるなんて、良い度胸じゃん。
どーせすぐ捕まるのにぃ。」
ニタニタと笑うノア。
しかし、レンの視線はその隣に立つ長身へと向けられる。
「お前……、誰だよ」
思わず口から溢れた名を問う声は、どす黒い憎しみと怒りで染まっていた。
「ルーカス。ルーカス・ユーゲルだ。」
ノアを指差す。
「便宜上はこいつの兄だ」
「便宜上じゃなくてただの事実でしょぉ?
僕が弟なのがそんなに嫌なのぉ?」
「あぁ」
「ひっどぉ、僕泣いちゃうよぉ?」
「んで、ノア、こいつが……誰だ?」
「レンだよ。僕のお気に入りの5人の中の1人。」
「ふぅん。」
「うわー、興味なさそー」
茶化しあう兄弟。しかしその様子はもう既にレンの眼中からきえていた。
今レンの目に入るのはただただ、
「……リアムに、何をした」
「何をしたって……別にぃ?」
「強気な奴だな。
お前はこういう奴は嫌いかと思ってた」
「答えろよ!!」
のらくらとした会話を交わす2人に激昂し怒鳴りつける。
「ほら、お前、喋り方直せよ
怒ってるだろ」
「はー?兄さんに言われたくないんですけどぉ。
えーとね、とりあえず、ドーナツ買おうとしたから捕まえて、ちょっと眠らせただけだよ?」
兄を睨み、ついでレンに向かって不気味な笑みを浮かべながらそう説明する。
信用できない。どこまでも。
眠らせた”だけ“なんて嘘だ。
それなら何故、リアムの肩に、血痕がついている。
何故、先程銃声が聞こえた。




