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生きてる限り

中学3年生15歳の天音雫です。


何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです。

気がつくと、赤髪で角の生えた少女ーーニナと呼ばれていたーーが目の前に来ていた。


「大丈夫? 零?」


「…………大丈夫、です」


何となく、そう返す。今がどういう状況なのかが、あまり分かっていないなりに聞いてみる。


「何が、あったんですか?」


ニナはその口元に薄っすらと微笑をたたえる。


「まあ、話せば長くなるんだけど……」


ニナは、零の腕に巻かれた包帯を指さしながら、


「あの狂人ノアの馬鹿げたお遊びから脱獄したのよ。」


勝ち誇った顔でそう宣言した。


その勝ち気な笑みをたたえる瞳の奥に憔悴が見えた。


私は再び言葉を紡いだ。


「私、のこと、助けて、くれたんですか?」


そう聞くと、ニナは困ったように笑った。


「助けたってほどじゃないわよ。

当たり前のことをしただけ。

そんなことより、ノアに解体(バラ)された傷は大丈夫?」


零の包帯を、少し見せて、と言って優しく解く。


まだ治りきっていない痛々しい傷が露わになるとニナは小さく毒づいた。


自分が傷ついたかのように顔を歪ませるニナに私は言った。


「このくらい、なんてことないですよ。私は失敗作なので」


「失敗……って、どういうことよ?

この世に生を受けた生き物に”失敗作“なんていないわ。」


少し怒ったような顔で包帯を巻き直したニナは、二度と言うなとばかりに零の額を軽く小突いた。


「自分のことを失敗作なんて思っちゃダメ。そんな風に思えば一生が辛く感じるだけよ。」


そうよね、レン?


そんな呼びかけに、リアム問題で気が気でなかったレンは慌てて返事をした。


「えっ?!う、う、うん!そう、だな!そうだよ、零!」


「あんた今の私の話ほんとに聞いてた?」


「も、もちろんさ」


首をブンブン縦に振るレンを見て、その滑稽さにニナが笑う。


私も思わず微笑を浮かべた。


その微笑は、悲しげな笑みに変わる。


「ありがとうございます。

でも、本当の、ことですから。

今こうして私が話していることが何よりの証拠なんです」


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