休まらないメンタル
中学3年生の天音雫です。
何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです。
「え、じゃあ僕行ってくるよ」
「は…?」
場違いなほど明るく声が響く。
横を見ればリアムが手を上げていた。僕、適任でしょう?とばかりに自信満々な顔で。
「いやっ、お前、……」
「だってさ、」
レンが宥める前にリアムが口を開く。
「レンは耳があるし、ニナは角があるから目立っちゃうでしょ?ルイとメイは寝てるし、零もあのノアの拷問にかかったあとだし…」
リアムは全員の顔を見ながら、選択肢を一つずつ潰していく。
消去法で残る、最後の一人として、皆の視線を集める。
「僕しかいないと思うんだ。髪の色はちょっと銀色だけどこのくらいなら行けると思う。」
リアムの力説にレンは反論しようと口を開きかけた。
しかしリアムはさらに重ねる。
「何かと食べないと皆倒れちゃうよ。そうなったら脱獄成功も何もなくなっちゃうよ。」
お願い、と手を合わせるリアムにレンはついに折れた。
そして、それはニナも同じだった。
「…………分かった。くれぐれも、くれぐれも、く・れ・ぐ・れ・も・気をつけるんだぞ…」
「3回も言わなくてもだいじょぶだってば」
リアムは眉尻を困ったように下げて笑う。そして、
「それじゃあ、皆ゆっくり休んでてね!行ってくる!」
意気揚々、といった足取りで薄暗いこの路地を去っていく。
都市の方へ、去っていく。
「休まるのは体だけなんだよな…」
そんなリアムの姿を見送りながらレンは小さくそうぼやいた。




