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なかま

中学3年生15歳の天音雫です。

何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです。

炎と黒煙が蹂躙する施設の中を、ひたすらに駆け抜けていた。


「っハァッ、ハアッ、ハアッ、」


呼吸が荒くなる。それは、こ煙のせいか、それともー


ーーーーヴオオオオオオオオン!


真後ろから獣の咆哮が、走る零たちの鼓膜を突き刺した。


「ーーーーーーッ!」


扉を通るたびに、様々な動物のお面をつけた子どもたちが出てきて、走る零たちを捕まようと追ってくる。


「っ、ハッ、ハッ、ハァッ、カハッ、ゴホッ…」


今零達は、炎と黒煙まみれの施設内を出口を求めて走っていた。


そしてその後ろを、 


ヴオオオオオオオオオオオン!


狼とライオンが追いかけ、


「止まりなよー」

「大人しく捕まってー」

「ここにいなきゃだめなのー!」

「逃げるなよー」

「許さないからー」


無数のことばを放ちながら、お面をつけた子供達や顔にペイントを施した子供たちもまた、追いかけてきていた。


その数は、どんどん増えてきていた。


零は追いかけてきている全てにも見覚えがあった。


ーーーー全員、ノアの“ショー”に出演していた。


レン達と、一緒に。


子どもたちは、笑顔でジャグリングや空中ブランコをしていた。


狼は大玉に乗っていて、ライオンは芸を披露していた。


それなのに、それなのに、なぜ、今、こんなことに。


捕まれば死ぬ、それを鮮烈に感じた。


「っ、零ッ!あの部屋に入る!あの部屋の窓を割って外に出るぞ!」


少し先にある扉を指さしてレンは叫ぶ。


その言葉に零は強く頷いた。


もはやそれしかできなかった。


追いつかれそうな距離にいる追手から少しでも距離を離して時間稼ぎをするため、二人は僅かに加速する。


そして、目的の部屋の扉にたどり着いた瞬間、レンが扉を蹴破る。


後ろから迫る恐怖を見ないように、その叫び声が聞こえないように、そうすることに全力を注ぐレンは乱暴に扉を閉め、零を引っ張り部屋の窓へと駆け寄る。


そして、零は見た。


レンの右手が、再び、獣の手になるのを。


鋭い鉤爪を窓に突き刺す。


ガシャン、という耳を刺すような音がなり、窓が割れる。


と、同時に、閉めたドアも破られる。


ヴオオオオオオオオオオオオン!

ヴオオオオオオオオオオオオン!


かつてないほどの遠吠えが部屋中を振動させ、立っていることもままならなくさせた。


そこに、あの子どもたちが来る。笑いながら。


捕まってしまう。あの狂気に。


火の気が回る。充満していく黒煙に子供たちも獣たちも怯まない。揃ってレンたちに突進してくる。



レンは舌打ちして窓枠に勢いよく飛び乗る。


そして零の事を、素早く上から引き上げ、窓の外へと飛び降りる。


すんでのところで、危機を回避した二人は、再び暗い夜道を駆けていった。

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