鬼ごっこ
中学3年生15歳の天音雫です。
何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです。
手にした懐中時計が夜の11時59分を指した。
レンは、牢獄のような部屋中で、震える手足を無理矢理押さえつけていた。
手足だけでなく、浅く歯の隙間から漏れ出る呼吸すらも震える。
この時計の針が12時を指せば計画が幕を開ける。
脱獄への、恐怖の鬼ごっこが始まる。
鬼はノア。
絶対に捕まらずに逃げ切らなければいけない。
秒針が時を刻む。
12時まで、
ーー5秒、鉄格子に掛けられた鍵を針金で無音で開ける。
ーー4秒、さらに部屋の鍵を壊す。音がなる。
心臓の鼓動が早まる。
ーー3秒、部屋の床下に隠していた油を素早く取って部屋中にぶちまける。
呼吸の音が聞こえないように、口に手を当てる。
ーー2秒、ドアの目の前に立ってポケットからライターを取り出し火をつける。
ーー1秒、部屋のドアを静かに開ける。
鼓動が静かになって欲しいと祈る。
ーー0秒、先程まで自分がいた、油を撒いた部屋に、レンは火の付いたライターを投げ入れ、素早くドアを閉める。
そして内側のすさまじい熱気を感じーーーー、
レンは走り出した。




