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慈悲も正気も

中学生3年生、15歳の天音雫です。

何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです。

男の目に涙が浮かぶ。


「ぁ………ぁっ………しに、たくな……………」

男は必死に訴える。涙が暗い路地裏の地面へと溶け込む。


「はぁ………黙れよ。うるさいんだけど。」


再び足で踏みつける。


スマホの向こう側から楽しげな笑い声が聞こえる。


「はははっ、お前のショーのメンバーは可哀想だな?」


「…………まぁ、そうかもね?」


お前が殺そうとした相手いたぶってるんだよ、といいかけて慌ててそれを飲み込む。


「首尾よく行けば、あと2日もあれば完成するだろう。今は大体の形が出来上がり、プログラムを組み込んでるところだからな。」


「ふぅ〜〜んそっかぁ〜〜」


相手を踏みつけながら路地裏の壁にもたれかかり適当に返す。


「本当に、失敗は成功の元とはこのことだな。最初の一人は失敗したが、そのおかげで他の奴らはうまくできそうだ。」


失敗。その言葉と零の姿が脳裏に蘇る。失敗作。右手首に刻まれた“00”の数字。


「…………良かったねぇ〜?」


「ああ、まああいつも、失敗作といえども、しっかりマイクロチップを埋め込んだからかなり役には立つけどな。」


その言葉を聞いて確信を得る。


…………やっぱり、マイクロチップが零のことを動かしていたのか。


自分があのマイクロチップを取り出したために零は全て忘れてあの状態になった、ということだ。


いわゆる初期化、というやつか。


「僕はぁ、いつその子達に会えるのかなぁ?」


すでに会っていることを隠してそう尋ねる。


「ははっ、面白いことを聞くな?

そんなに心待ちにしていなくても、いずれ見たくないと思っても見なきゃいけないくらいこの都市に増えるさ。」


「…………そ。なら、待ってようかなぁ、兄さんの自信作。」


「…………お前にその名で呼ばれたくはない。」


「わぁ〜ん、こっわーーい」


「何も異常がないならこれで終わるぞ」


もはやノアのことを全力スルーして兄は続けた。




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