チップに秘められし命令を
中学3年生、15歳の天音雫です。
何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです。
通路を抜けてショーの会場を抜けて、外へと出る。
思い切り伸びをしてから手に握ったマイクロチップを見つめる。
「これが、兄さんがつくって零に埋め込んだ命令の根源………か……」
軽く笑って独り言ちる。
「兄さん、腹黒くなったなぁ。零って子のこと、殺人犯にしようとするなんて。」
零という少女は、兄さんの自信作だと聞いていた。
青水晶を首から下げてなんの命令にも従う完璧な完成品だと。
その零の左手首には、兄さんが下した命令が全てプログラムされたマイクロチップが宿る埋め込まれていた。
……今日、零の左手首をナイフで貫きこうして今自分の手元にあるのだが。
そのマイクロチップを先程パソコンに繋げて内容を確認した。
………正直、驚いた。その内容のほとんどが殺人だったからだ。悪徳な商人から裏路地に潜む不良、ギャンブラー、しまいには現政権のトップである女の殺害命令まで出されていた。
「……自分の手を汚さずに、自分の目指す世界を創り上げようってことか……」
マイクロチップをポケットにしまい裏路地へと向かう。
あの子に最初にくだされた命令が果たされていないのを知れば、兄さんはありとあらゆる可能性を疑い、恐らく自分まで疑われる。
零はまだまだ手花したくない逸材だ。兄さんにこのことがバレないようにするためには、零に下された命令を代わりに実行するしかなかった。
目的の裏路地につく。辺りに街灯はなく暗闇と静寂がその場を満たしていた。
「………お前、誰だ………?」
警戒心に満ちた声が裏路地の奥の方から聞こえてくる。
ノアはニヤっと笑って明るい快活な声を出した。
「やぁ!!こんばんは!君と取引きしたいんだけどいいかな?」




