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脱獄の決意

中学3年生になりました、天音雫です。


更新止まってましたが、こちらも作っていたので少しずつ投稿していこうと思います。


受験もちゃんと頑張ります。


何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです。

リアムは、否定も肯定もしない。ただ、縋るように、レンを見つめている。


「リアム、諦めるな。俺達で、逃げよう。」

少し躊躇い、笑って続ける。


「あの新入りの子のことは全部、言い出しっぺの俺が何とかする。だから、…………頼…いっっっってぇ?!」


リアムに必死に言葉をかけるレンの横顔を平手打ちが直撃する。パシン、という軽快な音が響く。


横を見れば、ニナが手を振りかぶっていた。


その手が赤くなっている。レンの頬も、平手打ちの跡がくっきりと赤くなっている。


「……何、馬鹿なこと言ってるの?」


ニナが今度はレンを睨みつける。まさか、ニナまで反対するのかと絶望しかけたレンにニナは、あんたねぇ、という。


「何一人で解決させようとしてるのよ。仲間って言葉の意味、わかってる? 全員って言葉の意味、わかってる?」


怒涛の勢いで紡がれる言葉にレンは何も言えないままその場に立ちすくむ。そんなレンをニナは一瞥する。


「あんたのことも、長いこと一緒にいるから、知ってるの。あんたは、責任感が強すぎて、何でも自だけで解決しようと東奔西走するやつなのよ。」


「ーーーーーーーー」


「そんなやつのこと、放って置くわけがないでしょう。そもそも、仲間なら、一人にその責任を、役目を押し付けたりしないでしょう。リアムも、そんな意味でああやって言ったわけじゃないわ。」


その言葉の意味することが分かり、レンは目を見開く。


「じゃあ、つまりっーー」


「そうそう、つまり、私達もあんたの意見に賛成ってこと。そして、あんたの一人であの子のことを助けようなんて無謀なことをする必要はないってこと。………わかった?」


「ほ、本当に、いいのか…?リアムも……」


ニナへと向いていた視線を、リアムへと再び戻す。リアムは一瞬キョトンとした顔をしていたが、すぐに、う、うん!と強く返答し、立ち上がり、眉尻を下げて続ける。


「ご、ごめん、ね?ぼ、僕の方からそんなつもりで言ったわけじゃなく、て、……」


「ああ、分かってる。お前は、優しいやつだからな。」


「も、もう。皆で、ぼ、僕のこと、馬鹿にしてるのっ?!ほ、ほら、ぼ、僕怖いぞ〜?!が、ガオーッ!」


リアムは爪の鋭い獣の手の形を真似て脅してみせるが、全く怖くない。それに思わず笑ってしまう。


「ルイとメイも、いいのか?」


このやり取りを静観していた双子にも、許可を求める。確認を、取る。ルイもメイも、揃って何度も首を縦に振る。


「………分かった。皆、ありがとな。

……あの子も、絶対ここから脱獄させるぞ。」


仲間に、そして自分に強く言い聞かせる。全員の瞳に闘志が宿る。


窓の外は日が沈み、少しずつ、少しずつ、暗くなっていっていた。

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