最強無双のマギア・ウィザード
「《無属性魔法:クリエイトウェポン》――バスタァァァァッメイスッ!」
マギア・ウィザードの両手に緑色の光が収束すると、全身よりも大きなメイスを形成した。
「オラァッ!」
バハムートとの距離を瞬時に詰めつつ、振り上げられたメイスの先端部が炸裂する。
一撃で頭部の甲殻を砕き、巨大な肉片が王国の城下町に飛び散っていく。
「まだまだァッ! 《無属性魔法:ブラスト》!」
懐に潜り込んだマギア・ウィザードは右腕を構え、バハムートの腹部にブラストによる衝撃を打ち込んだ。
反撃などさせるかよ!
「《ブラスト》! 《ブラスト》! 《ブラスト》! 《ブラスト》!《ブラスト》ォッ!」
至近距離限定の衝撃系の攻撃魔法がバハムートの腹部を抉っていく。
しかしバハムートもやられているだけではないようで、口部に光を溜め始める。
野郎、ブレスを吐くつもりか!
『アキト! いったん退きなさい! 敵の攻撃を回避――』
「いいや、ノーだッ!」
こういうとき、臆病風に吹かれて避けようとするのが一番の悪手だぜ。
攻撃するって決めたら、敵をブッ倒すまで攻撃しつくせ!
マギア・ウィザードは殴打の拳を止めることはなく、むしろ加速させる。
「《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラ《ブラァッ!》」
加速加速加速加速加速加速加速加速加速加速加速加速、加速させるッ!
衝撃衝撃衝撃衝撃衝撃衝撃衝撃衝撃衝撃衝撃衝撃衝撃、衝撃がバハムートを襲う!
「《ブラストォッ!》」
マギアから溢れだすMPのおかげで無限に魔法が打ち込める。
なら打ち込めるだけ打ち込まなきゃ、損ッてヤツだろ!
無数の拳とブラストによる衝撃を受けたバハムートの全身は粉微塵となり、爆散!
黒煙と猛火のなか、マギア・ウィザードの威容が浮かび上がる。
『倒し……た? 超幻獣を、この一瞬で……』
「オイオイ、世界守るってんのも簡単だなァ!」
『まだ油断しないで。様子が変よ……。空を見て』
見上げた暗雲に浮かぶ渦は消えておらず、そこから巨大な人型の影が現れた。
「いやはや、この星にも“機神”があったとは驚きだね」
長髪の好青年の外見をしており、一見すると人間ようだが大きさはマギア・ウィザードと同等かそれ以上にある。
背中に六枚の翼を生やしており、蒼い肌の一糸まとわぬ体を晒していた。
「おいおい、新手の変態かァ? フェリカ、奴は?」
『知らない……なによ、アレ……』
「さすがのお前も、イチモツ生えてねぇ優男は知らないってか」
すると蒼い肌の青年はそれに反応し、
「僕は神だからね。神に生殖器は必要ないのさ」
「つまり死ぬまで童貞ってか」
「やはり猿の考えることは品性に欠けるなぁ……」
余裕こいてんのか、こいつは俺を前にしてもヘラヘラと笑ってやがった。
「自己紹介がまだだったね。僕はフレイ。神人類の中で、一番美しい豊穣を司る神さ」
「大層な登場しといて、やることは宗教の勧誘かよ」
「好きに言うといいさ。僕らが神に等しい存在なのに変わりはないから。で、どうだい? 僕の創造した超幻獣は? 少し物足りなかったかな?」
「テメェが雑魚ドラゴンの生産責任者ってか。クソ弱かった、とクレームつけてやるぜ!」
「そりゃ残念だ。今後の参考にするよ。まぁ今日は顔見せってことで……次からはもっと強力な超幻獣を用意しておくよ。歯ごたえ十分な、ね」
「ンだと……?」
フレイは優しく微笑むと翼を広げて、暗雲に浮かぶ渦の中に向かって上昇していく。
「どこまで君たち猿にやれるのか、僕も気になっているんだ」
俺は静かにマギア・ウィザードに大地を蹴らせ、跳躍。
「期待しているよ。それじゃ――」
「《無属性魔法:クリエイトウェポン》バスターメイス!」
フレイの眼前に迫ったマギア・ウィザードは即座にメイスを振り下ろす。
「もう少し遊んでけよ、クソ野郎」
メイスの尖端はフレイの顔面を抉り、真っ赤な鮮血と肉片が舞い踊る。
「がぁッ!」
「散々、煽っといて退散するってのはムシが良すぎねぇか?」
「君は……」
「教えといてやるよ。人間サマの世界じゃ、喧嘩を売るだけ売って帰ることは許されねぇってなァ!」
渦に吸い込まれる寸前で地面に叩き落とされたフレイは、ゆらりと起き上がりながらマギア・ウィザードを見て、静かに呟く。
「その言葉、そっくりそのまま君に返すとしよう。君は今この瞬間、神に喧嘩を売ったのだから」
「おう、いいぜ。教えてくれよ。神様の実力ってやつをよ!」
読んでくださり、誠にありがとうございます!
少しでも「面白い!」や「続きを読ませて!」と思いましたら、
《ブックマーク》と、広告下にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると幸いです!
評価ボタンは、モチベーションに繋がりますので、どうか応援よろしくお願いします!
また作品に対するご意見、ご感想もお待ちしております!