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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

言葉がナイフになる世界

私は赤河みとり。突然だが私の友人は言葉にさされた

「なんであんな障害者と関わってるんだよ!」

「キモーイ!」

「お願い…!これ以上悪口を言わないで!苦しい!痛いよ!」

「もっと苦しめ!」

「お前なんていない方が世の中の為だ」

この世界では言葉がナイフとなって自分を襲ってくる。言葉に出し、加害者が相手を悪く言うという自覚と被害者が不快だと感じた場合に成立する。私の友人は私と関わってる事で差別にあい、言葉に刺されて殺された。このお話は言葉が凶器となった世界の物語

「昨日、ネットで誹謗中傷をしていた無職22歳が殺人未遂容疑で逮捕されました」

「またね…」

この世界ではナイフや爆弾はない。戦争もない。厳密に言えばものを切るための包丁やナイフはあるがそれで人を刺すという概念がない。これだけ聞けば素晴らしい世界に見えるが代わりに言葉という名のナイフ、口争いというなのは口争(こうそう)がある。この世界では言葉により相手が深いと感じたらそれがナイフとなる為悪口は厳罰に処罰される。未遂で無期懲役もざらにある

「■■…頭が言葉に刺されてからどれくらいの時がたったかしら?墓参りにでも行ってあげましょ」

■■は私の友人だった者。私の傍にいてくれて優しくしてくれていたが言葉に刺されて殺された。悪口という名の凶器で刺され、殺されたのだ。■■は仲間割れをして互いの悪口を言いまくった結果全員死亡した。言葉が凶器になるとはこういう事だ。組織が仲間割れをした際には大体が互いの悪口を言って自滅する。そんな世の中

「お墓参りに行きましょ」

お墓

「■■…久しぶりね。こんなに髪が張り付いてる…名前が見えないわよ」

この世界では悪口で死んだ場合、生前に言われた悪口がお墓に持ってかれる。どんだけ剥がしても次の日にはまた出てきてしまう

「■■…今でもお前は苦しんでいるの?」

そんなのを聞いても虚しいだけ

「■■はどんな悪口を言われて苦しんだか教えてくれる?って答えてくれる訳ないか」

お墓に貼られた悪口はだれでも見る事ができる。紙には悪口を言われた人の名前も書いてあるから悪口が原因で人が死んだら警察がお墓の紙を調べて全力で犯人を探す

「またくるわ…母さんと父さんのお墓にも行かないと」

別のお墓

「母さん…父さん…」

母さんには紙が貼られてあるが父さんには紙が貼られていない。これには理由がある。母さんを殺したのは父さんだからだ

「母さん…父さん…私を産んだばっかりに…」

母さんと父さんは男の子を欲しがっていた。しかし産まれたのは女の子だった。その際に父さんは逆上して母さんを罵倒しまくってしまった。父さんが目を覚ました頃には母さんは言葉というなのナイフに苦しんで死んだ。父さんはその後悔で自殺をした。母さんは悪口で死んだが父さんは自殺。だから母さんのお墓に紙が貼られていて父さんのお墓には紙が貼られていていないんだ

「母さん、父さん、男の子として生まれて来れなくてごめんね」

子供は親を選べないように親も子供を選べない。子供が原因で口論となり死んでしまうケースは珍しくない

「母さん…」

「ちょっといいですか?」

「誰?」

「私は仙豆優といいます。あなたからは私と同じ臭いを感じたのでつい…」

「私は赤河みとりよ。よろしくね」

これが私が体験する3度目の別れだった

「一緒にお話しませんか?」

「いいわよ。でもここじゃ気まずいし公園で話しましょ」

公園

「なんでお墓にいたの?大切な人を弔いに来たの? 」

「それは…聞かないでくれると嬉しいです」

「分かったわ」

私と優は意気投合した。大切な人との別れを2度も体験した私からしたら転機だと思った。しかし3ヶ月、事件は起きた

3ヶ月後

「それでね、凄いんです!」

「あなたと話していると楽しいわ」

「ありがとうございます!」

「見つけたぞ!」

「?!」

「誰!」

「優!お前を見つけるのにどれだけ時間がかかったことか」

「優!どういうこと!」

「みとり、逃げてください…」

「逃げてくださいって…事情を説明しなさいよ!」

「…」

「俺が説明してやる!こいつは俺の全財産を奪ったんだよ!」

「全財産を奪ったって…優がそんな事…」

「みとり、本当です。生活が苦しくて」

「優…そんな」

「お前さえいなければ!お前さえいなければ!」

「ぐは!」

「優!もう辞めて!こいつが犯した罪は私と一緒に償うわ!」

「そんなの知るか!こんなカスなんて死んでも誰も悲しまないんだよ!」

「誰も悲しまない…ぐあああああああ!!!!!!!」

「ゆ、優!」

「お、俺は悪くない!全ては盗みを働いたこいつが悪いんだ!こんな所で死んでたまるか!」

「待ちなさい!そんなことより優…」

「みとり、短い間だったけど楽しかったよ」

「優、敬語が…」

「死ぬ最後くらいはフランクで居させてよ。みとりちゃん、最後までありがとう」

「ゆうぅぅぅぅぅぅ!!!!!」

優は病院に運ばれたが言葉によるダメージが高く助からなかった。悪口を言った奴は海で海外に逃げようとしたが最終的に捕まり殺人罪で死刑を言い渡された

お墓

「優…」

大切な人をまた1人失った。心に穴が空いた

「優…涙が流せないよ」

私は完全に感覚が麻痺しているのかもしれない。失ったものは二度と戻らないという事実が私を完全に麻痺しさせたのだ

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