第60話 王子の勉強会?
第60話 王子の勉強会?
————ロビーでルフィアとお茶をしていると
ミリティアの侍女「アーサー王子。少しよろしいですか?」
アーサー「どうしたのか?」
ミリティアの侍女「ミリティア様が勉強をさぼって抜け出すのを何とかする方法はありませんか?」
アーサー「俺の方は養育係なんてついていなかったんだが、 養育係ってソレイクなのかな?」
ミリティアの侍女「アーサー王子はご自分で勉強なされているので必要がなかったのでは?」
アーサー「今は何を勉強させているの?」
ミリティアの侍女「淑女教育、ダンス、テーブルマナー、歴史、外交に係る周辺国の文化や歌、美術とかです」
アーサー「うーん。俺も淑女教育とかはやっていないなあ」
ルフィア「それは必要ないでしょ」
アーサー「ダンスとテーブルマナーは式典直前に1週間でたたきこまれたよ」
ルフィア「ダンスで私の足踏んでたし」
アーサー「ルフィアこそテーブルマナーでナイフで皿を切っていたよな?」
ルフィア「……それよりもミリティアちゃんを勉強させないと」
アーサー「となると、ミリティアを呼んでくるか」
ミリティアの侍女「隠れていて見つからないのです……」
アーサーが探知魔法で探し部屋の隅に飾ってある鎧の調度品の兜を外すと
ミリティアの侍女「そんなところに隠れていたのですか?」 とがみがみ叱り始める。
アーサー「しょうがないここは睡眠学習としよう」と怪しげな紫の薬が入った瓶を取り出す。
ルフィア「毎回怖そうな薬ばかり出すわね」
そして侍女に取り押さえてもらい無理やり薬を飲ませたのだった。
ミリティア「……にがーい」といってソファーでスースー寝息を立て始めるのであった。
アーサー「さて、寝ている間に詰め込む本はどれだ?」
と言われて歴史の教科書や文化の本や美術や歌の本を渡された。 そしてアーサーは魔法をかけて本の内容を夢に出るようにさせたのだった。 だが、本の中に侍女の趣味のBLマッスルものが混じっていて、ミリティアはマッチョが苦手になるのであった。
————領主館 調剤室
久しぶりに薬師孤児組に調薬の講義をするのであった。
アーサー「お前たちも上級ポーションが作れるようになったんだな」と出来上がっているポーション瓶を見て言う
ウィル「師匠の訓練の賜物です。」
アーサー「そうなると、そろそろ圧縮調合でも教えるか」
リズ「圧縮調合?」
アーサー「効果が低い薬の成分を圧縮して効果が高い薬を調合する技術なんだ。 代表的なのは下級ポーションから中級ポーションを調合することかな、 デメリットはランクの下の薬を大量に使うことぐらいだよ」
アリア「そうしますと、中級ポーションは上級ポーションに、上級は最上級に?」
アーサー「アリアの言う通りなんだけど上のランクになると失敗する可能性も高くなるよ。 だから今のレベルだと上級までにとどめておいた方がいいよ」
薬学講座が進んでいたのだ。
ポップ「師匠この薬学書に書かれていますけど特殊薬というのは?」
アーサー「特殊な効果を持つ薬だね、調合に珍しい材料とか使うから難しいし本に載っていないものも多いよ」
リッド「作り方が載っていないのなんてどうやって作るんですか?」
アーサー「トライ&エラー&人体実験」
ウィル「最後は不穏すぎる……」
ポップ「乗っていない薬だとどんなものがあるんですか?」
アーサー「症状が限定されている薬とか、種族を変える薬とか、変身する薬とか、記憶操作するものとかもあるよ」
アリア「恐ろしい薬があるのですね」
アーサー「今挙げたのはものすごく難しいけどね」




