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第48話 王子とデニス領?

第48話 王子とデニス領?


アーサーががイストリア領の視察に赴き

シーサーペントの干物を生産した後、

次に向かったのはデニス領だった。


デニス領は領主であるエルンスト候が統治しており

質実剛健の気風が強い地方であった。

そして、ローザリア帝国滅亡時にも戦火を免れた地であり、

統治そのものが安定していたのだ。


エルンスト「ようこそ某が治めている地に」

アーサー「エルンスト殿お久しぶりです」

ソレイク「それにしてもやはり武人が治める地ですな。

     領民が安心して暮らせている地ですぞ」

アーサー「そうだな……。 ティア、久しぶりの帰郷だがどうだ?」

ティア「懐かしいです」

ルフィア「私の場合懐かしいより哀しい、辛い思い出が多いのよ

     でも今はそんなことを気にしないで戻ることができるわ」

スプレ「そうなんだ。みんな違うね」

アーサー「そういえばスプレの故郷ってどんなところなんだ?」

スプレ「良くも悪くもいたずら好きの妖精の里だよ」

アーサー「突然召喚しちゃったけどたまには戻るか?」

スプレ「いや、今の方が楽しいからいいよ」



アーサー「俺も王宮は殺伐としていたし……。」

ソレイク「私も法衣貴族なので王都暮らしでした」

エルンスト「某は故郷を戦功を立てて領地に封じられたのじゃ

      だからここが故郷じゃな」


とそれぞれの故郷の話をしていたのだった。


アーサー「エルンスト殿は帝国時代、独立時代、シュトラール編入と

     領地を取り巻く環境は変わってきていますけど何か要望はありますか?」

エルンスト「できればひ孫の顔が見たいのじゃ」

とティアが真っ赤になり

アーサー「ひ孫ですか? 出産を考えると13歳だと早すぎるからあと1・2年みてからですね」

※ 若齢出産について調べてみたところ最短では生理が始まる10歳くらいからでも可能ですが、

  肉体的な成長期だと母体にもよくないので日本では16歳から結婚可能とされているのは

  そのあたりが理由のひとつのようです。

ティア「はわわわわ」 プシュ~ と湯気を吹いてしまった……。

アーサー「子が生まれたらデニス侯爵位を譲渡して、

     エルンスト殿と私が後見人となって成人まで面倒を見る予定で大丈夫でしょうか?」

エルンスト「デニスの血が途絶えぬのなら構わん」

と返事をしたのであった。


とその夜

一行は人払いをして世界樹の話をエルンストに伝えたのだった。

(精霊の話は伏せて、世界樹を保護している話のみで)




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