第34話 王子とローザリア第二帝国? 後編
第34話 王子とローザリア第二帝国? 後編
エルフたちの集落が壊滅して世界樹の利権を狙ったローザリア第二帝国だったは、ムーア大樹海に兵を進めたのだが、しかしムーア大樹海は無防備ではなく精霊たちの迷いの魔法や、オネエ化したエルフたちの襲撃を受け潰走、遭難したローザリア第二帝国軍の生き残りが、ロギオン領に保護を求めたのであった。ローザリア第二帝国軍の将軍レクサスに話を聞き何が起こったかを知ったアーサーは軍議を開いて対策を講じたのであった。
―——― 軍議にて
ソレイク「王子。軍議の場に主だったものが集まりましたぞ」
アーサー「そうか。では軍議を始める」
と軍議が始まった。
エルンスト「それで、ローザリア第二帝国は何がやりたいのじゃ?」
ソレイク「世界樹を得てわが国に対抗しようとしたのですが失敗したみたいで、潰走した将兵がわが国に保護を求めたのです。」
アーサー「一部の兵が略奪していたみたいだから領土侵犯を理由に攻勢をかけようと思う」
とアーサーの回答を受け
エルンスト「某に戦法を命じてください」とのエルンストの要望に
アーサー「いや、黒騎士団には別の任務を頼みたい」
とアーサーは言った。
エルンスト「別任務とは?」
アーサー「エルフたちの残党に備えてほしい」
エルンストが「ですが」と反論するものの
アーサーは「それにエルンストたちは元々ローザリア側の人間だから兵たちは知人かもしれない者と戦う可能性があるはずだから士気にも影響する。今言った通り敵はローザリア第二帝国だけではないみたいだから頼む」とエルンストを説得する。
エルンスト「それでは王子の背中は某が守るのじゃ。王子は目の前の敵に専念してください。」
アーサー「感謝するエルンスト。 陣容は両軍の徴兵戦力(常備兵)と近衛兵団を加えた40000で進軍する」と軍議は締めくくられたのであった。
―——―野戦にて
40000の兵を連れて国境付近に進軍すると待っていたかのようにローザリア第二帝国の軍が布陣していた。
それを見たソレイクは「先鋒は私が率いますアーサー王子命令を!」と指示を仰ぐが、
アーサー「待たないかソレイク。 こちらのほうが強いとはいえ、直接当たったら損害が出る俺の策の後に攻撃をかけろ」とソレイクの進軍を止める
ソレイク「王子は何をなさるので? うげっ……。まさか?」
ゾンビを大量に召喚して肥溜めに飛び込ませて、這い出て敵陣の報に向かう様子を見て顔をしかめる。
アーサー「風魔法が使えるものは追い風を吹かせよ」
と命じて自陣にゾンビ+肥溜め臭が来ないように手配する。
肥溜めに飛び込んで突撃してきたゾンビたち+追い風付きであまりの悪臭にローザリア第二帝国軍は阿鼻叫喚の状況に陥る。
アーサー「攻撃すると臭いはずだから追い風の後ろからにおいを避けて遠距離攻撃をしろ」と命じて
ほぼ無傷でローザリア第二帝国軍を破って進軍する。
さらに進軍しながらゴキブリを大量召喚してさらに敵の兵糧に腐食促進の魔法をかけて追撃を仕掛けることで、 ほとんどの敵兵が戦う前に降伏したのだったが、ソレイクはほぼ無傷なのに勝った気がしないとこぼしていたのであった。
ルフィア「誰かのせいで勝ち戦なのに兵たちのやる気がないわよ」とジト目でルフィアが言う。
目を泳がせてアーサー「きのせいだろ」といってごまかすが敵も味方もやる気がない戦となったのであった。
そしてアーサーたちロギオン勢は攻め進んで敵の王都を包囲した。
勝ち戦なのに士気が低いロギオン勢と負け戦で低いローザリア第二帝国軍は遷都した王都で再激突することになった。 味方の士気も低かったが、敵の士気はもっと低く数も劣っていたため、
ローザリア第二帝国軍の新帝都トゥーランをほぼ1日で攻略したのであった。
トゥーランの王城を攻略して、ローザリア第二帝国の新皇帝ゾラタスや重臣たちをとらえたものの
責任の擦り付け合いですでに国家としての体裁もなしていなかったのであった。案内役として連れてきた将軍のレクサスやロギオン統治時に加わった旧ローザリアの将官もその様子を冷ややかな目で見ていたのであった。
戦に勝ったアーサーは攻略時に捕虜にしたゾラタスを筆頭としたローザリア第二帝国の人間の処分を本国に送り父王アルスレッドに任せたのであった。
アーサー「後味の悪い戦だった」
ソレイク「王子がそれを言わないでください」
とみんなを代表したソレイクに言われ、統一した旧ローザリア第二帝国の人間にもシュトラールの糞王子のふたつ名でしばらく恐れられたアーサーであった。




