第17話 王子と出陣と戦の終わり?
第17話 王子と出陣と戦の終わり?
クリスベル王国に滞在してから2週間の月日が経った。その間にシュトラール王国がそれぞれの方面で、アバロン・ローザリア軍を撃破したとの連絡がもたらされたのであった。
そして援軍要請にこたえる形で二国間連合軍として、 クリスベル側から出陣することになったアーサーは、シュトラールからクリスベル側から出陣する形となった近衛騎士団第二軍のソレイクと再会したのだった。
ソレイク「アーサー王子と出陣とは楽しみですな。 ようやく我が武を示す舞台ですので」
アーサー「ソレイクごめん。 今回の出陣はほとんど作業になるよ」
ソレイク「えっ? 作業ですか?」
アーサー「そう。作業だよ」
ソレイク「戦じゃなくて?」
アーサー「工作でほとんど趨勢が決まっているから、降伏勧告と拠点制圧と事後処理が中心だよ」
ソレイク「私の武勲が——―OHMYがー」
アーサー「ってことで、作業に出陣だよ」と嫌がるソレイクを連れてクリスベル軍とともにローザリア領に進軍するのだった。
そして、ほとんどの抵抗もなく都市を4つほど制圧して、ローザリアの首都ロギオンまで侵攻するのだった。
ソレイク「ここまで抵抗がないのはおかしいのでは?」(工作の内容はアーサーとルフィアとアルスレッドしか知らないです。)
イヴン「何かの罠では? 」
アーサー「さすがに焦土作戦で首都まで危険にさらすのは、よほどのことがないとやるわけないでしょ。 そんなこと国力の劣る国相手にする?」
イヴン「普通はしないですな」
ソレイク「斥候が返ってきたぞ」
斥候の話を聞いて帝城がすでに焼け落ちていることや、帝都で戦闘の跡があり大量の死者が出ていることや、 死亡したはずの皇帝の弟たちと壮絶な戦いで皇帝ヨシュアがすでに死亡したことや、 ヨシュアを破った弟たちもすぐに謎の死因で亡くなっていて、 ローザリアが無政府状態になっている情報を聞き一同は驚きを隠せずにいたことは言うまでもなかった。
ソレイク「帝国との戦いなので、国力差から相当な死闘となると予想していたのですが、まさか王子はこのことをご存じだったのですか?」
アーサー「一応工作したとは言ったはずだけど」
イヴン「首都を落として皇帝を討って内部分裂で国土の半分を制圧できるなんて、 工作のレベルじゃないだろ……」
アーサー「もうそろそろ気が付いていると思うけど、自国の倍以上の国土を制圧したらそのあとの統治はどうなる? それをシュトラール単独で行った場合と、クリスベルを巻き込んだ場合だとどういう差が出るかも」
イヴン「まさか、我々の出陣要請ってそのためだったのですか?」
アーサー「うん。 戦だけなら単国で十分だったでしょ。 敵国の領地を制圧したらそのあと統治しなければならないけど。国土が8倍近くになると統治どころじゃなくなるはず。 シュトラールだけでやったらクリスベルとの力関係にも大きな差が出てくるから、 クリスベルにも警戒されて、国土が8倍になり周辺国すべてに警戒される状態と。同じ情勢に持ち込んでしまえば、クリスベルとの力関係もそこまで大きな差にはならないうえ、 今後の統治のためにすこしでも外敵を減らしたいという情勢は同じになるから、両国は同盟を維持することのメリットを共有できるようにしたんだよ」
そして、無政府状態となったローザリア帝国の領土は大半をシュトラール軍とクリスベル軍に落とされ、皇帝の圧力から解放されたほかの領土も次々と独立してしまい滅亡したのだった。
残党の一部がローザリア第二帝国として独立はしているものの、大勢には影響はなかったのだった。そのあと別方向から侵攻したシュトラール本軍と合流して、独立した領土(国)とシュトラール・クリスベルとの話し合いとなり帝国との戦いは終わりを迎えたのだった。
戦わずして勝つ。 ゾンビ戦略。
アーサー王子はひねくれているので戦でも隕石落下とかドラゴンみたいな
圧倒的な力で無双はしないです。
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