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盗賊?義賊?取り敢えず逃げます。




冷や汗しか流れなかった。

なんとなく呟いた独り言がキッカケで、お尋ね者のポスターに載っている人とエンカウントした。まるで俺が正体を看破した様な事を言われたけど誤解だからね!?



「で、どうするんだい?俺を冒険者か騎士にでも突き出すか?」

「な、なんの話かな?俺は今話題の盗賊の噂を呟いただけで旅人のお兄さんの事なんか興味ないから。じゃ、俺は帰るから」



スッと顔を近付け、俺にだけ聞こえる様に囁く今話題の義賊さん。手配書に名前も書いてあった気もするが覚えてないわ。俺は早口で捲し立てから早足でその場を離れる。



「そんな話を信じるとでも……」

「俺は何の力も無い村人だ。弱い者を虐げたりはしないよな?アンタが噂の義賊様なら……ね?」



腕を掴まれそうになったがスルリと避けてビシッと鼻先に指を突き付ける。

すると義賊のお兄さんはキョトンとした顔で、その場に立ち尽くしていたので俺は足早に離れ、姿が見えなくなる位置に姿を隠してからチラリと振り返って見ると姿が無かった。俺の言った事を信じて帰ってくれたのかな?跡をつけられたんじゃないかと不安だったけど思い過ごしだったらしい。


まあ、単なる誤解だと思ってくれたのだろう。そもそもこんなモブの村娘の言う事なんざ誰も信じないだろうって判断したんだろうな。仮に俺が「噂の盗賊が此処に居るぞー!」なんて叫んでも誰も信じないだろうし、信じてもらえても、あの義賊のお兄さんは何処ぞの怪盗三世みたいに華麗に逃げる気がする。



やれやれ……とんだエンカウントしてしまったな。モブの俺は平穏にこの村で生きるってのに。









「や、今日からこの村で住む事になったライだ。ヨロシク」



数日後、例の義賊のお兄さんが先日の旅人スタイルから眼鏡を掛けてスラックスにワイシャツ、黒のベストを着た、育ちが良さそうな商人スタイルに変わって現れて、この村に住むと言い始めた。どうして、こうなった?


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