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1、困っている少女が居た。

ーー小さな頃に夢で見た


ーー自身が人のためにみを投げ出し戦う所を


ーーだか実際、俯瞰で観ていたからそれは自分じゃないのかもしれない。


ーーだけど、もし


ーーもし同じことが自分に起きたなら、


ーー自分も、あの自分になりたいと強く願ったんだ


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


ジリリリリリリリリリリンッ


「ん〜〜」


唸り声を上げながら、りょうはまだ重たいまぶたを開けた

ベットテーブルを手でまさぐり、スマホを掴んだ。頭上に持ってきて、時間の確認とアラームの解除


(久しぶりに観たな…あの夢)


(7時10分か…あいつ(・・・)が来る前に準備しとこ)


生田遼いくとりょうは高校2年生のどこにでもいる高校生である。

器用貧乏で得意なこともないけれど苦手なこともない。


部屋から出てすぐのところの洗面台で顔を洗おうとすると


「兄貴、アラームうっせぇよ」


すでに先客がいた。

弟のゆう、中学3年で来年からうちの学園に入学するべく勉強に精を出す中学生だ。


「スワン、スワン」


「もう、ひびきちゃん来てるからさっさと支度しなよ!」


「えッ!もういんのかよあいつ…」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「おっそーーい!!何やってたのよ!」


「…お前は早すぎだ…ゆっくりさせてくれ。」


リビングに行くとそこには見慣れた人物がいつもどおり家族の一員みたいに朝食を食っていた。


天野響あまのひびき

オレと同じ高校の二年生。

オレとは小学校昔馴染みなので元の素顔を知っている為、遠慮はしない。

栗色のセミロング、スタイルもよく、テレビに出ているモデルなんて裸足で逃げ出す程だと思う。


両親が共働きのウチの生活を危機と思った母が何を思ったのか響に朝の面倒だけでもと頼んだのだ。


響も響で満更でもないらしく


「同じマンションの隣同士しかも小学校からの付き合いなんだから今更でしょ」


と言った始末


「親しき間柄でも礼儀ありという言葉を知らんのか…」


「あーら、そんなこと言ってもいいのかしら?」


「あん?」


「お・ふ・ろ♪」


「いやー、お前がいるとこの家もさらに華やかになるなぁ、むしろお前がいねぇと心休まらないぜ!!」


(くそぅ…オレが裸を見たのをまだ根に待ちやがってぇ…あれだってオレん家でシャワー浴びてたのがそもそもの原因じゃねぇか!!)


まぁ、オレが言葉に出したことは実際に思っていてこいつが家にいないとなんか違うと最近思えて来た。


「兄貴、ジャマ」


勇はオレのことなんか気にしずにメシを食いだすし、


「あ、ユウくんおはよう」


響は今までのことがなかったかのようにご飯を再開した。


これがオレの朝の始まりだ。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「わたし、先に行くから絶対に遅刻しないよーに!

あと戸締りとガスの元栓ちゃんと閉めたか確認と後は…」


「へいへい、お前はオレのかーちゃんか…ちゃんと見とくよ。」


「じゃ、先に行ってきます。」


「いってらー」

このやりとりもいつものことだ、一緒に通学しないのは変な噂にならないようにするため、響は学校では猫を被っているため少しもスキを出さないと言って家以外は接点のないようにしていた。


「じゃ、オレも行くから兄貴、戸締りよろしく。」


「おう」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「さてと、オレもそろそろ行きますか」


焦らないギリギリの時間に差し迫またので、学校に向かうとする。


高校は徒歩でも行ける距離なので電車やバスの時間に追われることはない。自分で決めれるのは最高だ。


今日もいつも通り、ギリギリで到着出来ると思っているとー


ふと通学の道すがらにある公園に目が行った。


そこには腰まである金髪、年は勇と同じくらいの女の子がまるでコンタクトレンズを落としたかのように公園で何かを探していた。


(何かを落としのか?しかし、オレも遅刻したら響に怒られんだよなぁ…)


心の中で土下座ポーズをとり、見てみないふりをしようとしたその時

何故か、夢で見たあの光景がフラッシュバックし、後ろ髪を引っ張った。


(あぁぁぁぁ、もうこうなりゃやけだ!!)


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「…………」


金髪の少女は探している。


もう、ないのではないか?捨てられたのではないか?誰かに持っていかれたのではないか?


さまざまな憶測が自身の中で駆け巡る中、突然


「大丈夫か?何か探しているんだったら手伝うよ?」


高校生くらいのお兄さんが声を掛けてくれた。


「い、いえ。だ、大丈夫ですから…」


「いいよ、遠慮しなくて、オレ、暇だし手伝うから。何を探してるんだ?」


「え、えっと、アクセサリーです。チェーンとそれについた指輪なんですけど、お母さんから貰った大事な物なんです。」


「わかった、絶対に見つけようね」


「は、はい!!」


それから30分掛けて公園を探し、見つけた時は二人して抱き合いながら喜んだものだ。



ーーこれが全ての始まりだったなんてオレはまだ知らなかった。



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