18話
18話です。
至らぬ点が多々あるとは思いますが、少しでも楽しんでいただけていれば幸いです。
「ひゃひゃひゃ、お前にいい事を教えてやろう」
ワシから飛びのき無駄話をしだしよった。
「うむ、聞かせてみろ。どうせ面白くないんじゃろうがな」
「お前んところの幽霊娘あれを殺したのは俺様だ。俺様の初めて食った人間だ」
聞くべきではなかったのう、この結界を壊さないように加減ができなくなってしまいそうじゃ。
「あの人間は美味かったなぁ、意識があるまま食ったせいかどんどん味が増していってよ、お前らの殺し合いそっちのけでひたすらに食ってたんだが、神が出てきたとき焦って逃げ出しちまって魂食いそびれたんだよなぁ」
ワシらが暴れたせいで葵は食われ、ワシらが暴れたおかげで葵の魂が生き残ったんじゃな。喜んでいいのか、悲しんでいいのか分からなくなってくるのう。
なんにせよ、ワシらが暴れたせいで各所に迷惑を掛けてしまったことに変わりはないのう。
「そんで食いそびれた魂のほうを見つけたらまた、お前が出てきちまってミスミス幽霊にしちまうし。最悪だ」
やはりおぬしじゃったか、死んだ頃の記憶を失ってただただ寝ていた葵を起こした輩は。所詮は小物じゃな。
「……はぁ、退屈じゃ」
「ひゃひゃひゃ」
小物は心地の悪い笑い声を上げ、ワシの左足に食いつく。
ワシはここに漂う空気を掻き集め、一つの鉛球のようにし小物の背中を打ち抜いた。打ち抜いた空地の塊は地すらも大きく削り取った。
その後もワシはひたすらに小物の体をいたぶり続ける。




