最終回 性欲って本当に[見せられないよ!]なの?
※ボクっ娘です。
ねえ、好き。
大好き♡
どうしてこんなに好きなのか、わからないくらい好き♡
「キス……してほしいな♡」
ん……っ♡
ちゅ♡ ちゅ♡ ちゅ♡
啄むようなキス。
背伸びして、唇を突き出して戻す。
焦れったいよね?
だから、ボクを欲しがって♡
「ちゅっ♡ ちゅっ♡ ちゅっ♡ んむっ♡ んちゅ……れろ♡」
頭、捕まっちゃった♡
えへへ♡
舌が口に入ってくる。
不思議。
何かをね? 探してるみたいに動くんだ♡
ボクが舌を重ねてね、ここだよーって主張してるのに、ぐねぐね動いて、表も裏も、横からも確かめられるの♡
もぉー♡ って、押し返すと逃げるのずるい。
追っかけて、首に回した手とか、もっとぎゅってしちゃうし、これ以上背伸びは無理なんだよ?
ねえ、わかってるの?
しかも待ち構えててすごいの、ずるいー♡
「んっ……ふ♡ んちゅ♡ ふあ……っ♡ んんぅ♡」
好き♡
好きなの♡
荒い息、ボクに興奮してくれてるってわかる♡
ねえ、もっと。
もっと来て♡
キス……気持ちいい♡
えへへ♡ 今、ボクが考えてること、わかるかなー?
えっちな妄想で、身体ポカポカだよ♡
手に、触れてくれたでしょ? それから腕も、肩も触って、抱きしめて。
ボクは、ベッドに押し倒されちゃう♡
「んちゅ……っ♡ んふっ♡ あむ♡ れろ……んゅ♡」
キス、きもちーよ♡
いっぱい好きって気持ちを伝えたいよ♡
ボクを存分に確かめて♡
吐息が交わる距離で好きって囁き合いたい。
汗まみれになるほど、気持ちをぶつけられたい。
ボクに、心をください。
代わりにボクの心を差し上げます♡
「んちゅ……っ♡ んくっ♡ ごくん♡ んっ……はぁ♡ はぁ♡ はぁ♡ ――んちゅ♡」
キス♡
キス♡
キス……っ♡
ボクは、えっちだよね。
キスして、その先も、その先の先も欲しがってる。
ねえ、性欲が[見せられないよ!]なら、ボクのこの気持ちはイケナイものなの?
大好き♡
この気持ちは性欲で、それは何かに劣るものなのかな。
赤ちゃんが欲しいって思ったら、それは下品なものなのかな。
愛してほしい。
ボクを愛してほしい、って思ってする行為は、尊いものじゃないのかな。
ゴムで1枚隔てたら、同じ気持ちでも行為の意味が変わるのかな。
そんなこと無いよね。
ボクはえっちで十分だ♡
愛おしくて、大好きで、求めてほしいっていう気持ちが性欲なら、それで良い♡
キス、気持ちいいもん♡
えへへ♡
大好き♡
乱暴なようで優しいところも、好き♡
負けず嫌いなところがあるの、好き♡
ボクに我を忘れてくれるのも、好き♡
全部好き♡
ねえ、伝わってる?
唇を甘噛みしたら、伝わるのかな?
はむはむ♡
リップノイズでキスをせがめば、伝わるのかな?
ちゅっちゅっ♡
舌のお腹をくっつけたら、伝わるのかな?
ぺちゃぺちゃ♡
舌先を絡めたら、伝わるのかな?
チロチロ♡
ぎゅ……って抱きしめてくれるところ、好き♡
えへへ♡
「……はぁ♡」
吐息。
真っ直ぐな視線。
優しげな口許。
「はぁ♡ はぁ♡ はぁ♡ はぁ♡ はぁ♡」
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最終回は、満を持して主人公、希埼 結菜の登場です。ノクターンで連載中のTS物の主人公ですよ。
甘いですね。甘々ですね。ええ、これで通常運転です。
さて、最終回のテーマは「R15ギリギリの恋愛表現とR15実話のギャップ」です。
なんで、R18ってあるんでしょうね?
そういうお話です。
誰にだって、何かしらの性欲はあるものなのに、それをどうして隠そうとするのか。
たぶん、「最古の手段と目的の取り違い」が、性欲を制御できなかったことだから、だと思うんですよね。
私が↑のSSで伝えたかった通り、セックスって、愛を表現するための手段でしかないハズ、じゃないですか。そこに性欲が必要なら、性欲って、純粋な愛を伝えるためにあるんだと思うんですよね。
なのに、セックスをするために、つまり、性欲を満たすために愛を隠れ蓑にするから。
世界最古の商売って、売春らしいですね。ということは、それは、手段と目的を取り違えた、最古の例っていうことになるじゃないですか。
そして、その矛盾を正すことなく今まで歴史が積み重なってきてるって、思うんですよ。
そして、この矛盾を解消するには、性産業に関わる物や行為、システムや思想に至るすべてを、愛の教材として、認めなければならないのです。
何もかも、愛のための練習材料で、目的は見失ってないよって、言い訳をしながら、何もかもフルオープンな世界にしないといけないんですよ。
そんなこと、もう、できない。
だから、後ろめたいって思いながら、[見せられないよ!]って隠すんだと、私は思っています。
今まで歴史が積み上げてきた先人のドロドロとした感情を、18歳以下の子供に触れさせるのは、あまりにも危険だと、仕方なく遠ざける。
愛してるって、言葉一つも囁けないなんておかしいですよね。
こうして歴史が積み上げた敗北宣言が、R18だと、思うんですよ。
以上、上澄みの朝倉でした。
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注意:綺麗な感情のままでいたいのなら、ここまでにしておきましょう。
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以下、汚濁にまみれた朝倉がお送りします。
なにせ、テーマは「R15ギリギリの恋愛表現とR15実話のギャップ」ですから。↑ではR15ギリギリのイチャラブ表現しか書いてないですし?
えっと、まず私がノクターンで連載中のTS物で、結菜のパートを書く時って、心の準備が必要というか。こう、「清らか←→汚い」という心のメーターがあるとしたら、清らかな方にメーターが降り切れるくらい、精神統一してですね、主人公の結菜が好きな、晴彦っていうキャラクターに、実際に恋するレベルで思いを馳せて、それから結菜の視線になって、文章を叩きつけないと、書けないんですよね。
正直、セックスを「こんなもの」と思ったときに、その相手への愛は死ぬのです。
愛のなくなったセックスなんて、手段のハズだった性欲を満たせなかったら、接待でしかないんですよ。
そして、かつてはあったかもしれない、愛の手段で接待してるんですから、心は白けて行くし、接待するのに十分な相手なのかどうか、という視点にしか立てないですよ。
若いうちしか、愛のためにセックスできないなら、愛のないセックスをしている人は、結局、性欲を満たすための相手としか思わなくなるでしょうね。
そういう大人が、性欲を満たすために作ったものを見て育ったら、そりゃ、セックスの目的が性欲を満たすことだって、学ぶのは当然じゃないですか。
それを、有史以来続けてるんですから、常識として、セックスそのものに愛なんてないって、思うじゃないですか。
健全な青少年の育成に相応しくないって、遠ざけられて当然ですよね。
しかも、性欲を満たすことを拡大解釈した、性癖の伝播にR18って魅力的なんですよね。そう、有史以来の「手段と目的の取り違い」は、すでに文化なんですよ。手段を、目的にしていいレベルになっているんですよ。
そして、愛という目的に近づくR18だって当然あるわけで、境目は曖昧です。
それは当然R15にも言えることで、正直なところ、線引きは、「それは愛を表現したものなのか、性欲だけをぶちまけたものなのか」というところだと思います。
そうそう、R15ギリギリですが、私が中学生の頃付き合っていた同級生ですが、左手首に白い線がいっぱいあって、「見つかっちゃったね。」なんて悲しい顔するから、そこにキスして「綺麗だと思うけど。」って言って以来、事あるごとに左手首へのキスを迫ってくるようになりましたね。絶対、恍惚の表情をしてたと思うんですよ。
開いちゃいけない扉を開けてしまった瞬間ですね。
手を握るより、手首を握って欲しい人でしたね。
ね?
以上、反動で黒くなった朝倉でした。
きのこさん! ありがとうございました!
やっぱり、きのこさんほど私の人生深くないので、背中を追いかけるので精一杯でしたよ。