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信長復活!まずは状況確認

本能寺の変で潰え去ったかに見えた信長の野望は、毛利新介こと、この時代に転移してきた、時田旅人(ときた・たびと)なる者の機転を利かせた行動により、思わぬ形での存続ということにあいなった。


そもそもこの時田旅人(ときた・たびと)なる者は、何者なのか。


時田旅人(ときた・たびと)は、ごく普通の、満員電車にゆられながら会社に勤めるサラリーマン。

社内ではいわゆる窓際族(まどぎわぞく)というやつで、40歳過ぎて会社で出世できなかった成れの果てが、時田旅人(ときた・たびと)のような人間なのだ。


しかしこうして、目を見張るような、素晴らしい戦果をあげたのを機に、このまま信長とともに、天下をとり、国づくりを行っていくという大役を担おうかという野望に燃えていた。


時田旅人「さあ、いくぞ!」


しかしもともとは戦国時代に対しては、このような考えがあったという。

「戦国時代という時代は実に単純明解。

自分が天下人になるか、天下人の友だちになって取り入って出世させてもらうか。

しかし、結局最後に天下を取るのは信長、秀吉、家康だ。

実際大河ドラマでも、戦国時代といってもほとんど信長、秀吉、家康が天下取りに向かう頃の時代しかやらない。」




信長が本能寺から逃げ延びたという知らせは、既に京の朝廷にも届いていた。


「何!?信長が本能寺で!?それでその後、まんまと逃げ延びたというのか!?」

「ははっ、どうやらそのようでございます。近衛前久(このえ・さきひさ)様。」


この近衛前久(このえ・さきひさ)こそ、本能寺の変をはじめ、戦国の世のあらゆる局面を裏で操っていた黒幕だったといわれる。


「まあ、よい。信長が生き延びたなら生き延びたで、どちらに転がったとしても、それはそれで、面白い展開になりそうだ…。」




一方で、謀反を起こした光秀は、幽閉の身となっていた。


「いったいいつまでこのようなところに閉じ込めておくつもりなのだ。

ひとおもいに処刑するなら早く処刑せんか…。」


いつ処刑されるのかもわからないまま、その時が来るのを怯えながら過ごす幽閉の日々。

それならば、いっそのこと、と光秀は思い始めていたのだが、

ところが、謀反人として処刑されるはずが、いつまでたってもその日は来ない。


そこに現れたのは毛利新介=時田旅人。


「何者だ?」


「あいやしばらく。私は毛利新介と名乗っておりますが、本当は時田旅人という者にございます。」


「時田旅人!?」


「実は、光秀様には追放という沙汰(さた)が下されました、ということを改めて伝えに来ました。」


「追放だと!?」


追放ということになったといっても、実際には毛利新介=時田旅人の計らいで、光秀は沙汰(さた)が下る前に切腹して果てた、ということにして、実際には追放ということにして、

そうなると光秀は大名でも武将でもなくなり、ただの一般ピープルとしてのその後の人生を送るというもの。


「なんと…?しかし、それでもし嘘がバレたら、おぬしが切腹、もしくはその場にて手打ちにされるということにも、なりかねないか?」


「それはご心配なく。信長様にはうまく伝えておきます。

それに、このことはそれがしと光秀様の2人だけの秘密ということにしておきます。」



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