いきなり本能寺の変!
信長がいる。本能寺は既に明智光秀の軍により、取り囲まれている。
「新介は!毛利新介はどうした!」
「討ち死にいたしました。」
「もはやこれまでか、蘭丸!火を放て!」
森蘭丸に命じて、火をつけさせようとしていた。
そこに、その毛利新介が姿を現した。
毛利新介というのは、あの桶狭間の戦いで今川義元の首を取った後に、長らく織田信長の小姓、そして側近の一人として仕えることになった人物。
本能寺にも信長のお供として同行し、そして明智光秀の軍勢と交戦して、たった今討ち死にしたはずだった。
その毛利新介こそ、時田旅人だった。
時田旅人は、まず最初に毛利新介として転生したのだった。
これにはさすがの信長も驚いた。
「新介!?新介なのか!?
しかしそなたは、たった今、討ち死にしたはず。
蘭丸からも聞いておるぞ、これはいったい…。」
「それが、私にもよくわからないのですよ。
気がついたら、再び起き上がっていて…。」
「まあよい。それよりもこの状況では多勢に無勢。」
「それならば、よい方法があります。
本能寺には裏の抜け道があると聞きます。
その抜け道を通り抜ければ、一度死んだということにして、しかるべき後に姿を見せるというのも一つの手かと。」
毛利新介=時田旅人は、信長に対してこのような提案をした。
しかし、これを信長が受け入れてくれなければ、それまでだ。
その場で首をはねられても仕方がない。
「なんと、そのような抜け道があるというのか!?」
信長も半信半疑だったようだが、それでも意外とあっさりと、提案を受け入れてくれたようだった。
既に本能寺は火に包まれていた。
一刻も早く脱出しなければ、共に焼け死んでしまう。
「さあ、こちらです。」
「なんと、ここが抜け道なのか…。」
そして信長、森蘭丸、それと毛利新介=時田旅人は、抜け道を通り抜け、まんまと本能寺の裏口から脱出したのだった。
「信長を探せー!信長を探せー!」
明智光秀の軍勢は燃え盛る炎の中、信長を探そうとするが、炎の勢いは激しく、結局見つけることはできなかった。
「さては、炎の中で自害したのか…。」
そう思った明智光秀。
だが、信長は自害してはいなかった。
この後、光秀の前に信長が現れる。
家臣一同が集められる。そこに信長が現れ、家臣一同は驚く。
「信長様!本能寺の変で討たれたと聞いたのですが、生きておられたのですか!?」
「さよう。信長はこのとおり、生きておる。」
そしてそこにいた光秀もまた、驚きを隠せず、そしてその表情は凍りついていた。
「信長様…!」
「ん?どうした光秀、何を驚いておる、このとおり、足もついておるぞ。」
そして、毛利新介=時田旅人を近くに呼び寄せる。
「でかした。毛利新介よ。」
信長は間もなく光秀を、謀反の罪で処刑することにした。