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野球ゲームの世界に飲み込まれました。  作者: kaonashi
第2章 ~チーム力アップだ!友情イベント編~
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いざ、参らん


覇王高校は大きな山の麓に位置している。

地図を片手にその山へと入山。一時間ほど歩いたところに位置する岩肌。覆い被さる草を掻き分けると‥‥



「‥‥!?尾間加瀬殿!!!この中、洞窟になっているでござるよ!!!」



そう、この洞窟の中に黄金のスパイクが隠されているのだ。

初めて、黄金のスパイクイベントが起きたときは本当にビックリしたのを覚えている。まさか、こんなところにスパイクが隠されてるなんて誰が思う?てか、隠したやつ、誰だよ?なんでこんなところに隠した?



「とりあえず、中に入るぞ」



「わかったでござる!!!しかし、尾間加瀬殿、随分落ち着いているでござるな?恐くないのでござるか?」



「ん?あ、ああ‥‥そ、そうだな、怖いぞ、なんとなく、ほんのりとな!」



「???‥‥左様でござるか‥」



やばい、やばい。僕がこのイベントを知ってた、なんてバレたら説明が面倒だからな。こういう、小さな歪みがやがて大きな矛盾へと繋がっていくんだ。出来るだけ異世界から来たことはバレずにいきたい。



黄金のスパイクの効果だが、まさにチート級だ。

まず、着用者はミートと走力がカンストする。更に「安打製造器」、「盗塁」、「走塁」の特殊能力が付与される。要するに、これを履けば誰でも◯チローのような活躍が出来るということだ。オールラウンダーの選手を作る場合、この黄金のスパイクイベントは欠かせないイベントとなる。「3年時までにこのイベントが出ていなければリセット」という育成理論もあるくらいだからな。



ーーーーーーーーーーーーーーーーー



洞窟の中は真っ暗で「キィ、キィ‥‥」とこうもりの鳴き声が響き渡っている。隣にいる只野は今にも失神しそうな感じだが、別に何て事はない。

このイベントでは、何か襲われたりとか、そういう危険は無いのだ。歩き進めていくと二股に道がわかれるので正しいほうを選ぶ。間違った方を選ぶと洞窟の外へと出てしまい、探索イベント終了。ただ、それだけの話だからな。


言わずもがな、僕はどういう風に進めばいいかを暗記している。

だから、このイベントにおいて怖いものは何もない。むしろ、理想的一番打者が誕生する事への歓びに打ち震えているのだ。



「‥‥!?尾間加瀬!!!道が二手に別れているでござる!!!地図にもここから先の道順は書いてないでござる‥‥どっちに進むでござるか!?」



やっと来たか、選択肢。確か、選択肢は全部で4つ出てくる。それを右、右、左、右進めばスパイクに行き着くハズだ。



「そうだな‥‥右へ行くか」



「わかったでござる!!!でも、どうして右でござるか?」



追求してくんじゃねーよ!!!バカメガネ!!!



「そ、そうだな‥‥匂いだよ、匂い!!!左の道は冬の風の香りがしたんだ!◯空のムコウみたいにな!だから外に向かわない方、つまり右なんだよ!」



「尾間加瀬殿は鼻がいいのでござるな!!!いやぁ、驚きでござる!尾間加瀬殿の近くでは迂闊にオナラも出来んでござるな!!

!」



ワッハッハと笑うメガネ。うるせーよ。



右の道を選び、意気揚々と歩き進む。進む。進む。

30分程歩いたが、いまだに次の分岐にたどり着かない‥‥

ん、どういうコトだ?記憶違いってことは無いと思うんだが‥‥



「尾間加瀬殿、引き返した方が‥‥」



「いや、そんなハズはない!!!もうちょっと歩けばたどりつくハズだ!!!」



「尾間加瀬殿!その確信は一体何処から‥‥」





ズッシーーーーーーーーーンンン!!!!!!!!!





「「うわぁあああああああああああああああ!!!!!!」」




え!?なに!?今音なに!?なんなの!?


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