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野球ゲームの世界に飲み込まれました。  作者: kaonashi
第2章 ~チーム力アップだ!友情イベント編~
73/78

私を誰だと思ってるワケ?


ボール球スローボールで上手く打たせるよ戦法が功を奏し、その後は失点を最少に抑えた。



だが、時すでに遅し。



9回裏の時点でスコアは0-7。

頼みのルナちゃんもカラコン中二の投球術に幻惑され無得点。

これは、負けたかな。まぁ負けたところでこっちにリスクはないんだから別にいいんだけどさ。



「ふぅ、やっと最終回か‥‥グッダグダの試合展開で本当に長く感じたな。あれだけ威勢のいいことを撒き散らしてたクセに結果はこれか。拍子抜けだなぁ、ほんとに。このまま情けなく負けたら今までの暴言に対しての謝罪をしてもらうからな」



こいつ、本当に性格悪い。一体どういう育ち方をしてきたんだ?家庭環境が知りたいわ。このまんま大人になってしまったらきっと犯罪者になるか、ニートになるか、異世界召喚されて調子にのって俺tueeeeしてたら突然現れた強キャラに一瞬のうちに殺される噛ませ犬になってしまうぞ?



「‥‥‥‥‥‥‥‥」



対する我らが女神、ルナ様は無言。

その燃え上がるような赤い瞳からは、一切の諦めの色を感じられない。で、でもいくらルナ神だとしてもここからの逆転は難しいんじゃないかな‥‥



そして、最後の攻撃が始まった。

しかもこの回、8、9、1の下位打線からや‥‥!

本格的に、オワタ‥‥



8番はセカンドの志二。

初球はインコースから内側に切れ込んでくるスライダー!



バシィーーーン!!!ストライク!!!



ルナ様、ここは見逃す。

しかし、今ミートカーソルだけはバッチリあっていたような‥‥?


その後、志二は見逃し三振。そして、驚くべき事にルナ様一球もスイングせず。ミートカーソルだけを合わせていた。



こ、これって‥‥もしかして、あれだろ!?

全盛期の◯合博光だな!!!



プロ野球ファンなら誰もが知っているかもしれないが、◯合博光はオープン戦で一球もバットを振らずに球筋だけをみるという、まさに◯合だけが許された調整方をすることがあった。



まさか、土壇場のこの場面で、しかも野球ゲームでそれをしてくるとは‥‥!



続く打者は9番の田桑。

みんな、称賛して欲しい。なんと田桑は2回から今に至るまでロックオンゴーグルス打線をなんと2点に食い止めているのだ。


まさに、たましいの投球。僕自信は半ば諦めていた。しかし、ルナちゃんと田桑だけはこの試合、諦めてなかった!!!


もう、その右肘はボロボロのハズ。しかし、田桑は目の前の勝利を信じて投げ続けてる。



ご、ごめんよ‥‥田桑ああああああ!!!



ガキィーーーン!!!!!!!



えええええええええええええええええええええええええええ!!!!!??????



「う、嘘だろ!?」


「‥‥‥‥‥‥!?」



驚く、化乃川とカラコン。白球はなんとレフトスタンド最前列へ飛び込むソロドームラン。



「ル、ルナ様あああ!!!!」



「ア、アンタまた『ルナ様』って呼んだ!?や、やめてって言ったでしょ、その呼び方っ!!!」



「ご、ごめん。でも凄いよ!いくら田桑がピッチャーの中ではそこそこの打撃能力を持ってるからって、まさかスタンドまで運ぶなんて!!!」



ルナちゃんは、ふふんと得意気な顔をして



「私を誰だと思ってるワケ?もう、こんなゲーム攻略したも同然だわ」



と、仰った。

な、なんですと‥‥???



「ふん、ハッタリはやめろ、見苦しい。たまたま落ちる球を真芯で捉えられただけの話だろ。点差は6点。焼け石に水とはまさにこの事だな」



「ほんっと、アンタ口だけは達者ね。いいから黙って見てなさい、この口悪忍者オタク!」



「くっ、くちわるにんじゃ‥‥!?」



うむ。悪口でルナ様に叶うやつはいないな。



「おい、わかってるな?これはただのブラフだぞ。今までのように普通にプレーすれば勝てるんだからな?」



「‥‥‥‥‥‥‥‥」



カラコンにプレッシャーをかける化乃川。

わかってないなぁ。そんな事は言われなくてもわかってるんだから言う必要は無いんだよ。それは、逆効果だ。まぁ、高校生にはわからんだろうが。



バッターは一番に帰り、水清。

その初球‥‥



ガキィーーーン!!!!!!!



「はあああ!?」


「‥‥‥‥!?」



アウトコースからストライクゾーンに入ってくるスライダーを真芯で捉えられた打球は見事にレフトスタンドにライナーで突き刺さるっ‥‥!!!



「え、どうして!?ルナちゃん、なんでいきなり打てるようになったの!?」



「え?なんでって、見てたら解ったわよ。球を打つ寸前にピッて合わせてガンっ!て打てばいいんでしょ?最初は中々マネ出来なかったけど、こう何度も何度も見せられたらね、嫌でも覚えるわ」



て、天才だ‥‥!?

ロックオンの打ち方を見ただけでマスターしただと‥‥!?

つまり、ルナ様=ロックオンってことか?いや、それ以上だ。ロックオンは自分の意思とは関係なくカーソルが動くから打ちミスが生じやすい。しかし、手動ロックオンであればそれはない。



つまり、MU・TE・KI?



「さぁ、覚悟しなさい。ここからは7番打者までパワーB以上よ。抑えたかったら瀬岩クラスの抑えを持ってくることね。まぁ、そんなピッチャー、ゴーグルスにはいないだろうけど」



形勢は完全に、逆転した。



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