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野球ゲームの世界に飲み込まれました。  作者: kaonashi
第2章 ~チーム力アップだ!友情イベント編~
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イカサマ


崎山のスリーランの後、さらに一点を失い結局初回だけでまさかの5失点。大炎上だ。マウンド上の原上もピヨリ状態を通り越しノックアウト状態。ぽけーっと空を見上げている。



解せん。とにかく、解せん。

打たれ方がどうも不自然だ。通常変化球打ちをする場合は、その球の着弾点を予想してミートカーソルを予めそこに置いておく。あとは若干の微調整を加えてミートする、というやり方が一般的なのだが、やつはミートカーソルを予め置いておくということはせず、球が着弾点に到達する瞬間に一気にカーソルを持っていく‥‥


そんな、やり方でここまで正確にミート出来るもんなのか?

一体、どういう‥‥



あっ‥‥!まさか‥‥



「てめええええええええええええ!!!!!!!!『ロックオン』にしたなあああああああああああああ!!!!!!!」



「どうした、いきなり?大声で叫んで。まわりの客に迷惑だろう?」



「しらばっくれてんじゃねーよ!!!このボケナスイカサマチート野郎!!!打ち方があまりにも不自然なんだよ!それは『ロックオン』を使ったときの打ち方だっ!!!」



烈火の如く怒鳴り散らして追及するが、化乃川のやつ一切焦っている様子がない‥‥?



「それは、ただの言いがかりだろ。証拠でもあるのか?お前もオプション画面は一緒に確認したハズだ。その時ちゃんと『マニュアル』と表示されていたろ?」



クッ‥‥確かにそうだった。そうだったんだけど、でも『ロックオン』でも使ってなきゃ、この状況は説明がつかないだろっ‥‥!!!




「駄犬。わんわん吠えるのをやめなさい」




ルナちゃんの澄んでいて、かつ存在感のある声が響き渡った。



「ル、ルナちゃん!!!だってこいつらイカサマを‥‥!」



「アンタ、前提から間違ってるわよ。イカサマをしちゃいけないなんてのは暗黙のルールであって、別にこの勝負のルールには含まれてないわ」



ル、ルナ様?何を仰っているのですか?



「仮にそのイカサマを指摘したとして、証拠があがるようなやり方をしてるとは思えない。まあ、事前にソフトに細工してたか、それか、そこの前髪ロング片目カラコン中二野郎が幻術的なものを使ってオプション画面の時に『ロックオン』を『マニュアル』に見せていたか、そんなところでしょ?その前髪も存在感を消すためのブラフだったってワケね」



化乃川の隣にいた前髪ロング片目カラコン中二野郎がビクッと震えた。ただ、カラコンしてるかどうかは完全にこっちの憶測なんだけど‥‥



「ふん、下らんな。憶測ばかりでものを話しやがって。別にこっちは調べてもらってもいいんだぞ?もう一回オプション画面開いて確認してみるか?」



化乃川、余裕の態度を崩さない。

クソっ‥‥!よっぽど精巧にイカサマを隠してるってワケか!!!



「そんなこと必要ないわ。てか、まだわかんないワケ?アンタらみたいなザコ『ロックオン』のハンデがあっても余裕だって言ってんのよ」



ピクッ‥‥と化乃川の表情が動いた。あれだけ、冷静な化乃川をピクらせるとは‥‥ルナ様の悪口スキルは大したもんだ。



「チッ‥‥今の言葉覚えておけよ?そんな大口叩いておいて、無様に負けたときは‥‥解ってるだろうな?」



ルナ様、それを聞いても余裕の態度を崩さず



「ああ、大丈夫、大丈夫!それは、ないから」



と、言ってのけた。



ル、ルナ様‥‥!強キャラ感が半端ないよ!!!

てか、ほんとに大丈夫なの!?



知らない人のために‥‥


ロックオンとは、パワプロ初心者のためにあるモードで

ミートカーソルが来た球に自動で照準を合わせてくれます。

なので、プレイヤーはタイミングを合わせてボタンを押すだけでヒットが打てます。

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