ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴっ‥‥!
野球ゲームで勝負?ここはすでに野球ゲームの世界だが?
なんだかよくわからん展開になってきたな。思考が追い付かない。ゲームの中でさらにまたゲームをする‥‥?
そのゲームの中で、またゲームをする展開になったりして。
そしたらまたそのゲームの中で‥‥
バシッ!!!いちゃい‥‥
「なに間抜けな顔してんのよっ!余計な事考えてないでちゃんと人の話しを聞くっ!!!」
はーい、ごめんなさーいママー
「勝負の内容はなんでもいいわよ。で、細かいルールは?」
ルナちゃん、飲み込みが速すぎるよ!?
なんで、こんな超展開についていけるのさ?そもそもなんで他校のスパイと野球ゲームせなあかんねん!意味わからんわっ‥‥!
「話が速くて助かる。細かなルールの説明だが、このゲームの『対戦モード』で勝敗をつける。チームは12球団のどのチームを使っても構わない。ただし、オールスターチームの使用は禁止だ」
あの‥‥勝手に話し進めないでもらえますかね?
一応、僕、主人公なんですけど‥‥
「わかったわ。で、誰と誰が対戦するワケ?まさか、部のメンバー全員で総当たり、なんて言わないわよね?」
「まさか。出来るだけこの話しは内密にお願いしたいからな、そんな事はしない。通常なら、対戦モードは2人対戦が基本だ。だが、今回は二人vs二人、タッグ戦とさせてくれ」
ん、タッグ戦‥‥?それって、どゆこと?
「一人の上手いやつに任せきりでは面白みが無いだろう?野球はチームスポーツだからな。それゆえのタッグだ。つまり、一人が守備のみ、もう一人が攻撃のみを担当する。完全に操作を分けるということだな。守備操作は得意だけど打撃操作が苦手、逆に打撃操作は得意だけど守備操作やピッチングが苦手という者もいるだろう?そういう部分を補い合い、チームとしてのベストパフォーマンスを発揮しようということだ」
ほう、なるほど。それはやったことがなかったな。
確かに、ちょっと楽しそうだ。僕が一人でやると、恐らく絶対勝っちゃうからな。ど下手な奴と組むくらいでちょうどいいかも。
すると、メンバーだが‥‥
「はい!はい!はい!はい!はい!はい!はーい!!!こうめ、げーむやりたいのです!!!ますたーとげーむやりたいっ!!!」
ウンコを犬に食わせようとしたらいきなり人の姿になった、という事実に思考が追い付かずおいてけぼりになっていたこうめがはしゃぎ始めた。いくらゲームキャラとはいえ、幼女には荷が重いんじゃ‥‥
「やりたいやりたいやりたいやりたいやりたいやりたいやりたいのですーーーーーーっ‥‥‥‥ひっ!?」
ん?どした?
こうめの視線の先を辿ると‥‥
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴっ‥‥!!!
無言の圧力をかけるルナ様がそこに、いた。
「こ、こうめやっぱりやめるのです‥‥こうめはようじょだからげーむはまだはやいのです‥‥ふにゅ」
タッタッタッ‥‥
と足早に去っていく。
「ふぅ、仕方ないわね‥‥消去法でメンバーは私と駄犬で決まりね。で、アンタは誰と組むのよ?」
ル、ルナさまっ‥‥!
「俺は適当にゲームが得意なやつを一人連れてくるさ。勝負は一週間後。場所は‥‥そうだな数駅離れたところにゲームカフェがある、そこで行おう。公正を期すためにな」
「わかったわ。あと、そのソフト貸してくれない?私プレイしたことないのよ」
ええええええええええええええええええっ!!!
素人かい!?さも当たり前かのようにルナちゃんがメンバー入りしてたけど、大丈夫か?
「いいだろう。思う存分、練習してくれ。では、また一週間後。場所は追って連絡する」
そう言ってルナちゃんにソフトを渡すと
ドロン!!!
またいつものように大量の煙が発生。
晴れた頃には化乃川の姿はどこにもなかった。
つーか、それで逃げれんなら最初からそれで逃げとけよ。
「ていうか‥‥ルナちゃん!!!大丈夫なの?野球ゲーム素人なんでしょ?どうするつもりなのさっ!!!」
問い詰めるが、ルナちゃんは自信満々な顔で
「はぁ?アンタ誰にもの言ってんのよ。私にかかれば野球だろうがサッカーだろうがゲームだろうが政治だろうがワケないわ!」
いやぁ‥‥少なくとも政治は任せられんな。うん、全力で不信任だ。
「それでさぁ‥‥」
ルナちゃんが顔を赤らめてもじつく。
これっ!たまにやるこれよ!可愛いんだよなあ‥‥あざとすぎて反則ですっ‥‥!
「私のうちで一緒に練習しない?」
‥‥‥‥素晴らしいデレだ。120点っ‥‥!




